ジェレスタ53「北 条 神 社 の 謎 の 巫 女 ?」
/本編前に・・・。
遊馬と遊矢の名前がかなり似ていることあってとんでもない誤字をする場合があります。誤字を見つけた場合、コメントで注意してくださると嬉しいです。
デュエルのミス(ライフゲージなど)も指摘してくださると、こちらとしても次の時に生かすことができるのでよろしくお願いします。
それでは、53話もよろしくお願いします。
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「うわわっ!!遅刻遅刻~!!」
「遊矢おはよー!」
「おはよう姉さん!って遅刻する~!!」
なんかこうして学校行くのに毎回遅刻しそうになってるのは寝不足だからかな。
それでも生き生きした生活になってきてるし、まぁなんともないって事で今のところはOKなのかな?
1番気になってるのはあのトルテって奴、アイツが次にどんな動きをしてくるかまだ分かってないし、デュエルの腕も定かじゃないし。とにかく、今は待つしかないんだよな。
「行ってきまーす!」
「遊矢!」
「なんだよ姉さん!」
「お弁当忘れてるわよ!」
「あーなんか、って時間が!行ってくる!!」
ま、記憶力とかは問題ないっしょ!!
「・・・・・・・」
~~~
――キーンコーンカーンコーン・・・
「よっし!!今日も、デュエルタイムだぜ!」
「それはそれで良いんだけどさ、遊矢」
「ん?どーしたんだよ」
「今日、リンさんが呼んでたのよね。なんか神妙な顔つきで・・・」
「いつの間に・・・」
「昼休みで友達と話してる時、」
「はぁ・・・」
あの人もどこから来るか分からない人だよな、神出鬼没ってやつ?
根本的にあの人っていっつもなにしてんだろうな・・・。
「とにかく行ってみましょうよ!遊馬さんの家にいるって言ってたから!」
「あー分かった分かった!」
もしかしたら敵の情報をつかんだのかもしれないし・・・デュエルよりも先にそっちに行くべきだよな。
~~~
「・・・・」
「おーいリンさーんって、托都も来てたのかよ」
「悪いのか、俺が居たら」
「いや・・・そうは言ってねえけど・・・」
確かにリンさんが無駄に神妙な顔つきしてる・・・いつもと違うような・・・。
「遊矢、遅いぞ。何時間待たせるつもりだ」
「アンタは働いてねえからだろっ!学校だよ!学校!」
「分かってる。なにをゴチャゴチャ言い出すかと思ったら・・・。とにかく、俺が呼んだ理由を遊矢は敵の事についてだと思っただろ?」
「あ、あぁ・・・まぁそうだけど・・・」
ここまで予想できてるならなにも言わなくていいんじゃ・・・。
「言っとくけど、敵についてはなんにも検討ついていない」
「は、はぁ!?」
「理由と言うか、俺が1つだけお前らに・・・アミと托都はともかくか、言えることがある」
「2人はともかくって何で呼んだ!?」
「別件だ。北条神社っていう神社、知ってるだろ?」
「知ってます!あのハートランドシティ郊外にある!」
「そうだ、そこの神社に行って来い。知り合いが居てな。実際のところ、毎回ギリギリの戦い、このままだと敵に倒されるのはオチだなと思ってな、行ってきてくれ」
神社・・・・・・北条神社・・・、聴いたことがないよな。
「つかなんで神社!?」
「デュエルが強くなればいいとは言っていない、俺の知り合いは、その人物の心の迷いを占う巫女。お前の迷いを断ち切るためにも、行ってこい」
「・・・・はぁ・・・」
「面白そうじゃない!遊矢、私も行くわ!」
「アミもかよ・・・」
「それと、托都。お前も行け」
「は?」
「見た目が年下の俺だからって文句は言わせないぞ。保護者同伴ってやつだ。あのバカもなにしでかすか分からないからな、一応俺もついて行くけど」
「・・・・はぁ・・・」
「2人とも同じようなため息つくわね」
「兄貴だしな・・・」
とりあえず、その神社ってやつに行ってみるか・・・・。リンさんもいるし、面倒ごとはそこまで起きないだろうし。
~~~
「・・・・闇を持つ少年が、やってくるんですね」
《まぁ・・・な、ちょっとツンデレだけどさ、俺もついていくから面倒見てくれよ》
「分かっているけど・・・お金はよろしくね!」
《賽銭入れて帰るから良いだろうが・・・!》
ついに、来るのね。どうやら、本格的に私の出番になりそうな予感がするわ。・・・・もちろんお賽銭はもらうけど。
~~~
まさか学校休んでまで行くことになるとは・・・・。リンさんのムリヤリっぷりは健在なんだな・・・。
まぁ確かにドロワ先生の知り合いだし、義理の妹さんみたいなモンだし・・・。義理の義理って一体どんな関係なんだろう。でも、デュエリストとしてドロワ先生はリンさんのことを買ってるし、良いのかな。
とにかく神社へ向かってみるしかないってところなんだろうな・・・なんか階段が物凄い長い気がするけど。
「これなら・・・決闘庵の方が早いぜ・・・」
「そりゃあそうだ、ハートランドシティで1つしかない神社だからな」
階段を上り詰めてやっとたどり着いた。
「つ、着いたぁ・・・・・」
「確かにここは大変よね・・・」
「・・・貧弱っていうか、3人とも体力ないなぁ・・・」
「俺は普通にしてるだろ・・・」
「息あがってるわ、ボケ」
り、リンさんがめちゃくちゃ辛辣になってる・・・・。それだけ過酷ってことなのか!?・・・・・・・・いやいやいや、ねえよ。
「お待ちしてました、リン」
「?」
「あれが巫女さん?」
なんか・・・・・超普通な気もするけど・・・。この人が、例の凄い人?
しかも性格からなにまでダメ大人という名のリンさんとは対照的に真面目そーな人なんだけどなぁ・・・・。
「貴方が、遊矢くん!」
「あ、はい。どうも」
「まだまだ子供って感じね!大丈夫大丈夫!成長期入りかけてるから!」
いや、成長期だと俺は思ってるんだけど。つかなんで俺子供扱い受けてんだろう・・・。
「ミコ。それくらいにして自己紹介しろよ・・・」
「そうでしたね!皆さん初めまして。私の名前は祭囃子ミコ、巫女だけにミコなのかは分かりませんよ!」
教えなくていいだろ!!自分でギャグ面に走ってるだけじゃねえか!
「それよりもリン?」
「なんだ?」
「お賽銭入れてくれるのよね」
「お前の頭の中は金しかねえのかよ!後で入れとくから今はそれ以外!」
・・・・・・・お金がお好きなんですね。
「なんか、変わった人ね」
「ツッコんでやるな、アミ」
「それが得策というものだ」
「えっと、アミさんよね」
「そうです。孤鈴アミです。初めまして」
俺に対しては子供扱いだったのにアミに対しては普通の目線!?なんかすっげえ泣けてくるんだけど・・・・・。俺って一体・・・。
「遊矢、気にするな。お前は確かに子供だ」
「お前が言うな!!」
托都が1番そういう煽り耐性的な意味で子供な気が・・・・・・いや、ヒカル・・・・・・・でもないか。やっぱ俺なの?
「あら、貴方は?」
「托都」
「托都さんですか、・・・・・そうですか」
「なんか様子違わないか・・・?」
「確かに、そうかも」
托都の時だけ反応がおかしいような。いや、全部反応違ってたけど、俺のときみたいな感じでもないし、アミのときみたいな普通な感じでもないし・・・なんていうか、遠ざけてる感じ?
確かに托都はバカだけどそこまでじゃないよな。実際は常識人だし、面倒見が良かったりするし。
「ミコ、とりあえず遊矢の占い頼めるか?」
「ええ、もちろん。後でお金はいただくけれど」
「だから後で送るから黙れ・・・」
絶対にこの人のお金への執着は普通の人と違う気がするんだけどな・・・。
~~~
「ヒカリー、いるか?ぁ・・・・・・・・・・・・」
「ありがとうカイトさん!」
「気にするな―――、ヒカル、遅かったな」
「お兄ちゃん!カイトさんからカードもらったんだよ!」
・・・・・・・とりあえずだ、
「カイト、てめえ帰れ」
「そう言うな。お前に話があってそのおまけのようなものだ」
「逆にヒカリをおまけ扱いするな」
「おにいちゃーん」
「あ、あぁ・・・。また、ヒカリのデッキに入りそうなカードだな、良かったな」
「うん!」
まぁヒカリが喜んでるならそれはそれでいいけども・・・。
とにかくまずはコイツを病室から放り出す事が先だな、ヒカリとあんまり会わせたくない相手なのに・・・。というよりも、どうしてヒカリのデッキに合うようなカードを知ってるのかが気になる・・・。
「それで用事は?」
「この間の事なんだが・・・お前、やはりなにか隠してるだろう。遊矢にも」
「・・・・・・」
「言うつもりがないのは分かっている。だが、下手すると俺と同じ道をたどる事になるぞ」
「まぁ、アンタの言うとおりだ、言うつもりはない。だがアンタと同じ道をたどる事はない。それだけは分かっている。例えなにがあっても、とにかく決着はつけないといけないんだよ」
分かってる、でも、アイツよりも遊矢のところに居た方が良いのは百も承知なんだよ。
それに、ヒカリも今はいるしな。
~~~
「遊矢くんは、今年のデュエルグランプリ優勝者よね」
「あぁ!」
「今度サインほしいな~!そうすれば「子供の前で、お金の話をするな、端女」
「ひ、ひどいわよリン!」
やっぱりリンさんって知り合いに対しては物凄く辛辣だよな、遊馬さんとかカイトさんとか・・・。家族には敬語なのに・・・。
「それじゃあ、まぁ・・・・前置きというよりも、質問よ。遊矢くん」
「え、まぁ・・・はい」
「3つだけよ、嘘はつかないで」
「はぁ・・・」
そんなに重要な質問なのかな。
「1つ目、遊矢くんの1番大切な人は?」
「俺の・・・・みんな俺は大切だと思ってる!今まで見てきた、今まで一緒にデュエルした誰でも。それが心優しいなら、俺はみんな大切だと思ってる」
「・・・なるほど。2つ目よ、遊矢くんはカードを友達だと思ってる?」
「カードのモンスターたちは、友達というより仲間って感じで、なんかよくわかんないけど、デュエルには不思議な力があって、それで見えなくても喋れなくても繋がってる気がするんだ」
「3つ目、これが最後よ。遊矢くんは、1人?」
「え・・・」
いや、俺は確かに1人しかいないだろうけど。もう1人がいるってこと・・・じゃないよな。
・・・・・・・ひとりぼっちってことなのかな。
「過去形だけど、1人だった。父さんも母さんも、離れてて、なんか勝手に見捨てられたなんて考えて、けどよく考えたらこんなにいっぱい仲間がいて、近くにもデュエルモンスターがあったって思えるんだ」
「今は1人じゃない、ということね」
「あぁ」
そう思って、いいんだよな。
「よく分かったわ。・・・今の状況、このままでは遊矢くんに荷が重過ぎるかもしれない」
「え?」
「近い未来に、遊矢くんは全てを捨てるかの選択をしなければいけなくなるわ」
「全てを捨てる・・・・?」
「ちょっと待ってくれよ!全部って!?」
「仲間も、絆も、家族も、貴方が大切にしている全てよ」
つまり・・・・・・どういうことだ・・・・・・?簡単に言えば、なんにもなくなるってことだよな。
「ミコ、とか言ったか」
「ええ、そうよ。なにか文句でもあるの?」
「どういう意味で言ってるか俺に理解する気はない。ただ1つ言える、遊矢はこの先の未来で全てを失うことは絶対にない」
「どうしてそう言い切れるのかしら?」
「1度、捨てたから分かる。遊矢には、そんな道、似合わない」
「へえ・・・・」
托都・・・・。そうだよな、父さんたちの勝手な都合でひとりぼっちだったんだよな、托都は。
「私からも、貴方に言いたいことがあるの」
「言ってみろよ」
「私は、貴方が嫌いよ。今すぐ、この世から消したいくらいね」
「根拠は?」
「貴方の心の奥に潜む、人間とは違った闇の形。人は誰しも心に闇を持つ、だけれど貴方は違う。私は貴方のその闇が嫌いなのよ」
托都が普通の人間と違う・・・?確かに、カオスエクシーズチェンジしたり、普通の人間では持ってないような能力は持ってるけど、でも・・・そこまで人間じゃないとは思わないよな。
「とにかく、私は少し失礼するわ。遊矢くん、全ては貴方のこれからの選択次第。それでも忘れないで、全てを失う時は、必然的にやってくるという事を」
「待て、」
「まだなにか御用?」
「托都、どうしたんだよ」
「俺もお前が嫌いだ、言い返してやりたかった・・・というわけでもないんだ。そこまで言うなら、少しは証拠でも示してみたらどうだ?」
「・・・・・・・なるほど、良いでしょう。遊矢くんの未来の事は今は証明できない、直前までにならなければ無理。ですが、貴方の人と違ったその力、私が教えてあげます、デュエルでね」
「そうこなくてはな、受けてたってやる」
・・・・・・なんかすっげえ尋常じゃないくらいのオーラが・・・。
「行きます!デュエルディスク――セット!」
「デュエルディスクセット!」
「Dゲイザー、セット!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「「デュエル!!」」
54話へ続く
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【あとがき】
この回はきっとKimさんが作画なのだろうな・・・・。そしてかなり重要な伏線が今回張られました、アミちゃんの別件については次回です。
にしてもこの2人の仲の悪さは恐ろしい・・・。
ミコさんの好きなものリストの中で1番は「お金」です。マネーマネー
托都は1度間違えたから逆に説得力がつけられて怖い、だけど托都自身結構悪い顔できるから説得力ないときがある。だから負けるんだよ。
ヒカルとカイトの仲の悪さも健在です、でもカイトはヒカリのことは気に入っている感じ。ハルトと似たような境遇だからこそ分かるお兄さんの感覚です。ただしヒカルにはよく思われてないみたいな感じ。ハートランドシティの技術力は世界一ィィィ!!!
次回はオンリーデュエルってわけじゃないけど托都兄さん無双。・・・に見えるミコさんの初デュエル。地味に回想入ります。あと、アミちゃんの別件についての話も少しだけあります。
今回は珍しく敵が出てこなかったね・・・。
【予告】
遊矢に対するミコの占い、托都の人と違う心の在り方を教えたミコに対して反発した托都がミコとデュエルを始めてしまった。
序盤からカオスエクシーズチェンジで果敢に攻めるもミコの相手の戦略を読むようなカウンター戦法に苦戦を強いられる。それでもミコのライフをギリギリまで削りきったが、そこでミコのエースモンスターである桜吹雪の巫女が登場する!
次回!第54話「ミコVS托都!桜吹雪の舞い散る頃に」
【おまけ】
遊矢「ミコさんってすっげえお金に執着あるけど、どうしてなんだ?」
リン「曰く、夢は兵器を買って人間界を支配するらしい」
遊矢「!?」