ジェレスタ65「立 ち 上 が れ 希 望 ! 最 後 の デ ュ エ ル !」



「「「『デュエル!!』」」」


『我のライフは貴様らのライフを合わせた12000、貴様らには1人ずつに4000のライフを与えよう。そしてルールはバトルロイヤルルール!全てのプレイヤーに攻撃可能だ。我に付くというのなら存分に潰しあうと良い』


《グレンのライフ:12000》《遊矢のライフ:4000》

《ヒカルのライフ:4000》《托都のライフ:4000》


「フザけんな!誰がそんなことするかよ!」

「あぁ。貴様のその程度の誘いに乗るものか」

「そうだよな!ヒカル!」

「え、あ・・・・あぁ」


ヒカルのヤツ・・・こんな時も様子がおかしいな。でも、きっとこのデュエルに勝てばヒカルだって元に戻るさ!・・・根拠はないけどな!


『では我の先攻、ドロー!我は《ロード・オブ・ウィプス》を召喚』

《攻撃力:0/レベル:4》


攻撃力0のモンスター・・・・。


『我はカードを1枚伏せ、ターンエンド』

《手札:4》


「みんな!最初は俺に任せてくれ!」

「勝手にしろ」

「決めるのはお前だからな、遊矢」

「あぁ!俺のターン、ドロー!俺は《Ss-ワンダー・ガール》を召喚!」

《攻撃力:1200/レベル:4》


「更に!ワンダー・ガールがいる時、《Ss-ワンダー・ナイト》を特殊召喚!」

《攻撃力:1800/レベル:4》


これでレベル4のモンスターが2体!エクシーズ召喚だぜ!


「俺はレベル4の――」


『我は永続罠《エクシーズオーバースタン》を発動。これにより我以外のプレイヤーはエクシーズ召喚できなくなる』


「マジ!?」

「エクシーズ召喚に特化した遊矢のデッキを計算しての行動か」

「俺たちはともかく、遊矢にはキツいかもな」


なんかひどくバカにされてる気がする・・・。でも事実だ。俺のデッキはエクシーズから融合に繋げる、エクシーズシンクロも同じ。シンクロまでは出す事ができるけど今はエクシーズを出したいと思ってしまった。それにチューナーもいないし。

だけど1ターン目ならなんとか・・・!!


「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

《手札:3》


「それじゃあ、俺が先に行くぞ。異論はないな?ヒカル」

「あぁ、俺は構わないぜ」

「俺のターン、ドロー!俺は《ネクロスフィア・ツヴィア》を召喚!」

《攻撃力:1500/レベル:3》


「カードを3枚伏せ、ターンエンド」

《手札:2》


手札3枚を伏せるなんて・・・そんなに切羽詰まってるようには見えないけどな・・・。


「エクシーズ召喚しなくても、托都さんには上級モンスターがある。なのに、どうしてただの下級モンスターを出してきたのかな・・・・」


アミの言うとおりだった。托都のデッキはエクシーズ召喚も当然するけど、それ以前にレベルの高いモンスターが多い。あんまり言及した事ないけどスキドレ入っていたりそれに対応するカードも入ってた。

それじゃあなにかそれ以外に対する秘策があるってことなのか・・・?


「うじうじ悩むなよ、遊矢」

「お前が1番悩んでるクセに~!」

「それとこれとは話が別だろ?行くぜ、俺のターンドロー!」


さっきはあんなウジウジしてたくせに今はノリノリじゃねえか・・・!!まぁ容姿が容姿だしこっちの方が似合うけどな。


「俺は手札の闇属性モンスターと、光属性モンスターを墓地に送り、《カオスオーバードラゴン》を特殊召喚!」

《攻撃力:2400/レベル:7》


「《カオスオーバードラゴン》は、召喚時、相手フィールドのカードを1枚破壊できる!俺は永続罠《エクシーズオーバースタン》を破壊!」


「よしっ!これで次のターンからエクシーズ召喚できるぜ!!」

「さすがだな」


これがヒカルの真骨頂!俺たちにできないことだってやってのけるんだ!


「俺はカードを1枚伏せ、ターンエ――――」


「ヒカル・・・!?」


「・・・悪い、遊矢、大丈夫だ。・・・ターンエンド」

《手札:2》


息上がってる。やっぱり、――。


『我のターン、ドロー。我は《ロード・オブ・ウィプス》の効果を発動。《ロード・オブ・ウィプス》が召喚された次の我のターンに、デッキから《ロード・オブ・ウィプス》を2体特殊召喚する』


これでレベル4のモンスターが3体そろった・・・でもまだなにかするつもりなのか?


『我は魔法カード《レベルクロス》を発動。手札のレベル4以下のモンスターを墓地に送り、そのレベル分レベルを上げる。レベル4の《ロード・アンブラル》を墓地に送りレベルを8に』

《レベル:8》


「これでレベル8のモンスターが3体!」

「来るのか」


『我はレベル8の《ロード・オブ・ウィプス》3体でオーバーレイ。3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚。現れよ、我が至宝なる神よ、大いなるその力で万物を掌握せよ《鬼神バイオエクゾディア》」

《攻撃力:0/ランク:8/ORU:3》


攻撃力0!?ここまで来てまた攻撃力0ってフザけんな!!


『我はこれでターンエンド』

《手札:3》


「腹立つ~・・・!!」

「遊矢・・・」

「あ・・・あははー・・・。俺のターン、ドロー!!俺はレベル4のワンダー・ガールとワンダー・ナイトでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ!《Ss-エア・ストリームソード》!」

《攻撃力:2100/ランク:4/ORU:2》


エア・ストリームソードの攻撃力は2100・・・これならアイツのバイオエクゾディアを上回る!


「いけっ!エア・ストリームソードでバイオエクゾディアに攻撃!」


「これが通れば2100の大ダメージよ!」


「エアソードストリーム!!」


『くっ』

《グレンのライフ:9900》

『我はバイオエクゾディアの効果発動、オーバーレイユニットを1つ使う事で、先ほど受けた攻撃力分のダメージを相手にも与える』


「なにっ!?」


『エア・ストリームソードの攻撃力は2100、喰らえ。エクゾードファイア!』


「うわあああああ!!」

《遊矢のライフ:1900》


「遊矢!」


「くっそ・・・」


想像通りにリアルダメージ受けたけど・・・痛いものは痛いよな・・・。


「大丈夫大丈夫!俺はこれでターンエンド!」


「俺のターン、ドロー!」


って俺ガン無視された!?


「俺はこれでターンエンド!」

「た・・・ターンエンド!?やる気あるのかよ!」

「遊矢・・・これも戦法の1つだ。攻め入るだけがデュエルじゃない」


うぅ・・・そう言われると納得してしまう・・・。いや、全くもって正論ですアニウエサマ。


「俺のターン、ドロー!俺は《カオスオーバードラゴン》でバイスエクゾディアを―――!」


「・・・・ヒカル?」


今までにない違和感。何故か俺の方がヒヤリとしていた。なんというか、分かる。不思議と分かる。アレがヒカルではあってヒカルじゃないってこと。

托都はさも当然のようになんの警戒もしてない、アミは汗流してるし、グレンに至っては愉悦なようだし。まぁアイツは論外か。


「ぁっ・・・ぐっ・・・!っ・・・・」


「やっぱり!!アイツ・・・まさかこの空間にいるのか!?」


『それはない。この世界にいる者は我ら5人のみ。言っている人間はおらず』


「アミ!!」

「うん!分かってる、すぐい――キャッ!」


大きな境界線、大穴の更に深くに続く道がアミの行く手を阻んでいた。


一応ここに行く途中にアミには、「ヒカルがまた倒れるようなことがありそうだったらすぐにデュエルをやめさせてほしい」って頼んでいた。


「・・・・・」

「托都!!どうしてそんな冷静でいられるんだよ!」

「遊矢は集中してデュエルしていろ」

「はぁ!?」


「・・・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・」


だいぶ落ち着いた・・・?


「ヒカル――「俺は!《カオスオーバードラゴン》でツヴィアに攻撃!!」なっ!?」


なに考えてんだアイツ!!というかなんでツヴィアに攻撃!?

それにヒカルって・・・蒼眼だったっけ・・・?


「マジか・・・!くっ!」

《托都のライフ:3100》


さすがの托都も驚きなのか・・・?


「ならば俺は永続罠《痛み分けの冠》を発動!このカードは、俺の受けた戦闘ダメージを相手にも与える!」


「なにっ!?」

「・・・」

《ヒカルのライフ:3100》


ヒカルも托都も一体どうしたんだよ・・・。全くわけわかんねえ・・・。


「俺は速攻魔法《カオスオーバーリミッター》を発動!効果ダメージを受けた時、その2倍のダメージを相手に与える!」


「くっ!」

《托都のライフ:1300》


「《痛み分けの冠》の効果発動!1800のダメージだ!」


《ヒカルのライフ:1300》


「一体どうなってるの・・・?」


アミも訳が分かってないらしい、いや俺もだけど。


『あの女の手によったものか・・・ちょうど良い、我の手を煩わす事もなくこの者たちを始末せよ!』


「俺は更に速攻魔法《カオスチャージ》を発動!このカードは自分フィールドのカオスモンスターを墓地に送り、1000ポイントのダメージを与える!」


「ぐあっ!」

《托都のライフ:300》


これでまたヒカルのライフも300になる・・・こんな、潰しあいなんてそんな・・・。


「やめろよ2人とも!!目ェ覚ませ!!」


「俺は――、」


『そうだ仲間同士潰しあえ、絆、友情、全てが下らぬと証明して見せよ!』


絆がくだらない物って・・・ヒカルがそんなこと思うわけが――。


「・・・くっ・・・はは・・・はははっあははははっ!」


『なにが可笑しい』


ヒカルを見ると何故か涙流しながら笑ってる。それも結構な大笑い。さっきまでの不気味な雰囲気じゃなくてこれは素だ。絶対に素だ。


「そ、そりゃあこんだけ騙されれば・・・く~っ意外と快感だな!」


『だ・・・騙され・・・!?』


「残念だったな、これは不発だ」


ふ・・・・はつ・・・?なにを言っていらっしゃるんですか君は。


「俺は速攻魔法《永久機関-Re:Revival bond-》を発動!」


ヒカル・・・!?Re:Revival bond・・・再び蘇生する絆!?


「このカードは、このターンチェーン発動されたカード効果のダメージ分ライフを回復し、このターン俺が受けたダメージをグレン!貴様に与える!」


『な・・・・!?』


「不発・・・これはお前に対する罠だったってわけだ」


『ぐっぐっああああああ!!』

《グレンのライフ:3100》


あれだけあったグレンのライフを削り取った!?


《ヒカルのライフ:3100》《托都のライフ:3100》


「お前らいつの間に・・・」

「悪いな遊矢、騙すつもりじゃなかったんだけどな」

「お前は反対すると思った。だからこそ何も言わずにデュエルを始めたんだ」

「あぁ、ちなみにアレは演技じゃないぞ。苦しんでたのはマジだ」

「マジ!?」

「トルテもこの事件に関しては俺たちに協力すると言っててな・・・」


~~~


《いいですか?貴方は演技でもいい、私が貴方の精神の乱れや考えを見計らって呪いの力を強くする》

「強くって・・・最悪俺自身がマズいじゃねえか」

《そうよ。気をしっかり保っていただければいいですわ。呪いが完全に掛かったと見せかけの演技をして味方に攻撃してほしいのです。そしてその攻撃分を貴方のカードで・・・仕返しなさい》

「仕返し・・・?」

《それは貴方自身が決めること》



~~~


「まさか本当だったとはな・・・・」


ヒカルがそんなことを――いや、まずアイツも協力してただなんて知らなかった・・・。


『あ・・・あの端女が・・・・!!我がライフに傷を・・・!』


「見たか、これが真の絆の力だ」


『ぐっ・・・ぐああ・・・!』


「勝負はこれからだ!グレン!!」



66話へ続く


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【あとがき】


今回の一言、「こんなヒカルくん私は知らない」。

ヒカルくんが作中内初大笑い、というかまず笑わない系キャラだからね。終盤までは。本当だよ?(フラグ)


グレン様何千年も寝てたから煽り耐性なさ杉ワロタwwwwwそしてヒカルくん的にはしてやったりなのかそれとも「m9」なのか・・・。

そして地味に1番ダメージ喰らっている遊矢くんマジソス。次回以降は噛ませ犬かしますよ、いや、マジで。つかグレン様の小物臭パネエッス!!結構本当に。

永久機関はもう二度と出てきませんよ、絶対。よくあるようなシャイニングドローなんで。つかヒカルのデッキにそんなカード入ってるわけがない。


次回は中篇!!カオスエクシーズ様とアルテミスギャラクシーとライトニングスカイアーマードが火を噴くぜ!!

そして災厄を齎すジェレスタエクシーズが登場!!その効果とはいかに・・・?

遊矢たちに最大の危機が迫る!次々回では遂に奇跡が――!!

2期終了まで後3話!!


【予告】

ヒカルと托都、そして影の協力者であったトルテによってグレンのライフを同等にまで減らす事ができた遊矢たち。

だが、その行為に怒りの炎を燃やすグレンの更なる手がヒカルと托都に向けられる!3つの強力な力で潜り抜けられるかと思ったその時、グレンが存在するはずのない16枚目のジェレスタエクシーズを呼び出すのだった!

次回!第66話「悪夢のジェレスタエクシーズ!?バイスアルカディオス!」


【おまけ】


『私の名前は玉藻タスキと申しますはいぃ!お呼びとあらば即参上!』


『新たな出会いで私とご主人様が運命的な出会いをします!あらやだ私ってば本当に良妻!!』


『NTRとか?闇堕ちとか暗黒面に目覚めちゃったりするんですけどぉ!?』


「いい加減にしろおおおお!!」


『キャー!申し訳ありませんご主人様ー!』


「第3期は近日公開!絶対に見てくれよな!」