「年末!」
「年始!」
「今年もLighting skyで初記事だぜ!!」 

「年内最初のデュエルは俺と遊矢のデュエルだ、全く貴様は……」
「あれは悪かったって!」
「ふふっ…、それじゃあ今年もよろしく頼むぜ」
「新展開盛りだくさんの遊戯王Lighting skyをよろしくなっ!」

「私たちも忘れずにね!」
「遊戯王EXTRA STAGEと遊戯王Crystal Starもよろしく!」

「なによりも、今年15周年の遊戯王シリーズを今年もよろしくお願いします!」


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ジェレスタ82「 最 強 の 喧 嘩 デ ュ エ ル ! 遊 矢 V S ヒ カ ル ! 」



「合宿?」
「そうだ、ハートランドに友人が泊まれるくらいの部屋はいくらでもある。どうだ?カイトたちも協力してくれるだろう」

合宿………かぁ。
俺たちは明日から冬休みだ、ドロワ先生曰く「神の五王と戦うための実力を更に高めるため」の合宿らしい。
俺は構わないけど他は……。

「合宿参加したいー!」
「面白そうじゃん」
「私も参加したいわ!」
「雪那が行くなら…」
「遊矢さんとならどこへなりとも!」
「うん、いいね」
「僕もー!」

とりあえずみんな参加確定みたいだ、こりゃすごいな。
後ろで合宿について聞きまくってくる奴がいるけど無視しないとロクなことにならない。

「ドロワさーん!」

「ん、どうした璃緒」
「やっぱり朽祈くんだけ居ませんわ、全くどこに……」
「俺、知ってますけど」
「あら、じゃあ連れてきてくださる?」
「でもどうして急にヒカル先輩を?」

「そりゃあ、合宿に誘うためだろう」


~~~


「なんっで学校で誘うんだろうなぁ」
『効率がいいのは呼び出す、ですよね』
「不思議ね~」

何故アミがついてきたかは一切分からないからスルーな。
多分その場で来いって言っても来ないだろうから約束取り付けて来なかったらカイトさんに報告するつもりなんだろうなって思う。
ヒカルのカイトさん嫌いは群を抜いてるし、カイトさんにそれをつつかれたらヒカルも怒ることは間違いないだろうから。

「ヒカルー、いるかー?」

「……、なんだ」

「もしかして具合悪いんですか?」
「つかどっから出てきてんだ……」

そういえば前にあそこに物置用の小部屋があるって言ってたっけ、今は使われてないから冬場は引きこもってるって。地味に冷暖房の配線も行ってるから隠れるには絶好の場所とも。
何で隠れなきゃならないかは察しなきゃダメだな、うん、文化祭の日に知らしめられた。

「あのさぁ、ドロワ先生がみんなでデュエル合宿しようって言ってて、ヒカルも誘うことになったんだけどさ。だいじょーぶ…?」

「………すまん、興味ない」

「きょ…興味?」
「どゆこと?」

「お前らはともかくとして、何故雑魚のために時間を費やさなければならないんだ」

「雑魚って…言い過ぎだろ!そんなん!」

いくらなんでも雑魚なんて……体調悪くてイライラしてるかもしれねえけど、言い過ぎだぜ。あいつらがなにしたんだっての。

「あーあ、わぁかったわぁかった!どーせホントは髪下ろしたの見られたくないとかだろ?女々しい奴~」

「!」

「あれっ?図星?嫌なら切りゃいいのにさ、おかしいよな。まずそこが」
「遊矢!そんなこと言ったら…!」

「ふ…そうか、つまり貴様は、……地に帰りたいのか」

『あの…マジギレしてますよ…』
「しかも、なんか怖いわよ…まずいからなんとかしなさいよ!」
「へんだ!ワリィのはヒカルだぜ?仲間をバカにされたら…」
「とにかく今は戻るわよ!」
「~…!ヒカルなんて嫌いだっての!!」

「こっちだって貴様のようなうるさい奴など!」

『あー!!もうどうなってるんですかぁぁ!』

~~~

「はぁ?ヒカルと喧嘩した上に連れてくるのにも失敗した?」

「ふーんだ!アイツ、みんなを雑魚だって!」
「バカみたいな理由で喧嘩したな、お前」

ハートランドのホテル内。合宿当日なんだけど、リンさんが来るとは思わなくてビックリした。
つかヒカルを呼んでたのはこの人だったのか。

「狩也の言うとおりだ、今お前らが喧嘩してどうする?」
「だってえ…」
「だってで済む問題と済まない問題があるんだよ。このバカ」

リンさんもリンさんだよな。ある意味この人も見下してるけどまぁ良い人だし、根本的になんかヤバそうだし。
済まない…か。前に言ってたっけ?今のヒカルは精神が不安定になったらいけないって。

「とりあえず『アレ』は後日に回すか…」

「アレとはなんでしょう?」
「知らない…」
「リンさんって不気味だな…」

敏也の言うとおりだぜ、案外マジで。

《リン、出れるか?》
「まず通信できてる時点で平気だ。ってなにしてんだカイト」
《とりあえず頼まれていた人物は連れてきただけだ》
「…まさか……ははっ…まさかそんなバカとは思わなかったぜ」

えっ!?なに、なんなの急に…通信なのは分かるけどカイトさんなにしたの!?


~~~


「ああ、少々手荒いが…まぁなんとかなるだろう」
「……聞いてれば貴様らなんなんだ!!人のこと勝手に連れていきやがって!」
「なんだ、ヒカル、降りたいのか」
「当たり前だ!貴様となど一分一秒一緒にいたくない!」
「上空でか」
「普通に下ろせ!」

まさか放浪してたらグライダーモードのオービタルとカイトが来るなんて誰が想像できるものか、全く…。
しかも言いくるめられて連れていかれるなど…信じられるものか、屈辱的だ。

「オービタル、もうすぐか」
《ハイ!後0.43kmデス》

………どうやら主犯はリンさんらしいが一体なにが目的なんだか…。


~~~

大体察してたけどまさかヒカルを連れてくるなんて……。

「なんで面倒なこと…」
「なんっだよ面倒ってさ!」
「知らなくて良いことだ」

「なにがあった」
「喧嘩したらしい」
「…はぁ」

なんっで断られたのにきてんだよ…というかカイトさんの行動が意味不明だよ。
あーあ、面白くねえなぁー。

「はぁ……」
「ヒカルさん、」
「?あぁ、どうした」
「デッキ、見てもらえません?」

「ずるいよ狩也くん!私も!」

あー二人はこの調子だしなんかなぁ……。
他も他でリンさんやカイトさんにデュエル申し込んでるし…やることないなぁ。

「あーーーもうどうすりゃいいんだぁぁぁ!!!」

「うるさい、少し黙れ」
「狩也くん、《コスモ・スター・ブレイカー》が足引っ張ってない?」
「あぁ、これは効果で呼び出すためだな」
「確かに光属性のアシストなら完璧だな…」
「なるほど~」

うう……イライラしてやだもう…。
こうなったら!!

「ヒカル!!俺とデュエルしろ!!」

「………は?」

「遊矢、急にどうしたのよ!…まさか!」
「そのまさかだぜ!殴ったら俺の勝ち!蹴ったらヒカルの勝ち!実力が五分ならデュエルで決着だぜ!」

「………?…デュエルでも五分じゃないだろ…まぁ構わんが」

「良いのかよ…!」

リンさん!これがギャップってやつだよ!
実力が上ってんなら俺が一番なのを証明してやるぜ!……というかアイツとの対戦成績どうなってんだろう。

「…喧嘩ってなんだっけ」
「さぁ?」

___


「いっくぜー!Dシューター、展開!!」
「デュエルディスクセット!」
「Dゲイザーセット!」

《ARヴィジョン、リンク完了》

「「デュエル!!」」

「んじゃ、先攻はもらうぜ!俺のターン、ドロー!」

と、先攻はもらったけど、どうしよっかなぁ。

「俺は、モンスターを裏守備表示でセット!これで、ターンエンド!」
《手札:5》

俺のわりには守りに入ってるだろうけど、相手が相手だし、今は様子見だぜ…!

「デュエルを仕掛けてきたわりには防御かよ」

「うるっせえ!!今に見てろよ!」

「なにがどうか知らんが…倒せば分かるだろう」

???なに言ってんだろ、まさか忘れてるなんてあり得ないようなこと……。

「俺のターン、ドロー!魔法カード《聖火の宝札》を発動!このカードは手札の光属性モンスターを墓地に送り、カードを二枚ドローする!」

手札補充か……。

「俺は、《銀河の記録士(ギャラクシーメモリア)》を召喚!」
《攻撃力:1500/レベル:4》

「《銀河の記録士》の効果発動!このターン発動した魔法カード一枚につき一体、デッキからレベル4以下の闇属性モンスターを特殊召喚する!現れろ!《カオス・パージソードナイト》!」
《攻撃力:1700/レベル:4》

レベル4のモンスターか、ヒカルならやっぱりランク8のエクシーズを狙ってくるよな。

「魔法カード《グレード・チェンジ・スター》発動!自分のフィールドのモンスターを自分のフィールドに存在するモンスターのレベルを足したレベルにする」
《レベル:8》《レベル:8》

「レベル8のモンスターが二体…」
『来ますよ!』

「レベル8の《銀河の記録士》とソードナイトでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《ギャラクティック・カオス・ドラゴン》!」
《攻撃力:3000/ランク:8/ORU:2》

げ……げええ…、確かアイツの効果は…。

「ギャラクティック・カオスの効果発動!一ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使い、このモンスター以外の表示形式を変更する!スタードライブフラッシュ!」

《攻撃力:200/レベル:2》
「だよなぁ…」

エスケット・シエルの守備力は2100、だけど攻撃力は200で攻撃表示にするにはちょっと頼りない。
しかも墓地で発動する効果だから守備表示が一番なんだよな…。

「行け!ギャラクティック・カオス!セイクリッドストリーム!!」

「っ!」

「これで目を覚ませ!!遊矢!!」

「…は?…うわぁぁぁあ!!」
《遊矢のライフ:1200》

「な、どういうことだ!?」
「目を覚ませってなに!」

目を覚ます…?はい…?

「俺はこれで、ターンエンド」
《手札:4》

な、なに言ってんだよホントに…。

「昨日お前と喧嘩して!埒あかねえからデュエル始めたんだろ!」
「…お前こそ遂に頭までイカれたのかよ」
「…は?」
「昨日はあのクソ教師のせいで夜まで補習だよバカ」

はい…?何度でも言えるよ。
ていうか補習!?だって俺とアミは屋上でヒカルを見たんだぜ!?ありえねえだろ!!
とりあえずヒカルにはその時のことを話した。

「……、また『もう一人の俺』ってやつか」
「うーん……」
「始めたデュエルにはなにも言わん。それに、そんなバカなことしてる奴はいつか俺が倒してやる…!」
「ヒカル…!」
「さぁ、デュエルを再開するぞ」

デュエルしてくれるんだ…!!それだけで超嬉しいぜ!!

「俺のターン!ドロー!!俺はエスケット・シエルの効果発動!レベルを2つ上げて墓地から特殊召喚できる!」
《攻撃力:200/レベル:2→4》

「更にチューナーモンスター《Ss-ウィング・アーマー》を通常召喚!」
《攻撃力:1000/レベル:4》

これでシンクロ召喚ができる!!行くぜ!

「レベル4になったエスケット・シエルに、レベル4のウィング・アーマーをチューニング!シンクロ召喚!飛翔せよ!《銀河眼の星屑竜》!」
《攻撃力:4000/レベル:8》

「…来たか…!」

「《銀河眼の星屑竜》の効果で、フィールド上のこのモンスター以外のモンスター効果を無効にしカードを一枚ドローする!」

ギャラクティック・カオスは確か相手ターンにも発動できる効果だ、これで今のターンで表示形式の変更ができなくなった。

「更に《銀河眼の星屑竜》の効果発動!デッキからカードを一枚墓地に送り、相手フィールドのモンスター一体を除外する!」

「………」

「トドメだ!《銀河眼の星屑竜》でダイレクトアタック!閃光のギャラクシーストリーム!!」

「墓地の《カオス・パージラクシュミー》の効果発動!!ダイレクトアタックを受けた時、このモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!っぐ!!」
《攻撃力:300/レベル:1》
《ヒカルのライフ:300》

耐えきった…!!アレは《聖火の宝札》のコストに使ったカードか……! 
でも《銀河眼の星屑竜》はモンスターの効果対象にならない、例えギャラクシー・カオスが来ても問題ない…!

「俺のターン!ドロー!俺は《カオス・パージラクシュミー》の更なる効果を発動!先程効果を使ったラクシュミーを墓地から除外し、除外されたドラゴン族モンスターを特殊召喚する!」
《攻撃力:3000》

「更に、装備魔法《創星の銀河翼》をギャラクティック・カオスに装備!その効果で相手モンスターの表示形式を変更する!」
《守備力:2500》

そうか!!モンスター効果じゃなくて魔法カードの効果だから、《銀河眼の星屑竜》は表示形式が変わる…。

「行け!ギャラクティック・カオス!」

「でも!守備表示だぜ、ダメージは…」

「《創星の銀河翼》の効果によって攻撃力が守備力を上回ればその分のダメージを与える!」

「貫通ダメージ…」
《遊矢のライフ:700》

「更にだ、速攻魔法《再生宇宙(リバースユニバース)》を発動!自分フィールドの魔法カードを一枚破壊、更に攻撃力を1000にして、もう一度バトルする!」
《攻撃力:1000》

装備魔法もなにも全部破壊して攻撃してくるなんて…!!

「これで終わりだ!いけっ!ギャラクティック・カオスでダイレクトアタック!セイクリッドストリーム!!」

「うわぁぁぁぁぁ!!」
《遊矢のライフ:0》

《WIN:朽祈ヒカル》

負けたぁ……ま、ヒカルとの久々のデュエル。楽しめたぜ!!


~~~


「「きゃ~~!!ヒカル先輩の髪サラサラ~!!」」
「結局泊まりかよ…」
「アミちゃん!私、ヘアアレンジしてみる!」
「私も!!」
「やめろ!弄るな!」

「いやぁ…女の子っていいなぁ」
「ホント。一人男だがな」
「男っぽい女なんじゃないかな…こっちにいるのが女っぽい男でアガァァ!!」
「慶太、貴様いつか大平洋に沈めてやるから覚悟しろ」
「ずいまぜぇぇん……」

まぁともかくヒカルから暴言に対して普段は食らえないようなお咎めは食らったけど、とりあえず張り手一発で済んだぜ…。
今風呂上がりなんだけどなんなんだこの阿鼻叫喚。つかリンさん、太平洋とか怖すぎるやめてください。でもホントに混ざれば良いのに、リンさんってホントに女の人じゃないよね。

「いってええ!!」
「遊矢、お前もな」
『女の敵です』
「ひぃぃぃぃ!!」

心の声聞こえてんのかよ……恐ろしい人。

「むしろヘアアレンジしてほしいです!」
「確かにそう!」
「嫌だ、人のためにやってることじゃない」
「でも本当にどうして髪切らないんですか?」
「……」

ヒカルは話してくれるのかな…今までそれが地雷みたいなもんだったのに。

「母さんが…」
「えっ?」
「母さんが行方不明になってから、多分3回くらいしか切ってない。…抵抗があったんだよ、母さんと同じ髪を切るのは、さ。母さんがいつか気付いてくれるようにと信じてな」

「そういう……」

「小さい頃、母さんが似たような髪型してるのを突然思い出したんだ」


~~~10年前~


「お母さんのかみってキレイだね!」
「それじゃあ、ヒカルは私に似ているから、きっとキレイになるわね」
「ええーっ!?オレは男だもん!キレイより、カッコいいになりたい!」

「じゃあヒカルは俺に似た勇敢な青年になるな!」
「お父さんはゆうかんじゃないとおもう…」
「な、そんなぁ…明美、そんなことないだろう?」
「ふふっ、さて、どうでしょうかね」

「ヒカルには、あげるわね」
「いいの?」
「もしも好きな女の子ができたら、プレゼントしてね」
「……うん!!」


~~~


「プレゼントどころか身に付けることになるとは想像外だったよ」

あのリボンはそういうことだったのか。
って、

「ヒカル、泣いてんのか」
「なにを…ただの水滴だ、気にするほどじゃない…………………本当は思い出し泣きってヤツだがな」

思い出し……か、早く見つかると良いな。

「ヒカル先輩っ!」
「髪、アレンジさせてください!」
「俺も……参加させろ…」
「なっ!やめろ!うわっ」

でも、今はこんな風にしてても良いって思うような気がする。
みんなで仲良く、バカしていたい。

『行かないんですか?』
「今日は、高みの見物かな」

改めて確認できた、ヒカルは大切な仲間だってこと。

そして決めた、こんな風にみんなで楽しめる日々のために、絶対神の五王を倒してみせる…!



83話へ続く

=====================
【あとがき】


今回の一言、「地雷は踏むな」。
遂に朽祈家の両親登場。名前判明はお母さんだけ、「朽祈明美」さん。

母さんと同じなのが後にヒカルを絶望することになるなんて誰も想像してない。まぁね、近々再会は訪れるよ、うん。
まぁ今回は喧嘩しつつ?ヒカルの地雷について話すことに。
髪が長いというかポニテの理由はそういうわけでした、正確にはプリキュアの六花みたいな感じですがね。それしたら完全に女ですから、ポニテはまともだ。
ギャラクティック・カオスの効果をフルに活用しました。そして普通に強い幼女様久しぶり。

次回!!托美の初恋!甘ずっぺえはずがとんでもないことに!?

そして遂に次回から絶望だらけの鏡編突入!!
ヒカルが壊れて、更に遊矢も絶望に叩き落とされるある種、GX第三期よりひどい!
五王が空気と化しますが、まぁどうでしょうかね。
三期の裏の主役はヒカルですから、そこが問題になるでしょうね。

頑張っていきましょう!

【予告】
学力的な問題で冬期補習にやってきた托美は自身のミスで階段から落ちてしまう。
ギリギリでヒカルらしき人物に助けられた托美は彼に一目惚れし、一方的な想いを寄せることに…。
ところが色好い返事をしないヒカルに対し遂に強行手段に出る托美だったが、逆にそれはヒカルの怒りに火をつけることになってしまい…!?
次回!第83話「托美の初恋!?ヒカルVS托美」