ジェレスタ51「仲 間 を 取 り 戻 せ ! 遊 矢 V S リ ク」



「参りましたわ・・・」

「そんなことがあったのかよ・・・」

「場所の特定もできたし、遊矢に黙って俺が行けばいいんだけどさ」

「どうしてですの?」

「今回は俺のミスだ、英霊の魔力が弱かったばかりにこんな不測の事態になってるんだ、だからこそ俺が行くべきじゃないか」

「待った。そこは遊矢に行かせるべき・・・だろ?」

「遊馬・・・・・、分かっている、がな・・・」


分かってはいるんだけど、やはり・・・遊矢のメンタルが危ういな・・・。

こうなれば、あの人を呼び返すしかないか。どうせあのバカ兄もいないだろうし、カイトも励ましにはならないだろうし。


遊矢のためにも、やっぱり・・・・・。



~~~



「あれ・・・?孤鈴さん、遊矢くんたちはどうしたんですか?」

「慶太くんと敏也くんもいないわ」

「3人はちょっとね、・・・」


遊矢、ちょっと参ってるのかな・・・。デュエル、明日のはずだけど・・・。

1番遊矢が怖がってた事だからこういうことになったら困るんだろうなぁ・・・。私がデュエルに行ったらまた何だかんだ言われるだろうし・・・。

でも今のままじゃ、ずっと迷ってばかりだから遊矢・・・負けるかもしれない・・・。


「アミちゃん・・・?」

「あ、あぁ大丈夫大丈夫!それより1時間目体育だよ、更衣室行こう!」


大丈夫・・・遊矢なら大丈夫、いつだってそうやって悩んでぶつかっても前向きに進んできたんだから・・・!



~~~



「もー、遊矢ー!学校から電話来てるわよー!」


「今日ムリ、先生に言っといて」


こうなるんだったらあん時俺が代わればよかったのにな・・・。そうすればアイツを倒して、みんな助かったのに。


「だー!!悩んでても仕方ねえ!こーなったら俺がアイツを倒せば・・・!」


「遊矢ー!!」

「うわっ!?こ、小鳥姉さん!?」


こんな大慌てでなにしに来たんだ!?つーかドロワ先生に連絡しなくて良いのかよ!


「おじさん来てるのよ!」

「お、じ、さん?・・・アルカディアムーブメントとか聞いたことあるけど」

「それ何百年前の企業の話よ・・・。というかよく知ってたわね。じゃなくて貴方のお父さんよ!」


そりゃあ遊星さんの時代に行って時代の勉強くらいは――――って・・・。


「ええええええええええ!?」


と、父さんが帰ってきた!?


~~~



「帰ってくるんだったら連絡の1つや2つ入れてくれればよかったのに・・・」

「い、いやぁ・・・托都には連絡を入れたんだがな・・・」

「俺に言ってなかったら意味ねえって!!」


まさか本当にこっちに帰ってきてたとは思わなかったぜ。

前に聞いた時は遠い外国で交渉に成功したとかなんとかだったらしいけど・・・ほんっとうに父さんってそういうの上手だなぁ・・・。


「んで、休み取れたからってことなのか?」

「まぁそういうことではないが・・・友人の娘さんから連絡を貰ってね、遊矢を励ましてほしいって」

「・・・友人って?」

「バイロンさ、1年前に行った国の科学者でね。確か・・・娘さんがリンっていうだったかな・・・?」


り・・・リンさんのことかぁぁぁぁ・・・・!!確かにバイロンさんって確かバイロン・アークライトだよな、あの人が何でそんな事知ってんだ!?・・・まさかアーチャーか!?なんっで見てんだよぉぉぉ!!


「父さん・・・・忙しいなら母さん待ってると思うぜ・・・・」

「そういうわけにもいかない、バイロンの娘さんの頼みだ。こちらもお世話になった上に念を押されている、今夜ちょっと展望台まで行こう」

「て、展望台・・・?」


確かハートランドにそんなところがあるって聞いたことはあるけど行った事はないよな・・・。

まぁ父さんと出かけられるんだし、行くか・・・。



~~~



「う、うおぉぉおぉ・・・・・!!キレー!!」


やっぱ展望台から見る星って一味違うんだろうなぁ!!嫌々言ったけど良い場所じゃん!


・・・・それに父さんとこうやって出掛けたのって何年ぶりなんだろうな・・・。


「・・遊矢、なにか困ってるなら言えば良い」

「べ、別になんでもないけど・・・」

「嘘をついても分かる、アミちゃんから聞いたらしいぞ?」


り・・・リンさーん・・・。


「・・・・・まぁ正直さ、ちょっと友達を守れるか・・・不安って言うか、約束破ったというか」

「・・・」

「どうしたらいいか、分ってないんだよ」

「・・・信じて進めば良い、自信がない遊矢は見たことがないからな」

「でもさ、ちょっと・・・」

「取り戻せるなら、取り戻せば良い。それを教えてくれたのは遊矢だろう?」


取り戻せるなら取り戻せば良い・・・・・か。


「もしも、あの時自分の過ちに気づかなければ、托都はどうなっていただろうか・・・そう思うときがあるんだ。遊矢は、どうする?今ここで自分の失敗に気づいて取り戻すか、それとも見放すか」


取り戻すか見放すか・・・・・。そういわれたら、選択肢は1つしかねえじゃん・・・!

確かにそうだったよな。父さんのしたことを俺は許せない、だけどここで俺が2人を見捨てたらアイツら2人は俺を許してくれない。

自信のない俺は俺じゃないって!遊星さんたちも、教えてくれたじゃん!


「ありがと!父さん!・・・俺、頑張ってみる!」

「・・・あぁ、頑張れ!遊矢・・・!」



~~~



「お父様、」

「リン、どうした・・・?」

「どうやら、うまくやってくれたみたいです」


きっと遊矢は、まだまだできる。俺たちと違って―――。



~~~



「・・・ふう、」

「頑張ってね、遊矢・・・!」

「・・なんで俺まで付いてきてんだ・・・」


ここで俺が頑張らなかったら、アイツら2人とも助からないんだ・・・。やるしかないじゃん・・・!


「よぉ、早かったな」

「リクだったよな。約束どおり、デュエルは受けてやるぜ!」

「よく言った!まぁ・・・せいぜい頑張れよ」


「行くぜ!Dシューター展開!デュエルディスク、セット!Dゲイザーセット!」


《ARヴィジョン、リンク完了》


「「デュエル!!」」


「先攻は俺だ、俺のターンドロー!俺は《コピードラゴ》を召喚、このモンスターは手札のモンスターを墓地に送り、そのレベルとなる。俺は手札の《エクシーズナイト》を墓地に送り、レベルを7へ。更にもう1体の《エクシーズナイト》を特殊召喚!」

《攻撃力:300/レベル:1→7》《攻撃力:0/レベル:7》


レベル7のモンスターが2体・・・・もう来るのか・・・!


「俺はレベル7の《コピードラゴ》と《エクシーズナイト》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《竜神王ガイアスパイラル》!!」

《攻撃力:3000/ランク:7/ORU:2》


「もうガイアスパイラルが・・・!」

「あれがアイツのエースモンスターか・・・?」


アイツの効果は確か、手札1枚につき400ポイントのダメージ・・・。俺の手札は初期手札の5枚、ということはダメージは2000。いきなりライフを削られる・・・。


「さぁ行くぞ!モンスター効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手の手札1枚につき400ポイントのダメージを与える!つまり、お前の手札は5枚、よって2000ポイントのダメージだ!いけっインフィニティストリーム!」


「っ・・・俺は手札の《リバースブレク》の効果発動!このカードは、相手のモンスター効果によってダメージを受ける時、手札を全て捨てる!」


「なんだと!?」


これで、俺に対する効果ダメージが無効になる。だけど、手札が全てなくなるなんて得策なわけがない。急いで取り返さないとこっちが不利になっちまう・・・!


「手札を捨てるのは良い判断だ、だがそうすればお前にとっても不利な状況を作り上げることになるが・・・?」


確かに・・・。でも《リバースブレク》は手札を捨てた次の相手のターンのエンドフェイズに、このカード以外の捨てたカード分デッキからカードをドローする効果がある。それまでなんとか凌げれば・・・というわけにもいかなそうだし、俺が絶対に認めない・・・!!


「俺はこれでターンエンド、ま、せいぜい手札1枚で頑張れよ」

「手札1枚・・・・か、あいにくだけどそれはないぜ」

「なにっ!?」


「俺のターン!俺は、俺の魂でオーバークロス!」


「1ターン目から!?」

「ば、バカなことするぜ・・・」


「雷光の空に輝く魂、ライトニングスカイ・アーマード!」

「これが・・・噂に聞くアーマードってやつか・・・!」


1ターン目からって驚かれるのも分ってた、だけどそれくらい今回の俺は全力ってことなんだ。全力でやらなきゃアイツには勝てない、だから俺もこうやってやってやるんだ・・・!


「行くぞ、ドロー!・・・俺は魔法カード《雷光の宝札》を発動!このカードは、俺が前のターンに墓地に送ったカード分、デッキからカードをドローし、その分墓地のカードを除外する!俺は墓地のカードを全て除外し、デッキからカードを5枚ドロー!」


「いきなり5枚のカードをドローだと!?」


これで《リバースブレク》の効果は発動しないけど、手札的不利は問題ない。あとはアイツのオーバーレイユニットを墓地に送るだけだ。


「俺は《Ss-竜巻のトルナー》を召喚!トルナーは、相手のフィールドに存在するモンスターエクシーズのランクより低いレベルのモンスター1体を手札から特殊召喚できる!現れろ《Ss-ワンダー・ガール》!そして、ワンダー・ガールが居る時、《Ss-ワンダー・ナイト》は特殊召喚できる!」


「これでレベル4のモンスターが3体そろったわ!」

「来るか・・・!」


「俺はレベル4のトルナー、ワンダー・ガール、ワンダー・ナイトの3体でオーバーレイ!3体の風属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《Ss-鋼の風戦士 疾風のエフェクトライダー》!!」

《攻撃力:2800/ランク:4/ORU:3》


エフェクトライダーの効果でアイツの効果を無効にすれば、・・・だけど、それだけじゃ終わらない・・・!


「エフェクトライダーはオーバーレイユニットを3つ使う事で、2回攻撃と貫通効果を持つ・・・更にオーバーレイユニットがない状態で破壊されれば攻撃力分のダメージが襲ってくる・・・風雅遊矢、おもしれえな・・・!」


「分ってんなら説明はいらないよな、オーバーレイユニットを3つ使い、効果発動!2回の攻撃を可能にし、貫通能力を身につける!オーバーレイブレード!」

「く・・・!」

《ORU:0》


「いけっ!ガイアスパイラル・・・そしてリクに攻撃!ダブルイリュージョンシュート!!」


「っうわぁああぁああ!!」

《リクのライフ:1000》


これで、アイツの残りライフは1000。次のターン、エフェクトライダーが破壊されればその分のダメージ。勝負はついた・・・・!!


「すっごいわ遊矢!」

「なるほど、相手に自爆をさせるか、それとも自分で手を下すか。というわけだな、さすがは遊矢、えげつない」

「遊矢ってそんなにしないわよ?」

「たまにあるんだよ、俺も自爆で倒されたし・・・」


「おいリク!勝負は着いた!大人しく2人を――「アッハハハハハ!!」


わ・・・笑ってんのかアイツ・・・この状況で・・・?


「なにがおかしいんだよ!!」

「まっ・・・さか、忘れたわけじゃないよな。俺のエースは、コイツじゃないんだぜ?ぬか喜びもいい加減にしとけよ」


エースモンスター・・・・あのモンスターはまだまだなんにも分ってない、なら出させなければ・・・!!


「俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」


「俺のターン、ドロー!俺は《竜王グラファ》を特殊召喚!グラファは、相手のフィールドにモンスターエクシーズが居る時のみ、特殊召喚でき、更に手札のグラファを呼び出すことができる!」

《攻撃力:2000/レベル:8》


これでレベル8のモンスターが2体・・・・!だけど俺には罠カード《サイクロントラップ》がある、これはエクシーズ召喚を無効にして除外するカード。これなら・・・!


「グラファはグラファ同士でエクシーズ素材になる時、相手の罠カードを無効にすることができる!」

「なにっ!?」

「俺はレベル8のグラファ2体でオーバーレイ!2体の闇属性モンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!混沌を切り裂き、時空の狭間より闇を拡げよ!《闇竜騎士ディヴァインダークネス》!」

《攻撃力:3500/ランク:8/ORU:2》


発動ができないんじゃ、俺も手の出しようがない・・・!


「行くぞ、ディヴァインフォーゼ!!」


「また消えた!!」

「どういうことだ!」


アイツはモンスターと一体化できるんだったっけ・・・?


『さぁ行くぞ、風雅遊矢!俺は速攻魔法《オーバーレイチャージ》を発動!このカードは相手のモンスターエクシーズのオーバーレイユニットを召喚時のオーバーレイユニット分復活させる!』

「これでオーバーレイユニットが4つに・・・!」

《ORU:4》


『更に効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールドのモンスターエクシーズの効果を無効にし、オーバーレイユニットを全て墓地に送る。送ったオーバーレイユニット1つにつき800ポイント攻撃力を下げる!』

《ORU:1》《ORU:0/攻撃力:400》


『やれっ!ディヴァインダークネスでエフェクトライダーを攻撃!アローズスローアーベスト!!』


「うわぁあああああ!!」

《遊矢のライフ:900》


「遊矢!」

「これでライフが同じくらい、マズいぞ・・・!」


「っ・・・・・・ダメだ、もう体力が・・・」


『アーマードになれないお前に、負ける道理はないな』


「くっ・・・!」


確かに、アーマードにはZEXALと同じ力がある。逆転の一手を引くのが難しくなったのは間違いない。でも、諦めたらダメなんだ、勝たなきゃ・・・!勝たないとアイツらが・・・!


「風雅遊矢、中々楽しませてくれますわ。でも、私的にはあちらの方が良いのですよね・・・。せいぜい、狗相手に構ってあげてください。私はその後にでも、そこにいる人を振り向かせましょうか」



52話へ続く



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【あとがき】


やっと・・・描けた・・・。なんというか、遊矢が吹っ切れた。あとキレた。

万能リアルファイト超人外ことリンさんは強いかもしれない、あ、メンタルは弱いよ。強いかもしれないけど場合によってはね。LSキャラはヘタレ少ないけど苦労人が多い。

ヒカルくんがガチでターゲットになってて怖いwwwなにするんですかトルテさん俺にも写真くださ((黙れ


今回は慶太くんも敏也くんも出てきてないですが、久しぶりに次回はペンダントの謎パワーが発揮されます。最近なかったからね。

そして53話は遂にあの巫女(狐じゃない方)が登場!!更に三勇士のデュエルや盛りだくさんのラストなどなどまだまだ2期は続きます!!3クール目もよろしくお願いいたします!

次回は、遊矢が遂にブチギレします!!遊矢は滅多にブチギレしないけどキレた時は怖いよ。まぁバーサーカーソウルだと思ってくださいな。


【予告】

お互いに全力を出し合い死力を尽くすデュエルが続く。

アーマードモードになれない遊矢はリクのディヴァインダークネスに追い詰められる。更にリクに2人を人質に取られ遂にはなにもできない状況にまで追い込まれてしまう。

しかし、仲間を傷つけるリクの行動に遊矢の怒りの力が遂に覚醒する!

次回!53話「怒りの覚醒!!新たなるSs!」


【おまけ】


今回の最強カードは《Ss-鋼の風戦士 疾風のエフェクトライダー》!

オーバーレイユニットの数で効果が発動できる疾風の騎乗騎士だ!遊矢のエースモンスターエクシーズの1体でもあるぞ!

次回はそんなSsシリーズに新たなモンスターエクシーズが登場するぞ!