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ジェレスタ97「 絆 の 相 棒 ! ! 不 思 議 の 国 の 迷 い 人 」
「ヒーカールー!会いたかっ…」
「いきなりなにしやがるてめえ!!」
「ぐっふぉっっ!!!」
ヒカルさん、いきなり飛び付いた俺が確かに悪かった。でも見えないからって腹にパンチは痛すぎる。
気配だけで察するなんてさすがはカイトさん曰く「ハートランドのデュエリスト養成プログラムを最年少でクリアした」だけの事はあるぜ。
「う…痛い……」
「元気そうだな」
「おかげさまで…見えるはずのものは見えないがな」
「当たり前だ」
「知ってるなら理由教えてください…」
「そうだな、順に教える」
やっと起き上がれそうだぜ、加減できないのは分かる……分かるけど……。よし、もう大丈夫そう。
「さっきの様子を見る限り、元気そうだし、平熱に戻ったな」
「まぁ…多分」
「怪我も特に目立ってヤバそうなのは…右腕か」
「…!」
右腕……か、平気なのかな…。
「実際のとこまだほとんど動かないし…デュエルはしばらくできないと思う」
「だけど動かせるのかよ!」
「指先だけなら」
『恐ろしい回復力だな』
動かせる…!?普通にすげえよ!すげえけどさ、うん、やっぱ……。
「…で、だな…なんで見えないんだ?」
「そりゃ、目隠しだもんな、端から見たら」
「真面目に答えろよ……!!」
「視力の低下が酷くてな、特に右目。検査したら、両目の失明が確認されて、左はすぐ回復して元に近い状態だったんだがどうしても右はほとんど戻らなくてな」
つ……つつつまり、右目は失明、左目は元通り?詳しく言い過ぎて俺わかんねえよ…!
とにかく心配いらねえんだな?
「説明には感謝する…で、今外せるのか?」
「カイトが来るまではダメよっ!」
「はぁ……」
「とにかく、無事で何よりだ」
「托都てめえ…一発殴らせろ…!」
「な…なんのことやら……」
「とぼけんな!」
あー……托都、ホント残念だったな。ヒカルは冗談通じねえぞ。
「全部聞こえてたし見えてたっての!」
「は…?」
「起きてたのか…?」
「そうじゃなくて……」
曰く、そういう感覚は一切なかったのになにしてたのか見えていたしなに話してるかも聞こえたらしい。
「借りるとか言われてなにかと思ったら身体中が焼けたような感覚になって……それ以降は知らない」
「心層の貝殻はヒカルの命と繋がってる、おそらく危機を感じたんだと思うんだ」
「だから遊矢くんに助けてほしかったのね!」
「!?」
どどどどどゆこと!!?一体何がどうしてそうなった!?
「な、なな、な…っなんのことだ!!」
「助けて遊矢って!」
「断じて言ってない!!聞き間違えだし、あぁぁ…えっと…その……だな……」
「ちなみに、これはホントの話よ♪」
「ヒカル…マジなのか」
「知らないったら知らない!ほんっとうに!」
「顔が赤いぞ」
「っ~~~!」
半分しか顔見えないけど過去見たことないレベルに真っ赤だ、ゆでダコ以上じゃないかな。
「じゃあ無自覚でもそう言えるくらい遊矢くんが…」
「「もう黙ってください!!」」
あー疲れた……どうしてこんな疲れなきゃならないんだ…ミナトさん恐るべし…。
「待たせたな、って、何をしていた」
「ミナト義姉さんが余計なことを……」
『そうだな』
『ビックリしました』
本当に余計なことを……。
「で、これ取って良いのか?」
「あぁ、遊矢…はムリだから…リン、」
「分かってるって、遊矢は包帯なんて扱ったことないだろうし」
「あるわ!!」
『あるなんて意外です』
一応…昔は怪我ばっかしてたから色んなもん持ち歩かされてたっつーか。なんでも対応できたような気がす…………!?
「ん…?なんだ、普通に見えるじゃないか…ってなんで驚いてんだ」
「あ……えっと……」
「……え、えぇ…?」
「……カイト、俺の顔に何か付いてるのか?」
「あぁ、鏡が必要だな、姉さん持ってるか」
「持ってるわよ」
ミナトさんから鏡借りてヒカルが凍り付いてる。そりゃそうだ、だって右目の色が違うんだもん。
「か…カイト…!貴様っなにしやがった!」
「なにもしてないが?」
「嘘つくな!」
「ヒカル、カイトは本当になにもしてないぞ」
え…?でもおかしくない?ヒカルの目って黄色だよな。
「俺の憶測だから違うかもしれないが……、奇跡の光はもう一つ残ってる」
「…!そっか!」
「尊厳と言われてはいるが…多分治癒の力か…もしくは運命を逸らす力だな」
そう、実際の二つ目の光って尊厳のはずだった、でも今の今までそれが力を発揮するところは誰も見てない。
「その治癒の力で尋常じゃない回復力を持ってるように見えたのか…ヌメロンコードの未来を書き換えたのか…」
『例えそうだったとして、オッドアイはどういった説明がつくのだ』
「エクススパイラル…とか?」
…?でも俺は特に変わってないよな?
「遊矢の場合は奇跡の光がそのまま放出されて消えたから変化はないが、ヒカルの場合は放出するほどの巨大な力ではなかったから留まった」
『それでエクススパイラルの状態が戻らなかったのか』
「うん、視力が落ちたのはその状態に体が対応しきれなかったからだと思われるけど」
でもそれで視力がもど……あぁ、それも治癒の力か。
「……と、説明が終わったところで、遊矢意外出るぞ」
「えっ!?なんで!?」
「空気読め…」
ってなんで俺だけ残るの!?空気悪くなるよ!?うわぁぁ……みんな出ていくし…。
「俺もー…」
「遊矢、なにか言うことあるだろ?ヒカルも」
「えっ…?」
「………」
托都にそう言われてお互い黙りこんじゃった。タスキまでいなくなりやがって……こんなときに限ってご都合的な…。
…言わなきゃ、謝らなきゃ、ダメだよな……。
「あのさ……」
「謝らなくて良いから」
「………なんでさ…俺が悪いのに」
「あぁ、そうだなお前が悪い。だけど俺はそれを咎めるつもりはないさ」
咎めるつもりはない……か。
「………」
「…気付いたんだ、俺」
「なにを?」
「いつの間にか遊矢が一番大切な存在になってたんだなぁって」
「………は?おおおお前なに言って!」
「仲間として、な」
「よかったぁ……」
もし変なこと言ったらそれこそ托美の言うソッチ系の趣味の人だ……。
「初めての……トモダチ……というか…」
「なんか言った?」
「なんでもない!とにかく、俺がお前を守るから!いざという時は絶対頼れよ」
「う…うん……」
でも、ヒカルにこれ以上デュエルさせたら……むしろデュエルできるのかな…治っても右腕、動かないんじゃ……。
「……もしかしてダメか?」
「ダメじゃない!けどさ…俺だってヒカルを守りたいから!!」
~~~
監視カメラ確認中……。
「ヒュ~~若いねー」
「片方が女なら良いカップルだな…早く煩い元弟子を嫁に貰っていってほしいものだ」
「そういう話じゃないわよ、二人とも!大体既婚者と18歳でしょ!」
『まず彼は男だろう』
「まぁね、」
だがあの回復力は本当にあの力だけなんだろうか…?
絶対それだけじゃないはずなんだ……。
もしや、ヒカル自身にもなにかがあるのか…!?
「だったとしたら…」
~~~
「なら、お互いに支え合えるような相棒になりたい…かな」
「相棒……?」
「絆の相棒(ディアレスト)……」
「えっ?」
小さい頃読んだ本にあったらしい。真の絆で繋がった運命の相棒を絆の相棒(ディアレスト)っていうらしい。
それの第一例が武藤遊戯と名も無きファラオの魂だとか。
「ヒカルらしくもないな~!!そういうのは俺の台詞だって!」
「やっと笑ったな」
「?」
「言っただろ?俺は遊矢の笑顔も守りたい、仲間を守る力…これが俺の大切なもの」
…変わったな、ヒカルって。初めて会った頃は無愛想っつーかクールっつーか……。今は明るくなった、良い意味でも悪い意味でも。一つ負担が消えたから…かなぁ。
「やっぱヒカル大好きだぜ!」
「だから抱き着くな!気持ち悪い!」
「へぶっっ!!」
また殴られた……左手を器用に使ってきやがるぜ……。
「とにかくっ!俺達!これから絆の相棒だぜ!!」
「その通りだよ」
「誰だ!」
…ん?なんかすっげえ見たことあるようなっていうかさっき会ったよな!?
「ヒカルのそっくりさん!」
「失礼な、そっくりさんとはなんて言われようだ」
「じゃあ何者なんだよ!」
「僕は不思議の国のアリスさ、…いや、もう遠回しにいう必要はないか。僕は朽祈アリス、よろしくね」
アリス……?朽祈アリス……?朽祈!?
「「嘘つくな!!」」
「嘘じゃない、どこに嘘つく必要があるんだい?それに嘘だったら君らに力を貸したりしない」
「君ら…?」
「ご先祖様だよ、ヒカルさん!」
「ご……ご先祖様ぁ!?」
話を聞くに、遠い遠い未来からやって来て、ヒカルはアリスにとってご先祖様だとか。前までなら信じられなかったけど、今なら信じられるのがリンさんと一緒にいて恐ろしいところだ。
「その証明と言ったらなんだけど、これ」
「俺のDシューターだな…壊れてるが」
「僕が押し入れ掃除してるとき見つけたんだよ、凄いでしょ!」
「確かに……」
見た目と言いこれと言い、ホントなのかな?
「俺は信用できるけど…ヒカルは?」
「……別に、構わないけど」
「信じてくれてありがとー!」
……ノリはヒカルと正反対だけどな…。
「とりあえず二人とも」
「なんだ?」
「着替えたいから部屋出てくれないか?」
「乙女かっ!!」
しばらく面白おかしく過ごしたい、神の五王との戦いはあるけど、今は仲間と楽しく過ごしたい。
それがいつまでも続くといいな。
98話へ続く
=====================
【あとがき】
今回の一言、「乙女すぎっぞ!!」
脚本:雑破と言わせてしまいそうなホモ回だった、久々のデュエルなし。
ヒカルの考え方が大幅に変わったり、遊矢と絆を再確認できたかな。
実はタイトルと内容の「絆の相棒」の読み方が違うんですよ。タイトルは「絆の 相棒(ディアレスト)」、内容は「絆の相棒(ディアレスト)」です。分かりにくくてすいません。
カイトの爆弾発言「嫁にもらってほしい」とか、ヒカルのアイチっぽい焦り方とか、ミナトが余計なこととか、リンがやけにシリアスとか元ハートランド組がひどすぎる……ほら…後半のヒカルはヒロインだから。
アリスちゃん初登場!!まだまだ謎めくその正体は明かされませんよ……?知りたければ四期までお付き合いください!
次回!!誠が遂に動く!遊矢、再び鏡の世界へ突入!
なんと次回から服装チェンジ!心機一転し神の五王との戦いに備える遊矢たち。しかし鏡を失った誠の魔の手は………。
【予告】
心機一転し、神の五王との更なる戦いに備える遊矢たちにリンとアミはとある疑問を抱いていた。
一方、アリスのことやトルテのことについて考えていたヒカルは誠らしき姿を追い、彼と再び対面する。
「俺達を倒し、鏡の計画を無駄にしたヒカルに復讐する」と言った誠がとった驚くべき行動とは…!?
次回!第98話「銀幕の世界へ!捕らわれた絆の力」
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「いきなりなにしやがるてめえ!!」
「ぐっふぉっっ!!!」
ヒカルさん、いきなり飛び付いた俺が確かに悪かった。でも見えないからって腹にパンチは痛すぎる。
気配だけで察するなんてさすがはカイトさん曰く「ハートランドのデュエリスト養成プログラムを最年少でクリアした」だけの事はあるぜ。
「う…痛い……」
「元気そうだな」
「おかげさまで…見えるはずのものは見えないがな」
「当たり前だ」
「知ってるなら理由教えてください…」
「そうだな、順に教える」
やっと起き上がれそうだぜ、加減できないのは分かる……分かるけど……。よし、もう大丈夫そう。
「さっきの様子を見る限り、元気そうだし、平熱に戻ったな」
「まぁ…多分」
「怪我も特に目立ってヤバそうなのは…右腕か」
「…!」
右腕……か、平気なのかな…。
「実際のとこまだほとんど動かないし…デュエルはしばらくできないと思う」
「だけど動かせるのかよ!」
「指先だけなら」
『恐ろしい回復力だな』
動かせる…!?普通にすげえよ!すげえけどさ、うん、やっぱ……。
「…で、だな…なんで見えないんだ?」
「そりゃ、目隠しだもんな、端から見たら」
「真面目に答えろよ……!!」
「視力の低下が酷くてな、特に右目。検査したら、両目の失明が確認されて、左はすぐ回復して元に近い状態だったんだがどうしても右はほとんど戻らなくてな」
つ……つつつまり、右目は失明、左目は元通り?詳しく言い過ぎて俺わかんねえよ…!
とにかく心配いらねえんだな?
「説明には感謝する…で、今外せるのか?」
「カイトが来るまではダメよっ!」
「はぁ……」
「とにかく、無事で何よりだ」
「托都てめえ…一発殴らせろ…!」
「な…なんのことやら……」
「とぼけんな!」
あー……托都、ホント残念だったな。ヒカルは冗談通じねえぞ。
「全部聞こえてたし見えてたっての!」
「は…?」
「起きてたのか…?」
「そうじゃなくて……」
曰く、そういう感覚は一切なかったのになにしてたのか見えていたしなに話してるかも聞こえたらしい。
「借りるとか言われてなにかと思ったら身体中が焼けたような感覚になって……それ以降は知らない」
「心層の貝殻はヒカルの命と繋がってる、おそらく危機を感じたんだと思うんだ」
「だから遊矢くんに助けてほしかったのね!」
「!?」
どどどどどゆこと!!?一体何がどうしてそうなった!?
「な、なな、な…っなんのことだ!!」
「助けて遊矢って!」
「断じて言ってない!!聞き間違えだし、あぁぁ…えっと…その……だな……」
「ちなみに、これはホントの話よ♪」
「ヒカル…マジなのか」
「知らないったら知らない!ほんっとうに!」
「顔が赤いぞ」
「っ~~~!」
半分しか顔見えないけど過去見たことないレベルに真っ赤だ、ゆでダコ以上じゃないかな。
「じゃあ無自覚でもそう言えるくらい遊矢くんが…」
「「もう黙ってください!!」」
あー疲れた……どうしてこんな疲れなきゃならないんだ…ミナトさん恐るべし…。
「待たせたな、って、何をしていた」
「ミナト義姉さんが余計なことを……」
『そうだな』
『ビックリしました』
本当に余計なことを……。
「で、これ取って良いのか?」
「あぁ、遊矢…はムリだから…リン、」
「分かってるって、遊矢は包帯なんて扱ったことないだろうし」
「あるわ!!」
『あるなんて意外です』
一応…昔は怪我ばっかしてたから色んなもん持ち歩かされてたっつーか。なんでも対応できたような気がす…………!?
「ん…?なんだ、普通に見えるじゃないか…ってなんで驚いてんだ」
「あ……えっと……」
「……え、えぇ…?」
「……カイト、俺の顔に何か付いてるのか?」
「あぁ、鏡が必要だな、姉さん持ってるか」
「持ってるわよ」
ミナトさんから鏡借りてヒカルが凍り付いてる。そりゃそうだ、だって右目の色が違うんだもん。
「か…カイト…!貴様っなにしやがった!」
「なにもしてないが?」
「嘘つくな!」
「ヒカル、カイトは本当になにもしてないぞ」
え…?でもおかしくない?ヒカルの目って黄色だよな。
「俺の憶測だから違うかもしれないが……、奇跡の光はもう一つ残ってる」
「…!そっか!」
「尊厳と言われてはいるが…多分治癒の力か…もしくは運命を逸らす力だな」
そう、実際の二つ目の光って尊厳のはずだった、でも今の今までそれが力を発揮するところは誰も見てない。
「その治癒の力で尋常じゃない回復力を持ってるように見えたのか…ヌメロンコードの未来を書き換えたのか…」
『例えそうだったとして、オッドアイはどういった説明がつくのだ』
「エクススパイラル…とか?」
…?でも俺は特に変わってないよな?
「遊矢の場合は奇跡の光がそのまま放出されて消えたから変化はないが、ヒカルの場合は放出するほどの巨大な力ではなかったから留まった」
『それでエクススパイラルの状態が戻らなかったのか』
「うん、視力が落ちたのはその状態に体が対応しきれなかったからだと思われるけど」
でもそれで視力がもど……あぁ、それも治癒の力か。
「……と、説明が終わったところで、遊矢意外出るぞ」
「えっ!?なんで!?」
「空気読め…」
ってなんで俺だけ残るの!?空気悪くなるよ!?うわぁぁ……みんな出ていくし…。
「俺もー…」
「遊矢、なにか言うことあるだろ?ヒカルも」
「えっ…?」
「………」
托都にそう言われてお互い黙りこんじゃった。タスキまでいなくなりやがって……こんなときに限ってご都合的な…。
…言わなきゃ、謝らなきゃ、ダメだよな……。
「あのさ……」
「謝らなくて良いから」
「………なんでさ…俺が悪いのに」
「あぁ、そうだなお前が悪い。だけど俺はそれを咎めるつもりはないさ」
咎めるつもりはない……か。
「………」
「…気付いたんだ、俺」
「なにを?」
「いつの間にか遊矢が一番大切な存在になってたんだなぁって」
「………は?おおおお前なに言って!」
「仲間として、な」
「よかったぁ……」
もし変なこと言ったらそれこそ托美の言うソッチ系の趣味の人だ……。
「初めての……トモダチ……というか…」
「なんか言った?」
「なんでもない!とにかく、俺がお前を守るから!いざという時は絶対頼れよ」
「う…うん……」
でも、ヒカルにこれ以上デュエルさせたら……むしろデュエルできるのかな…治っても右腕、動かないんじゃ……。
「……もしかしてダメか?」
「ダメじゃない!けどさ…俺だってヒカルを守りたいから!!」
~~~
監視カメラ確認中……。
「ヒュ~~若いねー」
「片方が女なら良いカップルだな…早く煩い元弟子を嫁に貰っていってほしいものだ」
「そういう話じゃないわよ、二人とも!大体既婚者と18歳でしょ!」
『まず彼は男だろう』
「まぁね、」
だがあの回復力は本当にあの力だけなんだろうか…?
絶対それだけじゃないはずなんだ……。
もしや、ヒカル自身にもなにかがあるのか…!?
「だったとしたら…」
~~~
「なら、お互いに支え合えるような相棒になりたい…かな」
「相棒……?」
「絆の相棒(ディアレスト)……」
「えっ?」
小さい頃読んだ本にあったらしい。真の絆で繋がった運命の相棒を絆の相棒(ディアレスト)っていうらしい。
それの第一例が武藤遊戯と名も無きファラオの魂だとか。
「ヒカルらしくもないな~!!そういうのは俺の台詞だって!」
「やっと笑ったな」
「?」
「言っただろ?俺は遊矢の笑顔も守りたい、仲間を守る力…これが俺の大切なもの」
…変わったな、ヒカルって。初めて会った頃は無愛想っつーかクールっつーか……。今は明るくなった、良い意味でも悪い意味でも。一つ負担が消えたから…かなぁ。
「やっぱヒカル大好きだぜ!」
「だから抱き着くな!気持ち悪い!」
「へぶっっ!!」
また殴られた……左手を器用に使ってきやがるぜ……。
「とにかくっ!俺達!これから絆の相棒だぜ!!」
「その通りだよ」
「誰だ!」
…ん?なんかすっげえ見たことあるようなっていうかさっき会ったよな!?
「ヒカルのそっくりさん!」
「失礼な、そっくりさんとはなんて言われようだ」
「じゃあ何者なんだよ!」
「僕は不思議の国のアリスさ、…いや、もう遠回しにいう必要はないか。僕は朽祈アリス、よろしくね」
アリス……?朽祈アリス……?朽祈!?
「「嘘つくな!!」」
「嘘じゃない、どこに嘘つく必要があるんだい?それに嘘だったら君らに力を貸したりしない」
「君ら…?」
「ご先祖様だよ、ヒカルさん!」
「ご……ご先祖様ぁ!?」
話を聞くに、遠い遠い未来からやって来て、ヒカルはアリスにとってご先祖様だとか。前までなら信じられなかったけど、今なら信じられるのがリンさんと一緒にいて恐ろしいところだ。
「その証明と言ったらなんだけど、これ」
「俺のDシューターだな…壊れてるが」
「僕が押し入れ掃除してるとき見つけたんだよ、凄いでしょ!」
「確かに……」
見た目と言いこれと言い、ホントなのかな?
「俺は信用できるけど…ヒカルは?」
「……別に、構わないけど」
「信じてくれてありがとー!」
……ノリはヒカルと正反対だけどな…。
「とりあえず二人とも」
「なんだ?」
「着替えたいから部屋出てくれないか?」
「乙女かっ!!」
しばらく面白おかしく過ごしたい、神の五王との戦いはあるけど、今は仲間と楽しく過ごしたい。
それがいつまでも続くといいな。
98話へ続く
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【あとがき】
今回の一言、「乙女すぎっぞ!!」
脚本:雑破と言わせてしまいそうなホモ回だった、久々のデュエルなし。
ヒカルの考え方が大幅に変わったり、遊矢と絆を再確認できたかな。
実はタイトルと内容の「絆の相棒」の読み方が違うんですよ。タイトルは「絆の 相棒(ディアレスト)」、内容は「絆の相棒(ディアレスト)」です。分かりにくくてすいません。
カイトの爆弾発言「嫁にもらってほしい」とか、ヒカルのアイチっぽい焦り方とか、ミナトが余計なこととか、リンがやけにシリアスとか元ハートランド組がひどすぎる……ほら…後半のヒカルはヒロインだから。
アリスちゃん初登場!!まだまだ謎めくその正体は明かされませんよ……?知りたければ四期までお付き合いください!
次回!!誠が遂に動く!遊矢、再び鏡の世界へ突入!
なんと次回から服装チェンジ!心機一転し神の五王との戦いに備える遊矢たち。しかし鏡を失った誠の魔の手は………。
【予告】
心機一転し、神の五王との更なる戦いに備える遊矢たちにリンとアミはとある疑問を抱いていた。
一方、アリスのことやトルテのことについて考えていたヒカルは誠らしき姿を追い、彼と再び対面する。
「俺達を倒し、鏡の計画を無駄にしたヒカルに復讐する」と言った誠がとった驚くべき行動とは…!?
次回!第98話「銀幕の世界へ!捕らわれた絆の力」