ジェレスタ43「英 霊 逆 説 臨 祈 発 動 !」



「まさか、アンタに邪魔されるなんて思ってなかったよ」


「悪いことは言わない、帰りなさい。ここは危険よ」


「危険を恐れて、俺たちが帰れると思ったんですか?残念だけど、俺はこの場を突破してでも謎を解かせてもらいますよ」


いきなり契約破棄されたんだ、英霊召喚には持って来いの場だと思ったんだけど・・・。

とにかく味方でもあり敵でもある・・・というところか、まぁいいや、探していたところだ。少しだけ相手になってみようかな?どうせこの先に以上進む事はできない。契約破棄されたとはいえ、再構築すれば良い話。


暗黒物質、物騒だけど気になるじゃないか。


「それじゃあ、デュエルで勝ったら通してくれるという事・・・」

「そうなるわね」

「じゃあ、派手にやらせてもらいましょうか!」

「お手柔らかに!」


「デュエルモード・チェンジ!」


相手はミハエル兄様以上の実力を持つ兵。油断はできない、いや元々油断もなにもないのだけどね。

とにかく相手が危険な相手なのは分かる、闇眼とぶつけて良いものなのか・・・。


《ARヴィジョン、リンク完了》


「「デュエル!!」」



~~~



「なんだよー、結局夜になっちまったぜ・・・」

「しょうがないじゃない、そういうこともあるわよ」


確かにそうだけど、急に用事だとか、守るべき時代はここだって急に言われても・・・。もう遊星さんや遊戯さんのところ行けないのかな・・・。


「あ!ヒカルー!」

「?」

「十代さんと会ったんだろ!その時の話聞かせてくれよ!」

「断る」

「ええー・・・」


相変わらずなんかいけすかないというかなんつーか、元々あぁいう性格だったのかな?アイツって。



~~~




「俺の先攻、ドロー!俺はフィールド魔法《悠久の黄金劇場》を発動!」


舞台は元々このステージ、黄金の宮殿へと変化し、そこが舞台となる。

ここはかつて、オリンピアの支配者が使ったとされる呪いの宮殿、ここなら・・・。


「俺は更に《アルテマ・スナイパー》を召喚!この瞬間、黄金劇場の効果発動!自分フィールドに召喚されたアルテマモンスターは墓地に送られ、デッキからセイバーと名のつくモンスター1体の召喚条件を無視して特殊召喚する」


と、言ってもあの人は召喚できないし、まぁ気長に待ちますか。


「俺はスナイパーを墓地に送って《アルテマ・セイバー・ガウェイン》を特殊召喚!」

《攻撃力:2800/レベル:8》


「この効果で召喚したモンスターは次のターンエンドまで表示形式が変更できず、魔法・罠の対象にはならない!」

「随分強力な壁ね・・・」


壁狙いなんかじゃない、まずガウェインで攻めつつ本当にほしいカードを待ち続ければ良い。闇眼も手札にあり、スナイパーの効果でアーチャーを墓地に送って《死者蘇生》すればランク4エクシーズから闇眼が召喚できた。

それでは不十分な部分がある、第一あの龍とぶつかり合った時になにがあるか分からない。


「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」


「私のターン、ドロー!私は《暗黒物質の剣士(ダークマターナイト)》を召喚!更に《暗黒物質の改造(ダークマターフルチェンジ)》を発動!相手フィールドに自分の暗黒物質モンスターよりも攻撃力が高いモンスターが居る時、そのモンスターの攻撃力の半分を自分フィールドの1番攻撃力が高い暗黒物質モンスターに加える!」

《攻撃力:1800→3200/レベル:4》


いきなり攻撃力3200ってまたまた無茶苦茶なカード出してきますな・・・この人・・・。


「いけっ!ナイトでガウェインを攻撃!ダークマターブレイク!」

「罠発動!《ダークネススピーダー》!このカードは、自分フィールドのレベル8以上のモンスターの戦闘破壊を無効にし、次のターン、俺はドローを無くす代わりに魔法カード1枚を手札に加える!」

《凛のライフ:3600》


「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」


やっぱりあの人強すぎ、普通に考えたらあんなの出してこないわ・・・だがしかし、眼竜使いは、俺とカイトっていう道理が決まってるってことなんだ!!


「俺のターン!この瞬間、《ダークネススピーダー》の効果により、俺はドローフェイズをスキップし、《英霊逆説臨祈》を手札に加える!そして、メインフェイズに発動!このカードは自分フィールドのセイバーをリリースし、手札及びデッキから《アルテマ・セイバー・オリンピア》を特殊召喚する!」


この召喚術で召喚したかった唯一の女王にして最強の剣士。舞姫の力、見せてやる。


「現れろ!《アルテマ・セイバー・オリンピア》!」

《攻撃力:3800/レベル:9》


「ただし、この召喚方法で召喚した場合、エンドフェイズに破壊される」

「ただ召喚しただけならただのアド損じゃないかな?」

「それはどうかな?ガウェインを素材として召喚されたオリンピアはレベルからランクに変化する!」

《ランク:9》


そう、俺の狙いは召喚するだけじゃない。ここからあの竜を呼び出すこと!


「嘘でしょ!?」

「俺はこのまま、オリンピアをリリース!眩く輝きし銀河よ、今、希望の闇を広げ、我が僕に宿れ!闇の化身、ここに光臨!現れろ!《闇眼の光輝竜》!!」

《攻撃力:4000/レベル:8》


ぶつかり合いは怖いけど、ミナトさんを倒すには闇眼の力が最重要となる。そのためにも、闇眼を召喚する事が第二目標。とやかく暗黒物質竜を気にしていたら、間違いなく負ける・・・!

それだけは避けなければいけない、遊矢たちのためにも。


「いけっ!《闇眼の光輝竜》でナイトを攻撃!終焉のダークストリーム!!」

「くっ!1ターンに1度、ナイトは戦闘で破壊されない!」

《ミナトのライフ:3200》


「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」


俺の手札には《死者蘇生》と《シフトアップ》。これで超闇眼を・・・。


「私のターンドロー!私は、攻撃力3200のナイトをリリース」


「来るのか・・・」


「攻撃力2500以上のモンスターをリリースすることで、このモンスターは特殊召喚できる!宇宙の全てを統べる暗黒の力よ、今その形を成し、降臨するが良い!深淵の覇者、《闇穴眼の暗黒物質竜》!」

《攻撃力:3000/レベル:8》


激しく木霊し、放たれる波動。嫌な予感しかしない。


「くそっ!」

「逸っている・・・・闇眼が、闇穴眼と共鳴・・・」


いや、共鳴なんかじゃない。反発、タキオンドラゴンの時と確実に違う、これは互いに反発しあう力・・・最悪だ・・・!


「私はカードを3枚伏せて、ターンエンド」


攻撃なんてされたら確実にもっとヤバイことになってた・・・良かった・・・。


「俺のターン、ドロー!俺は《死者蘇生》を発動!蘇れ《アルテマ・セイバー・ガウェイン》!」

《攻撃力:2800/レベル:8》


「更に俺は《アルテマ・アーチャー》を召喚!そして《シフトアップ》を発動!これにより、全部のレベルが8に統一された!」


これで俺のフィールドにレベル8のモンスターは3体になった。


「俺はレベル8の闇眼、ガウェイン、アーチャーの3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!光り輝く銀河よ!逆巻きしその身を力へ変えて、希望へと貫くがいい!!光臨せよ、我が魂!」


黄緑色の炎のようなオーラに包み込まれ、目の色が蒼く変化する。


「《超闇眼の光輝龍》!!」

《攻撃力:5000/ランク:8/ORU:3》


「ネオ・・・ダークアイズ・・・」

「召喚時、効果発動!エクシーズ召喚に成功した事で、フィールドのこのカード以外のすべてのカード効果を無効にする!ダークネスハウリング!!」


これで暗黒物質竜は効果を発動する事はできない、俺の勝ちだ!


「やれ!超闇眼で闇穴眼に攻撃!!あるティメット・ダークネスストリーム!!」


「くっ!!」

《ミナトのライフ:1700》


「俺はこれで、ターンエンド!」


「私のターン、ドロー!私も《死者蘇生》を発動!蘇れ《闇穴眼の暗黒物質竜》!!」

《攻撃力:3000/レベル:8》


「更に私は、装備魔法《暗黒物質》を発動!このカードを装備した闇穴眼は相手モンスターとの戦闘時、フィールドから離れた場合、このカードを墓地に送る事で2度目の攻撃が可能になる!いけっ!闇穴眼で攻撃!」

「来るのか・・・!!」

「この瞬間、効果発動!ゲームから除外する、このとき、装備魔法の効果により、フィールドに舞い戻った闇穴眼は攻撃力が上がった状態で再び攻撃できる!」

《攻撃力:4600》


「それでも攻撃力は足りないぜ!」

「どうかしら、私は手札の《暗黒物質の夜光竜》を手札から墓地に送って効果発動!2度目の攻撃を同じモンスターが行う時、攻撃力が1000ポイントアップし、更に、相手モンスターを破壊した時、そのプレイヤーにそのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

《攻撃力:5600》


これで俺は5000のダメージを受ける、このままだと・・・。


「いけっ!消滅の暗黒物質弾!!」

「っ!!」

《凛のライフ:3000》


「さぁ受けなさい!5000ポイントのダメージを!」


―――ドォオオオオオン!!


「・・・・」

《凛のライフ:500》


「どうして!?」

「罠カード《ダークアイズ・メテオリール》。このカードは、自分のフィールドの闇眼と名のつくモンスターが戦闘によって破壊されたターンの効果ダメージを半分にする!これで俺に与えられるダメージは2500になった!」

「っ・・・・」

「なす術なしって感じですね」

「私はこれでターンエンド」


「俺のターン!俺は《聖杯蘇生》を発動!手札のアルテマモンスターを1体除外し、蘇れ!《闇眼の光輝竜》!」

《攻撃力:4000/レベル:8》


「この効果で召喚されたモンスターは、手札をすべて墓地に送る事で、除外したアルテマモンスターの攻撃力分攻撃力がアップし、相手との戦闘時、効果の発動を無効にする!除外したのは《アルテマ・ランサー》、攻撃力は1500ポイントアップする」

《攻撃力:5500》《攻撃力:3000》

「なんですって!?」

「いけっ!闇眼で闇穴眼を攻撃!終焉のダークストリーム!」


「きゃあああああああ!!」

《ミナトのライフ:0》


《WIN:リン》


「はぁ・・・、アーチャー、」

「で、どうすればいい?」


確かにこの先の事・・・全然考えてなかった、つーか覚えてねえ・・・!!


「とりあえず、家に連れて帰るぞ」

「なるほど。だが君は・・・」

「セイバー、」

「分かってますよ、リン」


とにかく今はこの場を後にするしかない、せめて塵に戻すくらいはしたかったけどできそうにないし、まぁいいか。

・・・・・今人影が見えたような・・・気のせいか。


「それじゃ行くぞ、アーチャー」

「了解だ」



~~~




「ったくよー・・・俺だって十代さんとデュエルしたかったのにー・・・」

「良いでしょー!」

「良いでしょじゃねえよ、良いなぁ―――?」


今、人影が。フード被った女の人がいなかったか?


「どうしたの?」

「いや、なんでもねえや」


またドリーミスト・・・なんてこともありえるってことか・・・不気味だな。

とにかく、今のうちになにか手は打たないとな!




44話へ続く


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【あとがき】


壮絶なタイトル詐欺。タイトル詐欺は基本。

というわけでLS小説は今年最後の更新になります。そして来年1月1日00時00分00秒に更新されるのは、この小説の44話!!


いよいよ2期も佳境に突入!

そろそろ謎の正体も明らかになっていきます、是非、楽しみにしていてください!


次回は遂に幽霊登場!?デュエルする学園の幽霊とはいかなる物なのか・・・。


【予告】

しばしの平穏をすごす遊矢たちにとある噂が飛び込んでくる。

「デュエルをする幽霊が学園に現れた」と聞いてドリーミストじゃないかと考えた遊矢たちは深夜の学園に忍び込む事を敢行する。

しかし、現れた幽霊はどこか見た事のあるような姿をしているらしく・・・?

次回!44話「デュエルする幽霊!?」



【おまけ】


今日の最強カードは《闇穴眼の暗黒物質竜》!

ミナトさんが使う最強のドラゴン!その効果はまさにブラックホールのような強大な力を持っているぞ!