ジェレスタ41「遊 矢 は 私 が 守 る ! 舞 い 上 が る 蝶 竜 !」
「遅い・・・・」
「なにがだよ、翔」
「凛と呼べ」
「いきなりすぎんだろ・・・」
し・・・凛の機嫌が悪い。
理由は分からないけど遊矢たちが帰ってこないから?確かに今回は結構遅いけど、保護者同伴だし、幼馴染も居るし、なんだかんだで心強いはずなんだけどな・・・。
でも心配になってくるような気も・・・。
「遊矢じゃなくて、ミナトさんの方ね」
「・・・え?」
「カイトから、ミナトさんがずっと帰ってきてないって」
「仕事じゃないのかよ、ミナトさんの職業って?」
「カイトのマネージャーだよ・・・」
「マジ!?」
それが本当なら帰ってきてないって・・・ヤバいんじゃ・・・。
「俺、出かけてくる」
「ちょ凛も!?マジかよ!」
「元々俺はアークライトの人間だ、居候とは言えツッコミどころが多いぞ、遊馬」
「う・・・」
そのままアーチャーと一緒に飛んで行っちまった。本当になに考えてんだろうなぁ・・・わけわかんね・・・。
ミナトさんがいなくなったのなら、間違いなくまずカイトかハルトが動くはず、凛が動いたのはどういうことなんだ?つーかミナトさんになにしに行かせたんだよ・・・。
~~~
「私のターン、ドロー!私は《閃光獣 ーセクア》を召喚!パーセクアは、1ターンに1度、このターンの魔法カード発動件を無効にすることで、墓地から閃光獣1体を特殊召喚する!蘇れ!マキリア!」
《攻撃力:1500/レベル:4》
パーセクアの効果で手札の《死者蘇生》は使えない、だからランク4で素材を3体使う《ヴェルズ・ウロボロス》は召喚できない。ウロボロスならバウンス効果で巨竜をエクストラデッキに戻せるのだけど・・・。
だけど、アキさんから貰ったこのカードなら・・・でもレベルが揃わない・・・。
「私はパーセクアとマキリアでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れよ《輝光子パラディオス》!」
《攻撃力:2000/ランク:4/ORU:2》
「パラディオスだって!?」
カイトさんから遊矢に付いていくならって1枚貰っちゃった!とにかく、このカードで突破してみせる!
「パラディオスの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使う事で相手フィールドのカード全ての効果を無効にし、モンスター1体の攻撃力を0にする!これで伏せカードも使えない!」
《ORU:1》
「くっ!」
「いけっ!パラディオスで巨竜に攻撃!フォトン・ディヴァイディング!」
「うわっ!」
《ネロのライフ:2000》
「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!エンドフェイズに《サイクロン》を発動!貴方の1枚だけのカードを破壊する!」
これでやっとライフを削れた、パラディオス自身が破壊されればこちらは1枚ドローできる。相手に大きな差がつけられるはず。
「僕のターンドロー!《死者蘇生》発動!蘇れ、《千石の闘士》!更に、《千石の舞姫》を召喚!舞姫は魔法カードの発動したターンに1度、レベルを2倍にできる!レベル8となった闘士と舞姫でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ!《千石の神龍バリキリア》!」
《攻撃力:3000/ランク:8/ORU:2》
また厄介なモンスターが・・・。ランク8のモンスター・・・。
「バリキリアでパラディオスを攻撃!バルキリオンスマッシャー!」
「きゃっ!」
《アミのライフ:3000》
「パラディオスの効果でカードを1枚ドロー!」
「更に、神龍の効果発動!戦闘でモンスターエクシーズを破壊した時、相手に破壊したモンスターエクシーズの攻撃力分のダメージを与える!ダメージは2000!バルキリオンストリーム!」
《アミのライフ:1000》
「僕はこれで、ターンエンド」
いてて・・・。これでライフは1000、少しマズいかも・・・。
「アミー!!」
「遊矢・・・」
「アイツ・・・・この間のって無茶すんなアミ!今すぐ俺とデュエル代われ!俺がデュエル引き継ぐから!」
「絶対ムリ!!」
「ええ!?」
「だって、今遊矢が代わって、また負けちゃったらどうするの!私の問題は私が解決する!遊矢のために、私は今アイツとデュエルしてるの!」
「・・・・アミ・・・」
「遊矢、」
「遊星さん?」
「見守ってあげるんだ、彼女の思いは無駄にしてはいけない」
「・・・・・分かりました、その代わりぜってーに負けんじゃねえぞー!」
「当たり前でしょー!」
やる気出てきた!負けるなんて考えたら確実に隙を突かれる、隙なんて見せない。絶対に!
負けたりなんてしないんだから!
遊矢のためにも、このデュエル負けるわけには・・・・・・。
「エクストラデッキが・・・・光ってる・・・・?」
なんか細工したわけじゃないんだけどなぁ・・・どういうことなの?
エクストラデッキから光ってるのは・・・白いカード、入れた覚えがない、まさか!
・・・やるしかなさそうね、召喚条件は揃っている!
「私のターンドロー!私は魔法カード《死者蘇生》を発動!蘇れ、マキリア!更に私は《閃光獣 シルフィ》を召喚!」
《攻撃力:1200/レベル:4》
「レベル4が2体・・・一体なにを・・・」
「私の目的は違うわ、私は、速攻魔法《ローゼチューニング》を発動!このカードは、発動時に同じレベルのモンスターが2体居る時、1体をチューナーモンスターとして扱う事ができる、私はシルフィをチューナーモンスターにするわ!」
「あれは私がプレゼントしたカード!」
「アキ、いつの間に・・・」
さぁ、力を貸して、蝶竜!!
「私はレベル4のマキリアにレベル4のシルフィをチューニング!煌く星の輝きが、ここに新たな蝶の力を舞い上がらせる!シンクロ召喚!解き放て《煌蝶竜 ラピスラズリ・バタフライドラゴン》!」
《攻撃力:2800/レベル:8》
「し・・・シンクロ召喚だって!?」
煌蝶竜(すめらぎちょうりゅう)は私自身しか持たないシンクロモンスター、アイツが分かるわけない。シンクロ召喚することだって読んでこれるわけがないのよ。
アキさん、ありがとうございます、これで心置きなく戦える!
「いけっ!ラピスラズリ・バタフライドラゴンの効果発動!このモンスターは、墓地のモンスターエクシーズ1体を除外し、その効果を得る!パラディオスを除外!そして、パラディオスの効果により、アンタのフィールドのカード効果を全て無効にし、神龍の攻撃力を0にする!エフェクトダンシング!」
《攻撃力:0》
「しまった!」
「これであんたを守る壁はない!ラピスラズリ・バタフライドラゴンでバリキリアに攻撃!ムーンライトストリーム!!」
―――ドォオオオオオン
「決まった!!」
「完璧ね!」
勝った!これで勝った!
「勝ったと思ってる?」
《ネロのライフ:2000》
「うっ・・・そ!?」
「僕は手札から、《ライジングヴェーラー》の効果を発動していたのさ、その効果により、バトルフェイズに入る前、自分フィールドのモンスターエクシーズを除外してこのモンスターを守備表示で特殊召喚し、攻撃対象に変更する」
「マジかよ・・・」
「えげつねえやり方しやがって!!きったねえぞ!!」
「これはデュエルさ、なにか問題でも?手札効果なら防げない。さぁエンド宣言は?」
「私はこれで、ターンエンド」
まさか相手がそんなカードを持っていたなんて想像外すぎる。
「僕のターンドロー!僕は《千石の呪い》を発動!このカードは相手フィールドのシンクロモンスターをコピーして、レベルが同じモンスターとして特殊召喚される!」
《攻撃力:0/レベル:8》
「更に呪いを墓地に送って、僕は除外されているバリキリアを蘇らせる!現れろバリキリア!」
《攻撃力:3000/ランク:8/ORU:0》
バリキリアはモンスターエクシーズ、オーバーレイユニットがなかったらダメージは200、それにまだオーバーレイユニットがあっても《エフェクト・ヴェーラー》がいる。大丈夫、まだ大丈夫のはず。
「僕は更に、バリキリアを素材としてこのモンスターをマイナスオーバーレイ!」
「マイナスオーバーレイ!?」
「君ははじめて見るかな?」
「マイナスランクのモンスターエクシーズへの、カオスエクシーズチェンジ・・・!」
マイナスランク・・・遊矢はそんなのと戦っていたんだ・・・!
「現れろ!《千石の邪神龍ヴァルハルア》!」
《攻撃力:3500/ランク:8/ORU:1》
「ヴァルハルアは手札から発動する効果を受けない!《エフェクト・ヴェーラー》なんて無駄だよ?」
「読んでたのね・・・」
「さぁ行くよ!ヴァルハルアでラピスラズリ・バタフライドラゴンに攻撃!フローズンブラスターストリーム!!」
「うわっ!」
《アミのライフ:300》
「ヴァルハルアのモンスター効果発動!このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、オーバーレイユニットを1つ使う事で、相手にもう1度攻撃する事ができる!」
「うそっ!?」
残りライフ300、確実にオーバーキルする気満々じゃない!
「くっそ!!」
「いけっ!ヴァルハルアでダイレクトアタック!フローズンブラスターストリーム!!」
「もうダメ・・・!・・・!そうか、まだある!」
「え!?」
「私は手札の《閃光獣 プレアデス》の効果発動!このモンスターとデッキからカードを10枚墓地に送る事で、ライフポイントを私の墓地に居るレベル8以上のモンスターとプレアデスの攻撃力分回復する!ラピスラズリ・バタフライドラゴンとプレアデスの攻撃力合計は3900、よって私はライフを3900回復する!」
《アミのライフ:4200→700》
「あの攻撃を・・・受けきった・・・!?」
「アミ!」
「遊矢のために頑張ったけどここまでみたい、」
「俺が代わりにデュエルする、だからもう良いって!お前の気持ち、受け取ったからさ!」
「気をつけてね、遊矢」
「あぁ、分かってる」
残りライフは700、もう後も何もない。次の遊矢のターンから全てを決めないと。
「異論はないだろ、ネロ!!」
「もちろんさ、僕は元々君とデュエルするために来たんだからね!」
「分かってるさ」
「頑張ってね」
「おう、ありがとな、アミ」
「・・・・」
「アミちゃん、頑張ったわ、とっても」
「・・・ありがとうございます、アキさん・・・・!」
「「デュエル!!」」
42話へ続く
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【あとがき】
面倒なので次回でこのデュエルは終わりです、ナガカッタナー。
次回は完全にネロが噛ませと化している回、そりゃ当然ですけどね、次回は覚醒回なので。
更新が亀になっているのはその大量更新の反動だと何度言えば((もういいっつの
にしても遊矢と結ばれるのはアミちゃんなのか雪那ちゃんなのか皆目見当付かない内容だぜ、でも女の子に結構気を使っている遊矢は紳士だと思うよ?自覚はないだろうけど(笑)
とりあえず完全に空気と化したコンポタ、出番漫画とか絵でみたらあるけどしゃべらないと言うね、挙句托都は登場すらしていない。
久々の遊馬が懐かしいという微妙になぁにこれぇな状態に陥りつつも今回は久々に現実カットを入れてみました、少年達よ、あれが現実だ。
次回のタイトルとカード名が変わりました、まぁそこまでではないので。
【予告】
アミの思いを受け継いだ遊矢が今度こそとネロにデュエルを挑んだ!
ヴァルハルアと風メタカードでジワジワとせめられるがそんな遊矢にも秘策のカードが!
そして思いを受けた遊矢と遊星の力が互いに共鳴して奇跡を起す!
次回!「飛翔する宇宙 銀河眼の星屑竜(ギャラクシーアイズスターダストドラゴン)」
【おまけ】
本日の最強カードは《煌蝶竜 ラピスラズリ・バタフライドラゴン》!
自分の墓地のモンスターエクシーズの効果を吸収して何度でも発動できる!まさに自由に煌く蝶のような竜!
名前の由来はるりたてはから。