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ジェレスタ99「 狂 気 の 深 海 神 ネ プ チ ュ ー ン ・ ポ セ イ ド ン 降 臨 」
「遊矢…」
「心配か?」
「い、いや……遊矢なら大丈夫だと思ってます!」
「そうか、羨ましいよ」
遊矢なら絶対戻ってくる!だから私、信じなきゃ!
~~~
ーーー或る時代
赤い髪は呪いの証、紫の髪は災厄の証。
そう誰かに言われたっけ?
「ひっく…うぇ……ううぅ…」
「ねえ」
「………ん?」
「キレイな髪してるね、君の名前を教えてよ」
ーーー現在
「「デュエル!」」
「先攻は俺!ドロー!俺は《深海騎 アビス・ソルジャー》を召喚!」
《攻撃力:1500/レベル:4》
水属性デッキ………あれ?
「誠のデッキが違う……」
「そりゃそうだよ。俺の真のデッキは神・ポセイラとして最高位に立つ水の力を持つデッキ…」
要するに、水属性デッキかよ…回りくどすぎだぜ…。
「アビス・ソルジャーの効果、手札のアビス・ソルジャーを墓地に送ることで一体で二体分のエクシーズ素材になる!」
「これでレベル4が二体分……」
「更に、魔法カード《深海の星列》発動!墓地のレベル4以下のモンスター一体を除外し、そのモンスターのレベル分、自分フィールドのモンスターのレベルを上げる!除外するのはレベル4のアビス・ソルジャー」
《レベル:8》
レベル8のモンスターが二体分…!いきなり来るのかよ!
「レベル8となったアビス・ソルジャー二体分でオーバーレイ!二体の水属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
「あれは……」
「さ、寒いぃ…!」
「幻影駆け巡る海の神、聖なる氷城を汚す者に闇の裁きを!現れよ!《聖海神 アビス・ネプチューン》!」
《攻撃力:2900/ランク:8/ORU:1》
あれが神の操る神……、まだ効果が分からない以上油断はできねえ…。
「俺はカードを一枚伏せターンエンド」
《手札:2》
この勝負は負けられない…俺だけじゃない、ヒカルだってなにがあるか分からないんだ…慎重になれ…慎重に…。
「俺のターン、ドロー!」
「永続罠《深海の次元層》発動!このカードは、まず二つの属性を選択する。俺が選択するのは水属性と風属性」
俺と誠が使う属性…?もし俺にデメリットがあってもそれは誠も同じになるんじゃ…。
「このカードがある限り、墓地に送られる二つの属性全てをゲームから除外する!」
「ということは墓地から蘇生とか、効果発動できないのかよ!」
「その通りだよ、分かりやすい反応でなによりだ」
俺のデッキの得意技でもある墓地を有効活用した効果もここじゃ無駄ってことかよ……。
「上等だぜ!なにがなんだろうが勝つって決めたんだから勝つ!俺は《Ss-羽根箒のシスター》を召喚!」
《攻撃力:500/レベル:4》
「またおかしなテンション上げやがった……こっちは文句言えないか…」
「シスターの効果発動!1ターンに一度、デッキから魔法カード一枚を手札に加える」
ふっふーん、アイツが風属性を選んだなら、俺は別属性にすればいいじゃなーい!
「俺は手札に加えた《アビス・ヴィジョナス》を発動!この…」
「俺は手札から《深海姫 ラグナ・ソウル》を墓地に送り効果発動!相手の魔法カードの発動を無効にする」
「うえぇえ!?んなのありかよ!」
「言わんこっちゃない…」
「うるせえ!!俺は手札から《Ss-ワンダー・キャット》を特殊召喚!このモンスターは魔法カードの効果が無効になった時、手札から特殊召喚できる!」
《攻撃力:1000/レベル:4》
これでレベル4のモンスターが揃った!本気出して行くぜ!
「レベル4のシスターとワンダー・キャットでオーバーレイ!エクシーズ召喚!《Ss-エア・ストリームソード》!!」
《攻撃力:2100/ランク:4/ORU:2》
「これだけじゃ終わらない!エアストリームエクシーズチェンジ!現れろ!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!」
《攻撃力:2500/ランク:4/ORU:3》
「現れたか…面白い!」
まだアビス・ネプチューンの効果が分からない…だけどここは攻める!
「ホープ・オブ・ソードの効果発動!1ターンに一度、オーバーレイユニッ トを一つ使い、相手フィールドのモンスター一体の攻撃力1000ポイントにつき、攻撃力を800ポイントアップする!」
《攻撃力:4100》
誠のフィールドにはアビス・ネプチューンのみ!攻撃力が上がって4100になった!アビス・ネプチューンを上回ったぜ!
「行けっホープ・オブ・ソード!アビス・ネプチューンを攻撃!シューティングスターブレード!!」
「……フフッ…俺はアビス・ネプチューンの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、攻撃を無効にする!」
…な、なぁんだ攻撃無効なら大丈夫大丈夫!
「まだ効果は終わりじゃない、更なる効果でお互いの除外されたモンスターカード一枚につき相手に400ポイントのダメージを与える!」
「なにっ!?」
「除外されているモンスターは3枚、よって1200のダメージだよ!コールドナイトストーム!」
「っうわぁぁぁあ!!」
《遊矢のライフ:2800》
いってえ……さみぃぃ……デュエルのダメージが本物になるのは分かってたけど寒さまで来るとはぁぁ……冬なんだから勘弁してくれぇぇ……。
「遊矢!」
「君も人の心配してる場合?」
「なっ…うぁあぁぁぁあ!!」
「いってぇ……!ヒカル!」
氷が…誠の奴、一体何しやがったんだ…!!
「誠てめえ!!」
「このデュエルで受ける苦しみは城の養分になる、君のライフが減れば減るほど君のヒカルちゃんはどんどん氷漬けになっちゃうよ?そっ、ライフが0になれば氷柱になっちゃうね!」
「そんなん……そんなん勝てば良いんだろ!!」
「甘いよ。俺のライフが減れば、ここの薔薇の養分になるわけ、棘が心臓抉って死んじゃうか、茨で絞められて窒息死がオチじゃない?」
じゃあどっちにしたって助けられないじゃんか…!
「なんでこんなことするんだよ!!俺が狙いならヒカルは……!」
「君も彼と同じことを言うんだね」
「えっ…?」
「分からない…?君が今一番恐れているのは仲間を失うこと、そして彼は君を失うことを恐れてる。そんな二人が同時に互いを失うなんて…俺は快感だよ」
ヒカルは、俺がいなくなるのが怖いのか…?俺もそりゃ嫌だけど…。
「くっ……遊矢…!」
「ヒカル!大丈夫だからな、絶対助けてやるからな!……まだ平気だよな…?!」
「今は…まだ、問題ない…ただ……いつまで持つかは分からないかな……」
「……絶対大丈夫だから…一発でライフ削りきれば…絶対大丈夫!!」
ライフを削りきれば取り戻すことができる…ただ一撃で倒さなきゃヒカルの命に関わる問題だ……気を付けなきゃ…。
「プレッシャーだねえ、良いよ良いよ…鏡ちゃんが好きそうな絶望…」
「なんでそんなアイツに拘ってんだよ…お前」
「……鏡ちゃんはね、俺の恩人だから」
ーーー或る時代
赤い髪は呪いの証、紫の髪は災厄の証…俺の父親が語った。
最低な親父だったよ、俺が生まれてすぐに「災厄を呼ぶ女」と言って愛していた妻を殺した。都中の民に俺のことを言いふらし、嫌わせ、俺は3歳の誕生日に地下牢に入れられて、散々殴られた。痛いし辛かったから9歳の時、地下牢をこっそり抜け出して手に入れた包丁で殺した。
自由になることはなかったよ、出てきてからも苦しんだ。
外に出たことがない俺には日差しが怖かった。鬼の子と言って殴りかかる子供や大人が怖かった。助けなんてなかった。
13歳のある日、俺は出逢った。
「キレイな髪してるね、君の名前を教えてよ」
「…誠………真実誠…」
「僕は七紡(ナツミ)鏡。どうして泣いてるの?泣かないで、僕がいるから」
ーーー現在
「鏡ちゃんは暗くて寂しい過去から連れ出してくれた、俺の初めての友達さ」
「良い奴…なのに…」
どうして神になんか…闇の力なんか…。
「その後、鏡ちゃんは……」
ーーー
「お前ら!なんで誠をいじめるんだよ!」
「鬼の子と一緒にいる化け物なんかに教えるか!」
「そうだそうだ!七紡家の恥さらし!」
鏡ちゃんは身を呈して守ってくれた。
いつの間にか殴られる回数は減っていったけど、出会い頭に悪口言われたり、首絞められるなんてしょっちゅうだった。
ある日………、
「ねえ…」
「なに?」
「鏡くんは僕と一緒にいて嫌じゃない?お家の事までバカにされて…」
「気にしなくても、そーゆうのは御姉様がなんとかしてくれるから!」
「本当に…?」
「本当さ!それに誠に会ってから夢ができたんだ!」
「どんな夢…?」
「僕、将来神様になる!神様になって、誠みたいにいじめられたり迫害される人がいないような世界に変えるんだ!」
「神様になって世界を…?」
「そうさ!誠も付き合ってくれるよね?」
「……うん!僕絶対鏡くんと神様になる!ずっと鏡くんと一緒にいたいから!」
「よしきた!ずっと親友だからね、誠」
ーーー
そんなことが………。じゃあ鏡は誠のために、世界を変えようとした…?カミサマになっていじめも迫害もない世界に変えようと……。
「腐った世界を変える………そういうことだったのか…」
「俺たちは確かに神になったよ、過程はともかくとしてね。だけど、君らとあのバカ女狐のせいで!何千年も経った今も世界は淀んだままなんだ!」
バカ女狐ってタスキのことか……、そういえば鏡を封印したのってタスキだったよな。
「……さ、デュエル再開だよ」
「…俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ!」
《手札:3》《攻撃力:2500》
「俺のターン!俺はアビス・ネプチューンを素材とし、マイナスエクシーズチェンジ!」
遂に来るのか…!
「一体のモンスターでオーバーレイネットワークを逆構築!光射さぬ深海の覇者、闇の雫を貫いて、今こそ神なるその姿を顕せ!顕現せよ《深海覇神 ネプチューン・ポセイドン》!!」
《攻撃力:4000/ランク:-8/ORU:1》
「深海覇神………」
「ネプチューン・ポセイドン…!」
「さぁ始めよう。これが、絶望へのカウントダウンだ!」
100話へ続く
=====================
【あとがき】
今回の一言、「遊戯王恒例クズ父親推参」。
誠がグレないわけがない……って、えっ?としか言いようがないですね、まさかの展開。
つか予告でエクススパイラルブレード出すって書いたけど出せなかったね、申し訳ありません。これも紅蓮の悪魔の仕業でございます。
神の五王真切り札、神の名のカード登場です。神のカードじゃないですけど。一応近々登場する二体を言っちゃうと《天空狼神 ゼウス・ウラヌス》、《美愛麗神 アルテミス・アフロディテ》です。誰が使うかと消えるかは察し。
誠の親父がクズなのは構わんが実はクズ父親はライバル勢の得意芸なのか夕紀夜やら里依紗やらがこれに当てはまってるんだよ。
次回むちゃくちゃ長くなる予感パネエ………。
次回!!二つの力の限界突破!!これがギャラクシーアーマードだ!
誠の切り札、ネプチューン・ポセイドンの力で追い詰められる遊矢とヒカルに新たな力が!友を信じ大切に思う気持ちか友と共に闇の道にも行く覚悟か……。
鏡編、遂に完結!
【予告】
誠の切り札・ネプチューン・ポセイドンの圧倒的な力とある永続魔法によって追い詰められる二人。
デュエルの最中、力尽き倒れた遊矢に対し誠は「自分の絆の在り方」を話す。
自分自身の絆の在り方を追い求め、遊矢とヒカルの友情は再び奇跡を起こすことができるのか…!?
次回!第100話「想いよ届け 限界突破!ギャラクシーアーマード!」
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ジェレスタ99「 狂 気 の 深 海 神 ネ プ チ ュ ー ン ・ ポ セ イ ド ン 降 臨 」
「遊矢…」
「心配か?」
「い、いや……遊矢なら大丈夫だと思ってます!」
「そうか、羨ましいよ」
遊矢なら絶対戻ってくる!だから私、信じなきゃ!
~~~
ーーー或る時代
赤い髪は呪いの証、紫の髪は災厄の証。
そう誰かに言われたっけ?
「ひっく…うぇ……ううぅ…」
「ねえ」
「………ん?」
「キレイな髪してるね、君の名前を教えてよ」
ーーー現在
「「デュエル!」」
「先攻は俺!ドロー!俺は《深海騎 アビス・ソルジャー》を召喚!」
《攻撃力:1500/レベル:4》
水属性デッキ………あれ?
「誠のデッキが違う……」
「そりゃそうだよ。俺の真のデッキは神・ポセイラとして最高位に立つ水の力を持つデッキ…」
要するに、水属性デッキかよ…回りくどすぎだぜ…。
「アビス・ソルジャーの効果、手札のアビス・ソルジャーを墓地に送ることで一体で二体分のエクシーズ素材になる!」
「これでレベル4が二体分……」
「更に、魔法カード《深海の星列》発動!墓地のレベル4以下のモンスター一体を除外し、そのモンスターのレベル分、自分フィールドのモンスターのレベルを上げる!除外するのはレベル4のアビス・ソルジャー」
《レベル:8》
レベル8のモンスターが二体分…!いきなり来るのかよ!
「レベル8となったアビス・ソルジャー二体分でオーバーレイ!二体の水属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
「あれは……」
「さ、寒いぃ…!」
「幻影駆け巡る海の神、聖なる氷城を汚す者に闇の裁きを!現れよ!《聖海神 アビス・ネプチューン》!」
《攻撃力:2900/ランク:8/ORU:1》
あれが神の操る神……、まだ効果が分からない以上油断はできねえ…。
「俺はカードを一枚伏せターンエンド」
《手札:2》
この勝負は負けられない…俺だけじゃない、ヒカルだってなにがあるか分からないんだ…慎重になれ…慎重に…。
「俺のターン、ドロー!」
「永続罠《深海の次元層》発動!このカードは、まず二つの属性を選択する。俺が選択するのは水属性と風属性」
俺と誠が使う属性…?もし俺にデメリットがあってもそれは誠も同じになるんじゃ…。
「このカードがある限り、墓地に送られる二つの属性全てをゲームから除外する!」
「ということは墓地から蘇生とか、効果発動できないのかよ!」
「その通りだよ、分かりやすい反応でなによりだ」
俺のデッキの得意技でもある墓地を有効活用した効果もここじゃ無駄ってことかよ……。
「上等だぜ!なにがなんだろうが勝つって決めたんだから勝つ!俺は《Ss-羽根箒のシスター》を召喚!」
《攻撃力:500/レベル:4》
「またおかしなテンション上げやがった……こっちは文句言えないか…」
「シスターの効果発動!1ターンに一度、デッキから魔法カード一枚を手札に加える」
ふっふーん、アイツが風属性を選んだなら、俺は別属性にすればいいじゃなーい!
「俺は手札に加えた《アビス・ヴィジョナス》を発動!この…」
「俺は手札から《深海姫 ラグナ・ソウル》を墓地に送り効果発動!相手の魔法カードの発動を無効にする」
「うえぇえ!?んなのありかよ!」
「言わんこっちゃない…」
「うるせえ!!俺は手札から《Ss-ワンダー・キャット》を特殊召喚!このモンスターは魔法カードの効果が無効になった時、手札から特殊召喚できる!」
《攻撃力:1000/レベル:4》
これでレベル4のモンスターが揃った!本気出して行くぜ!
「レベル4のシスターとワンダー・キャットでオーバーレイ!エクシーズ召喚!《Ss-エア・ストリームソード》!!」
《攻撃力:2100/ランク:4/ORU:2》
「これだけじゃ終わらない!エアストリームエクシーズチェンジ!現れろ!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!」
《攻撃力:2500/ランク:4/ORU:3》
「現れたか…面白い!」
まだアビス・ネプチューンの効果が分からない…だけどここは攻める!
「ホープ・オブ・ソードの効果発動!1ターンに一度、オーバーレイユニッ トを一つ使い、相手フィールドのモンスター一体の攻撃力1000ポイントにつき、攻撃力を800ポイントアップする!」
《攻撃力:4100》
誠のフィールドにはアビス・ネプチューンのみ!攻撃力が上がって4100になった!アビス・ネプチューンを上回ったぜ!
「行けっホープ・オブ・ソード!アビス・ネプチューンを攻撃!シューティングスターブレード!!」
「……フフッ…俺はアビス・ネプチューンの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、攻撃を無効にする!」
…な、なぁんだ攻撃無効なら大丈夫大丈夫!
「まだ効果は終わりじゃない、更なる効果でお互いの除外されたモンスターカード一枚につき相手に400ポイントのダメージを与える!」
「なにっ!?」
「除外されているモンスターは3枚、よって1200のダメージだよ!コールドナイトストーム!」
「っうわぁぁぁあ!!」
《遊矢のライフ:2800》
いってえ……さみぃぃ……デュエルのダメージが本物になるのは分かってたけど寒さまで来るとはぁぁ……冬なんだから勘弁してくれぇぇ……。
「遊矢!」
「君も人の心配してる場合?」
「なっ…うぁあぁぁぁあ!!」
「いってぇ……!ヒカル!」
氷が…誠の奴、一体何しやがったんだ…!!
「誠てめえ!!」
「このデュエルで受ける苦しみは城の養分になる、君のライフが減れば減るほど君のヒカルちゃんはどんどん氷漬けになっちゃうよ?そっ、ライフが0になれば氷柱になっちゃうね!」
「そんなん……そんなん勝てば良いんだろ!!」
「甘いよ。俺のライフが減れば、ここの薔薇の養分になるわけ、棘が心臓抉って死んじゃうか、茨で絞められて窒息死がオチじゃない?」
じゃあどっちにしたって助けられないじゃんか…!
「なんでこんなことするんだよ!!俺が狙いならヒカルは……!」
「君も彼と同じことを言うんだね」
「えっ…?」
「分からない…?君が今一番恐れているのは仲間を失うこと、そして彼は君を失うことを恐れてる。そんな二人が同時に互いを失うなんて…俺は快感だよ」
ヒカルは、俺がいなくなるのが怖いのか…?俺もそりゃ嫌だけど…。
「くっ……遊矢…!」
「ヒカル!大丈夫だからな、絶対助けてやるからな!……まだ平気だよな…?!」
「今は…まだ、問題ない…ただ……いつまで持つかは分からないかな……」
「……絶対大丈夫だから…一発でライフ削りきれば…絶対大丈夫!!」
ライフを削りきれば取り戻すことができる…ただ一撃で倒さなきゃヒカルの命に関わる問題だ……気を付けなきゃ…。
「プレッシャーだねえ、良いよ良いよ…鏡ちゃんが好きそうな絶望…」
「なんでそんなアイツに拘ってんだよ…お前」
「……鏡ちゃんはね、俺の恩人だから」
ーーー或る時代
赤い髪は呪いの証、紫の髪は災厄の証…俺の父親が語った。
最低な親父だったよ、俺が生まれてすぐに「災厄を呼ぶ女」と言って愛していた妻を殺した。都中の民に俺のことを言いふらし、嫌わせ、俺は3歳の誕生日に地下牢に入れられて、散々殴られた。痛いし辛かったから9歳の時、地下牢をこっそり抜け出して手に入れた包丁で殺した。
自由になることはなかったよ、出てきてからも苦しんだ。
外に出たことがない俺には日差しが怖かった。鬼の子と言って殴りかかる子供や大人が怖かった。助けなんてなかった。
13歳のある日、俺は出逢った。
「キレイな髪してるね、君の名前を教えてよ」
「…誠………真実誠…」
「僕は七紡(ナツミ)鏡。どうして泣いてるの?泣かないで、僕がいるから」
ーーー現在
「鏡ちゃんは暗くて寂しい過去から連れ出してくれた、俺の初めての友達さ」
「良い奴…なのに…」
どうして神になんか…闇の力なんか…。
「その後、鏡ちゃんは……」
ーーー
「お前ら!なんで誠をいじめるんだよ!」
「鬼の子と一緒にいる化け物なんかに教えるか!」
「そうだそうだ!七紡家の恥さらし!」
鏡ちゃんは身を呈して守ってくれた。
いつの間にか殴られる回数は減っていったけど、出会い頭に悪口言われたり、首絞められるなんてしょっちゅうだった。
ある日………、
「ねえ…」
「なに?」
「鏡くんは僕と一緒にいて嫌じゃない?お家の事までバカにされて…」
「気にしなくても、そーゆうのは御姉様がなんとかしてくれるから!」
「本当に…?」
「本当さ!それに誠に会ってから夢ができたんだ!」
「どんな夢…?」
「僕、将来神様になる!神様になって、誠みたいにいじめられたり迫害される人がいないような世界に変えるんだ!」
「神様になって世界を…?」
「そうさ!誠も付き合ってくれるよね?」
「……うん!僕絶対鏡くんと神様になる!ずっと鏡くんと一緒にいたいから!」
「よしきた!ずっと親友だからね、誠」
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そんなことが………。じゃあ鏡は誠のために、世界を変えようとした…?カミサマになっていじめも迫害もない世界に変えようと……。
「腐った世界を変える………そういうことだったのか…」
「俺たちは確かに神になったよ、過程はともかくとしてね。だけど、君らとあのバカ女狐のせいで!何千年も経った今も世界は淀んだままなんだ!」
バカ女狐ってタスキのことか……、そういえば鏡を封印したのってタスキだったよな。
「……さ、デュエル再開だよ」
「…俺はカードを一枚伏せてターンエンドだ!」
《手札:3》《攻撃力:2500》
「俺のターン!俺はアビス・ネプチューンを素材とし、マイナスエクシーズチェンジ!」
遂に来るのか…!
「一体のモンスターでオーバーレイネットワークを逆構築!光射さぬ深海の覇者、闇の雫を貫いて、今こそ神なるその姿を顕せ!顕現せよ《深海覇神 ネプチューン・ポセイドン》!!」
《攻撃力:4000/ランク:-8/ORU:1》
「深海覇神………」
「ネプチューン・ポセイドン…!」
「さぁ始めよう。これが、絶望へのカウントダウンだ!」
100話へ続く
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【あとがき】
今回の一言、「遊戯王恒例クズ父親推参」。
誠がグレないわけがない……って、えっ?としか言いようがないですね、まさかの展開。
つか予告でエクススパイラルブレード出すって書いたけど出せなかったね、申し訳ありません。これも紅蓮の悪魔の仕業でございます。
神の五王真切り札、神の名のカード登場です。神のカードじゃないですけど。一応近々登場する二体を言っちゃうと《天空狼神 ゼウス・ウラヌス》、《美愛麗神 アルテミス・アフロディテ》です。誰が使うかと消えるかは察し。
誠の親父がクズなのは構わんが実はクズ父親はライバル勢の得意芸なのか夕紀夜やら里依紗やらがこれに当てはまってるんだよ。
次回むちゃくちゃ長くなる予感パネエ………。
次回!!二つの力の限界突破!!これがギャラクシーアーマードだ!
誠の切り札、ネプチューン・ポセイドンの力で追い詰められる遊矢とヒカルに新たな力が!友を信じ大切に思う気持ちか友と共に闇の道にも行く覚悟か……。
鏡編、遂に完結!
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誠の切り札・ネプチューン・ポセイドンの圧倒的な力とある永続魔法によって追い詰められる二人。
デュエルの最中、力尽き倒れた遊矢に対し誠は「自分の絆の在り方」を話す。
自分自身の絆の在り方を追い求め、遊矢とヒカルの友情は再び奇跡を起こすことができるのか…!?
次回!第100話「想いよ届け 限界突破!ギャラクシーアーマード!」