ジェレスタ66「悪 夢 の ジ ェ レ ス タ エ ク シ ー ズ ! ?

                  バ イ ス ア ル カ デ ィ オ ス !」



ヒカルと托都のライフを賭けた賭けでだいぶライフを減らす事ができた。・・・いや、まぁ・・・まさかアイツも関わってたなんて俺は思わなかったけど・・・。

とにかく今は、3人に感謝するしかない。・・・・というかそれ以降笑い声が仕切りなしに聞こえてくるのだけが不気味で仕方ないんだけど・・・。


『き・・・貴様ら・・・・!』


「ふっ・・・そろそろ、お笑い抜きでやらせてもらおう!俺はRe:Revival bondの更なる効果発動!このターン発動した魔法・罠の数だけ俺はカードをドローする!発動した合計は3枚!よって3枚のカードをドロー!」


手札回復まで考えてたなんてさすがはヒカルだぜ。


「俺は魔法カード《オーバーレイリトライ》を発動!このカードは、このターン、エクシーズ召喚をバトルフェイズ前に行わなかった時、自分フィールドのモンスター全てをエクシーズ素材にしてモンスターエクシーズを特殊召喚できる!」


『全てのモンスターだと!?』


「俺は《カオスオーバードラゴン》をオーバーレイユニットとしてエクシーズ召喚!現れろ!《ギャラクシー・カオス・ダークネスドラゴン》!」

《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:5》


「エースモンスターをもう呼び出すなんてさっすが~!」


「おだててもなにも出ないぞ」


デスヨネー、まぁおだててるわけじゃなくて本当に凄いと思ったことを述べたんだけどな。


「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」

《手札:1》


『おのれ・・・!我がライフにここまでの傷を・・・!だが、その身を持って代償は払わねばいかんだろう!我が鉄槌、受けるが良い!』


「鉄槌ね・・・はいはい、分かった分かった」

「大方、ここまでの予想はしてなかったみたいだな!俺たちの絆はお前の言う下らないもんなんかじゃねえ!」

「そうだ!俺たちは、お前の思っている以上の絆で繋がってるんだ!」


『下らぬ!貴様らのその幻想、我の力を持ってして消し去ってやろう!我のターン、ドロー!我はバイオエクゾディアの効果発動。このスタンバイフェイズに破壊される前の状態で蘇る』

《攻撃力:0/ORU:2》


オーバーレイユニットがそのままで復活するなんて・・・・それに、ギャラクシー・カオスの攻撃力は4000。ヒカルが攻撃を受けたら――!


『我はバイオエクゾディアでギャラクシー・カオスに攻撃。我が一撃に消え去れ!』


「俺は、罠カード《シャイニングリフレクト》を発動!このカードは、自分フィールドの光属性モンスターの攻撃力を0にすることで、俺はカードを2枚ドローし、このターン、モンスターの破壊を全て無効にする!」

《攻撃力:0》《手札:0》


『なにっ!?』


そっか、確かに攻撃力が0ならどちらもダメージを受けない、しかもヒカルには大きなアドバンテージ。ちゃんと考えてるってわけか。


『小賢しい手を・・・。だがしかし!我は魔法カード《混沌の選択》を発動。このカードは、相手のデッキから光属性か闇属性のカードを1枚墓地に送らせ、その属性によって2つの効果から1つを選択する』


「発動する為のコストも俺のってわけか・・・。俺はデッキから光属性の《シャイニング・グライダー》を墓地に送る」


ヒカルの持つカオスパージのデッキは、全モンスターに共通で光と闇の属性を持つ・・・。その効果があるからこそ、光属性しか持たない《シャイニング・グライダー》にしたってわけか・・・。


『光属性の場合、相手プレイヤーは1000ポイントのダメージを受ける!』


「なにっ!?くっ・・・うあっ!」

《ヒカルのライフ:2100》


「大丈夫か!?」

「問題ない・・・と言ったら嘘になるか」

「お、おう・・・」


1000ポイント・・・・闇属性だったらどうなってたんだ・・・?


「闇属性だったら・・・カードを確認したけど、プレイヤーは2000ポイントのダメージを受けるって・・・」


「マジ!?」


アミがカードテキストを履歴から調べてくれた。2000・・・・・・・それじゃあカオスパージを選んでいたら合計3000のダメージだったってわけ・・・怖すぎる・・・。


『我はカードを2枚伏せ、ターンエンド』

《攻撃力:4000》《手札:2》


「次は俺だ!俺のターン、ドロー!俺はエア・ストリームソードをエクシーズ素材にして、エア・ストリームエクシーズチェンジ!!これが俺たちの絆の力だ!今こそ現れろ!ジェレスタエクシーズ《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!!」

《攻撃力:2500/ランク:4/ORU:3》


「来たな・・・」

「あぁ、遅すぎるくらいだ」


「俺は魔法カード《バトルリミッターバースト》発動!このカードは、ホープ・オブ・ソードのオーバーレイユニットを全て墓地に送る事で、攻撃力を2倍にすることができる!ホープ・オブ・ソードの攻撃力を2倍だぜ!」

《攻撃力:5000/ORU:0》


「攻撃力5000!これで攻撃が通れば遊矢の勝ちよ!」


「いけっ!ホープ・オブ・ソードでバイオエクゾディアに攻撃!!いっけええ!!」


『我は永続罠《弱者の抵抗》を発動。このカードは、バトルフェイズでのモンスターの破壊を無効にするが、相手モンスターが我のモンスターより攻撃力が上の場合、攻撃力を1000までダウンさせる』


「なんだと!?」


『これにより、バイオエクゾディアの効果も発動する!』

《グレンのライフ:2100》《ORU:1》


「ぐっ・・・うあああ!!」

《遊矢のライフ:900》


「遊矢!!」


まさかあんなカードを持ってたなんて・・・想像外・・・いや、本当に・・・。


「俺はこれでターンエンドだ!攻撃力は元に戻る」

《攻撃力:2500》《手札:2》


でもオーバーレイユニットは無駄に消費しただけになった・・・これで攻撃力を上昇させる事が出来ない・・・!


『貴様の力はこの程度か・・・我が傷つくのは貴様ら下等生物を更に傷つける行為だと分からぬのか?』


「どういうことだ!」


『我は邪悪。だがその前に1人の神であった――』


―――『1人の神であった我は、良心を持つ神であった。日々崇められ、感謝の心を我に与えた。だが、人間たちは突如として我に反抗した』


―――『我の住む社を破壊し、我を地の底へ封印した。我は絶望した。そして人々のその後の絶望を蓄える事で更に絶望を強くした』


『我は絶望そのもの、そして邪悪。貴様らの思う心など知った事か』


・・・・・・・・・・なにも言えない。一体なんでそんなことになったかなんて知らない。でもコイツは確かにそうやって封印されたんだろう、悲しかったんだろうって思えば思うほど辛い。


『いつの間にか、我の神としての良心は消え去った。そして我は今、完璧な姿としてここにいるのだ!!』


「フザけてんじゃねえぞ、クソが」


『なに?』


「人に崇められるだけが神か。そんな神、俺は知りたくもなければ崇めたくもない。人に絶望させられたなんてもってのほかだ」


「托都・・・」


「俺も、俺だって・・・当然だろ!人に絶望させられて、哀しいのはお前だけじゃない!俺もそうだった!両親に2度も捨てられた絶望は絶対に忘れない。その絶望をお前が蓄えてたなんていうなら俺は絶対に許さない。お前だけが、犠牲になっているわけじゃねえ!世界には、そういう奴らがお前も分からないくらいいるんだよ!だけどな・・・・1人1人、成長して変わっていく。俺には、ここに遊矢もいる、そして仲間もいる。てめえは何一つ成長もできてない、なにも手に入れちゃいない!」


『黙れ!人間如きが我のなにを――!』


「心の痛みは決して忘れる事はない。お前があの時、俺に復讐を促せてたんだろ。3度の心の痛み、お前の命を持って対価を払ってもらうぞ」


『貴様・・・・!!』


まさか、あのときの異世界人は――グレンだった・・・っていうのか・・・?

それよりも・・・そうだ。托都は実の親になにも覚えていない頃に捨てられて、それで父さんにも――。恨んでいたのに、そこを付け込んだ異世界人――おそらくグレン――が復讐を促せた。

あのジェレスタエクシーズもなにもかも、そういう意味で――。

そう考えると――托都は、本当は辛いんだろうな・・・俺がいるのも、でもそうやって俺がいることを良しとしてくれるなら・・・・。


「托都・・・」


「遊矢・・・・・」


「思いっきり行け!今までの分やっちまえ!」


「・・・・・当然だ、行くぞ。グレン」


『ぐっ・・・・!』


托都はなんでもクールだな、そこがみんなに憧れられてるんだろうな、・・・主に袢太とかにさ。


「俺のターン、ドロー!俺は、ツヴィアをリリースして《ネクロスフィア・モースカトル》をアドバンス召喚!ツヴィアはアドバンス召喚の素材として使う時、2体分となる。そしてモースカトルはエクシーズ素材になる時、1体で2体分のエクシーズ素材になる!」

《攻撃力:0/レベル:8》


「レベル8のモンスターが2体!」

「来るぜ!」


「俺はレベル8のモースカトル2体分でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《機械堕天使 ネクロ・ブラッディ》!」

《攻撃力:2500/ランク:8/ORU:2》


あのカードがきたってことはカオスエクシーズチェンジ・・・・・・それとも――。


「俺は手札から《RUM-ライトニングスカイ・フォース》を発動!このカードは自分フィールドのモンスターエクシーズを素材として、ランクが1つ上のモンスターエクシーズを特殊召喚する!」


『なにぃ!?ランクアップだと!?』


「俺は、ネクロ・ブラッティでオーバーレイネットワークを再構築!1体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!カオスエクシーズチェンジ!雷光迅雷の魂を受ける大天使よ、闇の羽衣、光と変え、今その絶望を打ち砕け!《機械大天使 クリスタルエンゲーラ》!!」

《攻撃力:3000/ランク:9/ORU:3》


『RUMでの、カオスエクシーズチェンジ・・・だと・・・』


「見たか、これが遊矢との絆だ」


俺の渡した托都の心の具現化。ライトニングスカイアーマードになった時、あのときに渡したカードの本当の意味に気づいてくれたんだ・・・。


「俺は、クリスタルエンゲーラの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールドのモンスターエクシーズのオーバーレイユニットを全て墓地に送り、攻撃力を1つにつき、800アップする!そしてこのターン相手は手札及び墓地から効果モンスターの効果を発動できない!」

《攻撃力:3800/ORU:2》《ORU:0》


「オーバーレイユニットのないバイオエクゾディアはただの壁にすらなりはしない。行け!クリスタルエンゲーラでバイオエクゾディアに攻撃!クリスタルグラスバスター!」


『だが、《弱者の抵抗》の効果で攻撃力は1000となる!ぐっぬあああああ!!』

《グレンのライフ:1100》


「俺はこれで、ターンエンド。さぁ最後はてめえだヒカル!」

《攻撃力:3000》《手札:2》


「あぁ!」


ヒカルも完全に笑うのやめやがった。この顔はマジな顔だな、ヤバい・・・。


「俺のターン!俺は、俺の魂を銀河の力にオーバークロス!」


『ぐっ・・・くぅ・・・』


「銀河に浮かぶ月の光、アルテミスギャラクシー!」


「来たわ!!」

「これが!」


「お前のその絶望・・・・俺も絶望は何度もした、挫折しても・・・それでも諦めない心を教えてくれた仲間がいる。そして俺もそれを教えたし、今じゃ良い仲だよ。行くぜ。俺のターン、ドロー!俺はギャラクシー・カオスを素材として、アルテミスギャラクシーエクシーズチェンジ!渦巻く銀河の果てよ、輝くその身は汝の剣とし、闇を殲滅せよ!《ギャラクティック・ヒグスドラゴン》!」

《攻撃力:4500/ランク:9/ORU:3》


あれが・・・・ヒカルの、願いの果て・・・・。


「ギャラクティック・ヒグスの召喚に成功した時、相手フィールドの全ての効果を無効にする」


『なんだと!?』


これで《弱者の抵抗》の効果はなくなった!!これで俺たちの勝ちだ!


「人々の苦しみ、お前の身をもって味わえ!ギャラクティック・ヒグスでバイオエクゾディアに攻撃!サンシャイニング・ブラスター・ストリーム!!」


『っ・・・・ぬわあああああああ!!』


・・・・・・・・本当に、これで勝負が付いたんだろうか・・・。


「・・・・・やったか・・・・」

「・・・・!な、なんだと!?」

「なにがどうしたんだよ!」

「なんだあのカードは・・・・!」


土煙晴れた場所、グレンのライフはなにも変わらず、罠カードが1枚発動していた。


『我は、罠カード《罪人の断頭台》を発動していた。このカードは相手モンスターの攻撃ダメージを0にし、破壊されたモンスターを特殊召喚する。更にその後、プレイヤー2人のライフを2000ポイント削る!』


「なにっ!?」

「ということは、まさか・・・」


『我は神にはむかう愚かなる罪人、風雅遊矢以外の2人にダメージを与えよう!』


「なにっ!?ということは、俺と托都の両方に2000のダメージ!?」


『絆?結束?フザけるな!我は神だ、我の思いのままに動けばいいのだ!喰らえ!2000のダメージを!』


「っ・・・!ぐぁああああああ!!」

「っあっ・・・!・・・・・まさか・・・!このダメージでエネルギー切れなのか・・・!」

《托都のライフ:1100》《ヒカルのライフ:100》


2人のライフがここまで・・・・それにアイツは俺を指定しなかった、俺を指定すれば俺は負けだったのに・・・。


『全ての元凶、風雅遊矢、貴様は許さん。この2人を倒した後、嬲り倒してやろう!』


「そうは・・・させるか!俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」

《手札:1》


『我のターン、ドロー!貴様らに見せてやろう。真の神の力を!』


「真の力!?」

「一体どんな力なんだ・・・」


『我はバイオエクゾディアをエクシーズ素材とし、バイスエクシーズチェンジ!混沌より破滅せし闇よ、大いなる絶望で世界を塗りつぶせ!ジェレスタエクシーズ《絶望の番人バイスアルカディオス》!』

《攻撃力:100/ランク:10/ORU:1》


「ジェレスタエクシーズ・・・・!?」


そんな・・・ジェレスタエクシーズはもうこの世にないはずなのに!!


『この大いなるジェレスタエクシーズは貴様の使うものとは違う。オーバーレイユニットを1つ使い、我以外のプレイヤーのライフをこのモンスターの攻撃力と同じにする!』


「ということは遊矢たちのライフが100になっちゃう!」


「なんだと!?」


『大いなる神の前にひれ伏せ!ディスペアディヴァイン!』


「っ!うああああああああああ!!」

《遊矢のライフ:100》《ヒカルのライフ:100》《托都のライフ:100》


『まだだ、この効果で我のライフが1000以上ある場合、相手フィールド上のモンスター全てを破壊する!』


これで俺たちのフィールドのモンスターは全滅・・・!

こんな状況で・・・・そんな・・・!


『これが神の力だ、貴様らの言う絆とは違う、圧倒的なものだ!』


「っ・・・ざけんな、俺たちは諦めねえ!」

「あぁ、その通りだ!」

「まだまだだ!まだ、俺たちはやりきってみせる!」


『っ・・・ならば風雅遊矢!貴様から消し去ってやる!!バイスアルカディオスで風雅遊矢にダイレクトアタック!これで、終わりだ!』


「遊矢!!」


「―――!!」



67話へ続く


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【あとがき】


今回の一言、「神様ご乱心」。

グレン煽り耐性なさ過ぎて小物臭が遂に100まで到達wwwwwこれは次回売れる・・・ッ!!


状況が似てるせいか托都の心の描写が書きやすかった。

そういえば今日、この小説の話を友人としていて、「なんかダークネスに似てる」「報われなさそうなラスボス」とか言ってましたw確かに見た感じダークネスっぽいですよね。神神言ってるけどやってることチートだし。ユベルさんお呼びですよ。これが本当の「神と名乗るわりにはセコいこと」。

というわけで今回の一言はご乱心になりました、というか間違いないだろwww


次回!!遂に決着!!VSグレン!

ヒカル&托都の絆の力、仲間たちの全ての希望と英雄の輝き、最後の英雄の輝きは一体誰―――?奇跡の光、エクススパイラルアーマードが覚醒!

そして感動のラスト・・・・・アルトの真の姿とは・・・・・。

ラストスパート、2期終了まで後2話!


【予告】

ライフが残り100、モンスター全滅という圧倒的に不利な絶望的状況に追い込まれた遊矢たち。最狂最悪のジェレスタエクシーズの力の前に遂に倒れてしまう遊矢。

その時、英雄の輝きと仲間の絆、そしてアルトの持つ人を信じる心が遊矢に奇跡を呼び起こす――!!

次回!第67話「究極のアーマード!エクススパイラルアーマード降臨!」


【おまけ】


「どうも!僕の名前は天領大河!遊矢くんのクラスに転校してきた遊矢くんの新しい仲間!」


「でも色々な事件に巻き込まれて大変な事に!」


「大丈夫!遊矢くんなら絶対に大丈夫って僕は信じてる!頑張れ!」


「第3期は近日公開!絶対に見てね!」