ジェレスタ69「神 か ら の 警 告 ! 神 帝 王 イ グ ラ ン ジ ア」
『・・・・、』
『邪悪の神であるグレンも、グレンの抜け殻から力を授かったヤツも、全て浄化されてしまったか』
『そろそろ、私たちの出番ってことかしら?』
『そーかもなぁ?アフロティア』
『ゼウラ。貴方も余裕がないんじゃなくて?』
『止せ、今は争う場合ではない』
『アポロスは甘いのよ、そういえば、ポセイラはどこに?』
『ポセイラは今人間界にいる、状況の調査のためにな』
『なんにせよ、我々が鉄槌を下さぬ限り、ヤツらは己のために動き続けるだろう。世界崩壊の歯車が回りだすその前に――なんとしても!』
『それじゃあちょっくら俺が行くかなぁ?』
『ゼウラか、良いだろう。頼んだぞ』
『おうよ!』
~~~
―――!
―――――!
―――――――!!
「ちっこくするぅぅぅう!!!!」
あの激しい戦いも終わって数週間が経った。―――とか脳内モノローグしたいところなんだけど現在遅刻ギリギリのラインを走っている。
言うなればそう・・・・残りライフ25くらい。
脳内モノローグしながら進んでいこう。狩也も戻ってきて、平和な学園生活とかその他もろもろが戻ってきた。・・・・その代わり待っていたのは大量の課題レポートとテストの山だったんだけどな。どうやらドロワ先生は事情を知っていても容赦はしないようだ。
というか容赦してほしかったんだけどな・・・成績優秀なアミとかヒカルと違って俺ははっきり言って自分でも言うのはなんだけどバカだ。頭は良くない。
とりあえず昨日ギリギリで片付いて今に至る、昨日は嫌がるリンさんにごり押しで教えてもらった。あとミナトさんにも。
「よっ!遊矢!」
「狩也!おいッス!」
「お前遅刻かよ!だっせー!」
「そういう狩也こそ遅刻じゃねえかよ!」
「俺はまた別問題だぜ~!」
「あー!待てぇ!」
――――!?
今、なにか変な感覚があったような―――。
「気の・・・・せいか」
「おーい!遊矢!遅刻すんぞー!」
「あ、あぁ!」
気のせいだよな・・・・。あぁ、大丈夫。もう戦いは終わったんだ、あれ以上の事はない。きっと大丈夫だと信じてる。
結局学校は遅刻しなかったけどその事が気がかりで仕方なかった。
ここでまたなにかが始まるっていうことなのか・・・?それともただの気のせいなのか・・・。
「遊矢っ!」
「お、アミ、どした?」
「なぁに考え込んでるの?あ、そういえばね!私、今日朝学校で急に頭痛がして、それで――」
アミが頭痛?病気にならない限りはそんなことないアミがまさかそんなことあるのか。
まさか―――!!
「くそっ!!」
「ちょっと遊矢待ってよ!!」
「・・・?遊矢のヤツ、なにがあったんだろーな?」
「さぁ、俺にはさっぱり」
「私も分からないけど・・・でも、遊矢くんなら大丈夫。それに今は狩也くんもいるからね」
~~~
アイツは多分ここにしかいない、つか学校来てもここしか場所がない。
「ヒーカールー!!」
「るっせー!!なんだよ急に・・・」
「あのさ、今日の朝、変わったことなかったか?」
「変わったこと?」
「あぁ!なんでもいいから!」
ヒカルが少し考え込む仕草を見せた。途端、閃いたように話しかけてきた。
「そういえば・・・今日の朝、頭痛があったような・・・というか、なにか通り抜けるような感覚か?」
通り抜ける感覚・・・・・俺と同じ・・・!
「なにかあるのか?それに関係する話が」
「一応。俺も朝に同じ事があったんだ、アミも頭痛がしたって」
「その時間が同一かどうかによるだろうな・・・。偶然にしてはできすぎてる気がするが」
ヒカルの言うとおりだった。3人が同時に同じ症状に、それも全員が仲間という偶然にしてはできすぎている。これがほぼ同じ時だったのなら尚更だ。
「ま、気のせいだろうな。ほんの一瞬だし」
「そうだよな、まだちょっと不安なだけかもしれねーしさ」
本当にそうであると願いたいばかりだよ全く。
アミがすぐに来てさっさと戻って支度するともうすぐ日が落ちる時間帯になっていた。暗くなる前に帰りたい。
急いで支度して校門を開くとダッシュで河川敷辺りまで駆け抜けていった。
「へー、ヒカル先輩にもそんなことあったんだ」
「まーな。多分気のせいって言ってたけどな」
「ふふっ3人ともおそろいみたいね!」
「ば、バカ言うな!」
そんな不気味なおそろいあってたまるかッッ!!
「でも遊矢はまだ不安なのよね、しょうがないといえばしょうがないけど」
「しょうがないってなにが?」
「・・・・」
意味が分からないけど別にいいか。でもこうやって日常が帰ってきたんだし、もっと明るくハネ伸ばしたいよなーっ!遊馬さんとも結局デュエルしてないわけだし、遊馬さんと近々デュエルしたいぜ!
『風雅遊矢、か?』
「ん?」
のんびり歩いていたら俺たちの目の前にはフードを被った仮面集団3人。
いや、怪しいのには変わりないんだけど・・・なんというか・・・・うーん・・・。
『君たちは罪を犯してしまった』
「えっ?」
「罪って?」
『思いのままにすごし、暮らし続けている』
「は?」
『君の身に染み付いた罪、ぬぐうならば我が神に従え』
どういうことなの・・・。全然言ってる事が分からない、つまり神に従えって?今までの経験上、カミサマにろくなヤツいない気がするんだけど。
「遊矢、これってマズいんじゃ・・・」
「どう考えてもそうだろ、これって――《ピルルル》
俺のDゲイザーに着信が入る。着信の相手はカイトさん、正確にはハートタワー中枢部からだ!
「どうしたんですか!」
《遊矢、アミと一緒か?早く来い!大変なことになっている!》
「本当ですか!?」
《あぁ!急げ!》
カイトさんがここまで焦ってるなんて一体どういうことなんだ・・・!
「アミ!行くぞ!」
「ええ!」
仮面集団は走って逃げた俺たちを追ってこない、むしろそこから動く事すらなくさっき言っていた言葉を呟き続けている。
~~~
「カイトさん!」
「遊矢!アイツだ」
『遅かったな、風雅遊矢!』
そこの中心にいたのはよく分からないけど仮面の男。たださっきの3人とはまるきり違う、なんというか・・・・凄い覇気だ。
それにカイトさん以外の普通のオペレーターの皆さん方が揃って倒れている。おそらくコイツが出てきた時に何かあったのかもしれないし、それともデュエルで倒されたのかもしれない。
「お前は何者だ!」
『俺の名はゼウラ!ゼウスの力を持つ神の五王が一人!』
「神の五王って・・・?」
「なんだそれ・・・・」
『風雅遊矢、貴様は罪を犯したのだ』
さっきの奴らと同じことを呟く、俺が一体なにしたってんだ!!
『貴様が世界をあの場で救ったことで、世界は更なる破滅を行く事となるのだぞ』
「あれ以上の破滅・・・?」
あの時だけでもハートランド中の俺たち以外の人間が影になったり、今でもハートランドに傷跡が残ってる。あの時止めなかったらあれだけじゃすまなかっただろうに。
『風雅遊矢!今ココで貴様を倒し、この世界、新たな世界にしてくれよう!』
「冗談じゃねえ!俺がなにをしたかなんて分かんねえけど、この世界は俺が守ってやる!」
『なるほど、その心意気、しかと見た。いざ、デュエル!!』
やっぱりアイツもデュエリスト!!なにかを語るんだったらデュエルしかねえじゃん!
「行くぜ!Dシューター、展開!!デュエルディスク、セット!」
『デュエルディスクセット!』
「Dゲイザー、セット!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「『デュエル!!』」
『俺の先攻だ、ドロー!俺は《天王オーガ》を召喚!このモンスターは、召喚に成功したターン、バトルフェイズを放棄する代わり、同名モンスターを2対特殊召喚できる!現れろ!《天王オーガ》!』
《攻撃力:1600/レベル:4》
「これでレベル4のモンスターがすでに3体・・・」
「来るのか!」
『俺はレベル4のオーガ3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ《天王牙カイザーウルフ》!』
《攻撃力:2600/ランク:4/ORU:3》
あれがヤツのモンスターエクシーズ・・・・見たことないカード・・・。
「だけど、これならホープ・オブ・ソードで―――」
『カイザーウルフの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手の手札1枚につき300ポイントのダメージを与える!』
《ORU:2》
「なにっ!?」
『お前の手札は5枚、よって1500のダメージを喰らえ!ハンティングスクフォール!』
「ぐっ!!」
《遊矢のライフ:2500》
何だこのダメージ、それに本当に腕に爪の傷が・・・?まさかこのデュエルは全部のダメージが実体なのか・・・?
『俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ。さぁ風雅遊矢!俺のモンスターエクシーズを倒せるかな?』
《手札:2》
なに言われようが俺は俺のやり方でやるまで!
「行くぜ!俺のターン、ドロー!俺は《Ss-ワンダー・ガール》を召喚!」
《攻撃力:1300/レベル:4》
「更に俺は、ワンダー・ガールが召喚された事で《Ss-ワンダー・ソード》を特殊召喚!このモンスターがこの効果で召喚された時、カードを1枚ドローする!」
《攻撃力:1800/レベル:4》
これでレベル4が揃ったぜ!!
「俺はレベル4のワンダー・ガールとソードでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《Ss-エア・ストリームソード》!」
《攻撃力:2100/ランク:4/ORU:2》
「でも遊矢にはこれだけじゃないわ!」
「あぁ!俺はエア・ストリームソードを素材として、エア・ストリームエクシーズチェンジ!今こそ現れろ、ジェレスタエクシーズ!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!」
《攻撃力:2500/ランク:4/ORU:3》
『現れたな、ジェレスタエクシーズ!』
「俺はホープ・オブ・ソードの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手モンスター1体の攻撃力1000ポイントにつき800ポイント攻撃力をアップさせる!カイザーウルフの攻撃力は2600!これで攻撃力は1600アップだぜ!」
《攻撃力:4100/ORU:2》
これが俺の持つ遊馬さんから受け継いだ希望の光だぜ!!一気に攻める、こんなわけのわからない事終わらせるんだ!
「俺はホープ・オブ・ソードでカイザーウルフに攻撃!!」
『俺は罠カード《月面の盾》!このカードは、1ターンに1度モンスターを戦闘破壊から守る!ぐああっ!!』
《ゼウラのライフ:2500》
これでまた俺とライフが並んだ!
「俺はこれでターンエンドだ!どうだ!これが俺の力だ!なにが破滅か知らないけど、俺は世界を破滅させたりなんかはしない!」
《攻撃力:2500》《手札:5》
『くっはは・・・』
「笑ってんのか・・・・?」
「一体なんなの・・・」
『面白いヤツだな、だがその身に教えてやる!忌むべき存在への力の差をなァ!』
忌むべき存在?力の差って・・・一体・・・。
『これが五王の持ちうる力だ!!俺のターン、ドロー!俺はカイザーウルフを素材とし、マイナスエクシーズチェンジ!』
「マイナスエクシーズチェンジ!?」
『1体のモンスターでオーバーレイネットワークを逆構築!現れよ、マイナスエクシーズ!《天邪王牙カイゼルグリュウズ》!」
《攻撃力:2800/ランク:-4/ORU:3》
マイナスランクを持つマイナスエクシーズ!!いや、ドリーミストでもこんなモンスターはいたんだ、別に今更驚く事も――!
『俺はマイナスエクシーズの効果を発動!』
「なにっ!?」
『カイゼルグリュウズは召喚に成功した時、このモンスター以外のオーバーレイユニットを全て墓地に送り、相手フィールドのモンスターの効果を全て無効にし、攻撃力を1000ポイントダウンさせる!』
《攻撃力:1500/ORU:0》
「これでホープ・オブ・ソードの攻撃力が!」
『さらに墓地に送られたオーバーレイユニット1つにつき、攻撃力が300ポイントアップする!墓地に送られたオーバーレイユニットは2つ!よって600ポイントのアップだ!』
《攻撃力:3400》
「攻撃力を上げ、下げる。まさにマイナスの力を押し付けるようなカード・・・」
「遊矢!危ない!」
『行け!カイゼルグリュウズでホープ・オブ・ソードを攻撃だ!オーバーズブラスト!!』
「っうわぁぁあああああ!!」
《遊矢のライフ:600》
『勝負はまだ始まったばかりだぞ、さぁ立ち上がれ!風雅遊矢!』
マイナスエクシーズ・・・こんなモンスター見た事ない・・・!このままじゃ!
『遊矢、立て』
「・・・!」
『勝つぞ』
・・・・・アストラル!?
70話へ続く
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【あとがき】
今回の一言「テラ風魔」。
初っ端から鬱展開漂うこのバリアン世界よろしくな感じはwwwwまぁ本当にそんな感じなんですけどねwww
というわけで新章入りました!!遊矢デッキのワンダー化が進みそうだね!ま、ソードの方が汎用性の高さは間違いなく高いんですけど。1ドロー付きだし。
マイナスエクシーズお披露目キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!2期では触りしかなかったんですけど今回は無事レギュラーとして登場しそうですwww
イグランジアから放たれるドルベ臭、これまさかのドジッ子あるか・・・w?
托都兄さんは論外なんだろうか遊矢・・・ヒカルを1番信用しているんだかどうなんだろうな・・・やっぱりアーマード同士通ずるものがあるのか。
そしてラストで急にアストラル登場、これについては次回にお楽しみください!
次回はマイナスエクシーズに立ち向かえ!!再び現れろ!エクススパイラル・ブレード!!天を切り裂け!
敵の新たな力であるマイナスエクシーズに遊矢も新たな切り札で立ち向かう!
第3期も始まったばかりですが応援よろしくお願いします!
【予告】
ゼウラの使う謎のカード・マイナスエクシーズによって劣勢を強いられる遊矢の前にアストラルが現れた!
曰く「新たな力を使えるようにするため」とのことだが遊矢には理解できず、そのままゼウラの戦略に防戦一方になってしまう・・・。
しかし、エクススパイラルアーマードの力とアストラルの力を解放した時、奇跡を呼び起こす風の騎士神が再び降臨する!!
次回!第70話「脅威のマイナスエクシーズ 蘇れ奇跡の風!」