ジェレスタ39「新 た な 闇 の 猛 攻 ! 托 都 V S ネ ロ」



================



「僕のターン!ドロー!例え闇属性だろうと、エクシーズを封印されたらなにもできないだろう?」

「・・・・・・・・」

「僕は永続罠《猛毒の牢獄-ヴェノムサンクチュアリ》を発動!」


「またあのカード!!」

「マズいな・・・」


「これでお前の堕天使も・・・」

《攻撃力:2500》

「!?何故!何故攻撃力が変化しないんだ!」


「罠カード《堕天使の降臨》を発動した。その効果により、俺はスフィアディオルを墓地に送り、《機械堕天使 マキリ・クラード》を特殊召喚!」

《攻撃力:3000/レベル:8》


なるほど、ヴェノムサンクチュアリが無効にするのはエクシーズ素材になる事だけ!リリース素材にできないという効果はない!

しかも、攻撃力はスフィアディオルよりも上・・・これを狙ってたんだ、あいつ!


「フザけたことを!僕は《劣情の近兵》を召喚!このモンスターは同じレベルのモンスターがフィールドにいればレベルを全て1つあげることができる!レベル3となった《飢饉の美少女》と《劣情の近兵》をオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《惨劇の死刑鳥》!」

《攻撃力:2000/ランク:3/ORU:2》


「・・・・エクシーズもまともには使うのか」


でも、アイツの使うカードはバーンばっかり。ライフは残り少ないし、慎重になるしかない。


「いけっ!死刑鳥の効果発動!このモンスターは闇属性のモンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!」


「ライフは残り1900だぞ!?」

「伏せカードは2枚、どうするつもりだ・・・」


1枚は《ガスタームストーム》。風属性モンスターに対する効果を無効にするカード・・・だけど、もう1枚は・・・。


「罠発動!《渓谷の信仰》。このカードは、自分フィールドのモンスターを破壊する効果を無効にし、相手プレイヤーにその破壊されるモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える!」

「っ!!」

《ネロのライフ:2400》


初めてネロのライフを減らした!うまいぜ托都!


「確か、死刑鳥のオーバーレイユニットを使ったターン、死刑鳥は攻撃できないんだったな」

「く・・・!僕はカードを2枚伏せてターンエンド!」


「俺のターンドロー!俺は《ネクロスフィア・アビストール》を召喚!更に手札を1枚捨てて《レベルクロス》発動!これによりアビストールのレベルは2倍だ!」

《攻撃力:2000/レベル:4→8》


「更に墓地のスフィアディオスを除外する事で、《ネクロスフィア・モルフェン》を特殊召喚!俺はレベル8のモルフェン、アビストール、マキリでオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《機械堕天使 ロイヤル・クロイツエンド》!!」

《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:3》


遂に出てきやがったぜ・・・今、托都が持ってる最強カード・・・。

だけど、あの死刑鳥は破壊された時に相手フィールドのモンスターエクシーズも除外する効果がある、それにクロイツエンドはランク8だから800ポイントのダメージも・・・マズい。


「やっぱり俺がデュエルを替わる!俺がやるしかないじゃん!」


「遊矢、少し黙れ!」


「え・・・・」


「はっきり言う、今のお前じゃコイツは倒せない。だったら俺が倒せばいい、それで文句はないだろ。大体、負けかけていたお前が、風属性を使っても確実に負けるのがオチだ」


・・・確かにそうだけどさ、それでも仲間に迷惑かけたくないし・・・それに托都は兄ちゃんなんだ!もしもアイツがいなくなったら、父さん達にどう説明すれば良いのか、わかんねえよ。


「デュエルを再開する!」

「ふ、少しは友情に華を――「俺はクロイツエンドで死刑鳥を攻撃!」なんだって!?」


「だがな、破壊はしない。除外させてもらう!クロイツエンドは戦闘時、オーバーレイユニットを1つ使う事でそのモンスターを除外して、戦闘ダメージを与える」

《ORU:2》

「ぐわあっ!!」

《ネロのライフ:400》


「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!エンドフェイズにクロイツエンドの攻撃力は200ポイントずつ下がる」

《攻撃力:3800》


これが今のアイツの戦い方。前とは少し違ってる。単にジェレスタエクシーズがいないからかもしれないけど、そうじゃない、明らかに変わってきてる。

にしてもクロイツエンドを単体で出さなかったのはそういう意味だったのか。


「よくも・・・・よくも僕のライフを・・・!」

「デュエルでライフが削られるのは、当然じゃないのか?」

「貴様・・・!」


煽りまで・・・。


「僕のターンドロー!」

「このスタンバイフェイズに永続罠《マクロコスモス》を発動!」


《マクロコスモス》は全てのカードを墓地じゃなくて除外する。まさか墓地に送られた時に発動する効果さえも、無効にしてしまうってことなのか!?


「僕は魔法カード《死者蘇生》で君の墓地からモルフェンを復活!更にチューナーモンスター《暁の旗揚げ師》を召喚!」

《攻撃力:0/レベル:2》


「レベル8のモルフェンにレベル2の旗揚げ師をチューニング!運命の力よ、今こそその刃を正義なる鉄槌として下すがいい!シンクロ召喚!現れよ《魔剣士クラウ・ソラス》!」

《攻撃力:3800/レベル:10》


「シンクロモンスターだと!?」

「アイツもシンクロモンスターを使うなんて!」

「・・・・・・」


「僕はクラウ・ソラスでクロイツエンドを攻撃!!」


そんな!クロイツエンドの攻撃力は3800、アイツと互角なのにどうして!?


「クラウ・ソラスは戦闘では破壊されず、戦闘した相手モンスターがフィールドを離れた時、その攻撃力分のダメージを与える!さぁ正義の刃を受けろ!」


「なにが正義だ、お前らみたいな奴らに正義を名乗られたら、遊矢の身が持たないな!クロイツエンドはオーバーレイユニットが有る場合、1ターンに1度戦闘で破壊されない!これでお前のモンスター効果も受けない!」


「フザけたことを・・・!」

「さてと・・・そろそろ、俺も本気を出すか」


え・・・?まだ、本気じゃなかったのか・・・!?あの状態で!?本気じゃないのか!?


「見せてやるよ、本当の闇ってもんをな!」


「なんだ、あの異様なオーラ・・・・!」


「俺のターン!俺はクロイツエンドをリリース!現れろ《闇の使いレーヴァ》!」

《攻撃力:0/レベル:9》


「レーヴァは1ターンに1度、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択し、そのレベルの1つ上のモンスターを特殊召喚する!俺はモルフェンを選択、それによりレベル9の《ネクロスフィア・ガイルストーム》を特殊召喚!レベル9のレーヴァとガイルストームでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ《闇の真皇帝カイゼルレーヴァ》!」

《攻撃力:5000/ランク:9/ORU:2》


あれが、新たな托都のエースモンスター・・・。凄いかっけええ・・・。


「カイゼルレーヴァは闇の皇帝、正義を示す闇の制裁がお前に下される!俺はカイゼルレーヴァの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を0にし、そのモンスターが闇属性の場合、2回の攻撃を可能にする!」

《ORU:1》《攻撃力:0》


「なんだって!?」


「聞こえなかったか?簡単に説明すれば、死刑ってわけ」


「そんな・・・!」


「いけっ!カイゼルレーヴァでクラウ・ソラスを攻撃!エンド・オブ・メテオ!!」


「うわぁああああああ!!」

《ネロのライフ:0》


《WIN:堰櫂托都》


これが本気の托都・・・あっさりと倒しちまった・・・。


「くっ・・・だが、今日負けたのは堰櫂托都。お前にだ。今度は風雅遊矢、君と決着をつけることにするよ」


「・・・・・・・」

「いつでもこい、遊矢の相手するんだったら今度は俺が相手になってやるぜ」

「そうよ!私達も忘れずに掛かってきなさいよ・・・」

「アミ、ヒカル・・・」

「そういう仲間がいてくれて良かったな、遊矢」

「・・・・・・・・」


「それじゃあ、次に会うときを楽しみにしているよ」


高笑いして消えやがって・・・。でも、このままで俺勝てるのかな。アイツに。いや、そうじゃない。根本的に、あのドリーミストの連中に。



~~~



「堰櫂托都・・・・・・あのイレギュラーが?」

「そのようですわ。ネロの報告によれば、闇使いだとか、直接に関わって来れないようにすればよろしいのですが・・・。思いのほか強力な力を内に秘めていると、聞きましてよ?・・・」

「・・・堰櫂・・・どこかで聞いたことあるわ」


私にはどうだっていい、だけど知りたいわね、遊矢という少年。もう少ししたら私自らで会いに行きましょうか?


「そうよ、堰櫂托都。17年前に、その名前を聞いたわ」

「私も知っていますわ。由緒正しき家柄と・・・、そしてそれと同時に不穏な事も」




~~~



「・・・・すいませんでした」

「気にしないで、《ブラックローズ・ドラゴン》も使ってもらえてきっと嬉しいわ」


気にする事じゃないか・・・本当にそうだと良いんだけど・・・。


「それよりも、遊矢、君はどうやって奴を倒すつもりなんだ?」

「・・・なんにも思いついてなくて・・・」

「そっかぁ・・・それじゃあ俺たちも力貸すからよ!うまくやってみればいいんだぜ?」

「このジャック・アトラスの手に掛かれば、そんな貧弱なデッキなどすぐによく生まれ変わる!」

「お前が作ったデッキは毎回残念だろうが・・・なぁにがパワーデッキだ」

「なんだとォォ!?」


この人たちも愉快だなぁ・・・・。愉快すぎて、色々と・・・。

それと反対に夜の噴水広場でヒカル1人が座っていた。なにしてんだアイツ・・・。


「ヒカル、どうした?」

「・・・俺はむしろ、お前にどうしたかを問いたいところだな」

「はぁ?俺は平気さ!別にあんな奴に負けかけたからって――」

「それが本心か?」


・・・・・・・・・・・・・。


「絶対に嘘だな、お前が嘘をつくときはすぐに分かる。その作り笑いがなってないぞ」

「・・・・ヒカル、読心術でも使えんのか?」

「顔で分かるって何度言えばいいんだよ・・・」

「不安だけどさ、今はこうやって笑ってないとダメじゃん。みんなの前で不安な顔して、世界救えるか不安にさせたらいけないじゃん?」

「呆れた話だ。そうやって世界の命運が自分の肩に掛かってると本気で思ってんなら話は別だけどな」


立ち上がってどっか走って行っちまった。あいつ、知らない町なのに器用だよな・・・。ってそんなことじゃないよ、そんなことじゃ。

本当にそうだぜ、元はといえば俺の事情なんだから、俺がなんとかしないと・・・。



「・・・・・・・・・・」



~~~



「・・・・・遊矢の奴・・・」

「初めまして、貴方が・・・朽祈ヒカルさん?」

「っ!?誰だ、お前・・・」



~~~



「ネロ、今度は托都とかいう奴に邪魔されないようにしておきなさい」

「はい。次の対策はもう練ってありますから」


「私は期待しませんことよ、今回はイレギュラーだったから仕方なかったものの、イレギュラーなしでの対決で負ければ、即座にそれこそ死刑ですわ」


「・・・・分かっています、マスカローズ卿・・・」



40話へ続く


=================


【あとがき】


というわけで39話でした。いや、もうトルテさんが分かりやすぎてwwwただし影でしか出てこないこの人はかなり参謀に見える。ただし雇われています。


托都の厨二センスが光った回になりましたねwww逆にこれからの展開を不安にさせる遊矢の言動もなんだかんだですが。なんか無自覚だったけど無印の初期太一(勇気の紋章覚醒前)とか21話の拓也を思い出させる言動の多さ。しかもアミに至ってはその場にいたのに喋らない始末。この配分どうにかせいwww

にしても、クラウ・ソラスと聞いて白騎士様が立ち上がる気がしましたw気のせいすぎますね、分かります。

遊矢の成長具合も気になる所だけど相変わらずヒカルさんは要注意人物、主要的な意味で。主人公は替わりませんよ、決して。さぁヒカルに出会ったのが誰なのかは今後のストーリーで・・・。


次回は遊矢のやる気を取り戻せ!というわけでチーム5D`sやアミちゃんたち総出で遊矢を元気にする回。そしてアミちゃんは初のドリーミストとのデュエルが終盤にあります。托都はほとんど出てきません、反動です。ヒカルは同年代という理由での巻き込まれ路線が激しい。

にしてもアキさんは遊矢に女装させるのをやめるんだ、いや、マジで違和感ないから。


【予告】

ネロとのデュエルですっかり元気を失った遊矢を励ますためにアキとアミたちによるお出かけが敢行される。最初は元気をなくして落ち込み続けていた遊矢も仲間たちの頑張りに気づき、その身に奇跡を起す!

そして、ドリーミストもついに大きな動きを始めていく。

第40話「恐怖の風封印 立ち上がれ遊矢!」



【おまけ】


アミ「アキさん!私もシンクロ召喚教えてください!」

アキ「良いわよ、それじゃあまずはチューナーを・・・」

アミ「チューナーがありません!」

アキ「じゃあ、あまってるのをあげるわね!やり方はわかる?」

アミ「えっと・・・レベルをそれ以上にするんでしたっけ?」


クロウ「道のりは長そうだな・・・」