ジェレスタ12 「冬 の 妖 精 生 誕 ! ア ミ V S 雪 那 」



=================



「いっけえ!エア・ストリームソードでダイレクトアタック!」

「うわぁあああああ!!」

「更にもう1人をエフェクトライダーで攻撃だ!」

「おわぁああああああ!!!」


《2人組のライフ:0》

《WIN:風雅遊矢》


「まだまだぁ!どんどんかかってこいよ!」

「今度は俺だ!」

「よっしゃあ!受けて立つぜ!」


明日は遂にワールドデュエルグランプリが開幕!もう胸が熱くなってドキドキが止まんないぜ!今日だけでデュエル15連勝!明日に向けてファイトだぜ!



~~~



「「「「「かんぱーい!!」」」」」

「もー、デュエルばっかりやって・・・疲れ果てて寝坊したらどうするつもりだったのかしら?」

「大丈夫だろっ?問題ないって!」


正直疲れてるけど明日の分はまだまだ全然残ってるぜ!!アミが言うようには絶対に、ならないっ!!


「ですけど!明日ですね、俺たち応援行きますから!」

「おうっ!みんなで応援しにこいよ!」


「まったく、本当にどこの誰に似たんだか・・・」


「小鳥姉さーん、だから俺は遊馬さんには似てないってば」

「本当にでも似てるわよね?」

「確かに、僕の目利きじゃ分からないけど・・・似てるかな?」


絶対に似てないと思うんだけど・・・だって顔とか似てないし、目の色も違うし髪型も全然違うのに?どこが似てるんだろう?やっぱりわけわかんねえぜ・・・。

性格も・・・そっか、性格って言われたらちょっと似てるのかも。かっとびとか。


――ピンポーン


ん?こんな時間に誰が来たんだ?


「俺が出るぜ!みんな待ってろよ!」


駆け足で父さん達かな?帰ってくるなら一声くらいかけてくれって話だぜ。大会あるし、その観戦に戻ってきてくれたのかな?


「父さん!帰ってくんならひとこえっ!?」


な・・・なんだーーーーーーーーー!!?



~~~



「遊矢、どうしたのかな?」

「ちょっと様子見に行こうぜ!」

「そうね!」



~~~



「うわぁっ!!?なんだよお前!」

「久しぶりっ!遊矢くん!」


「・・・・・・・・・・!?」

「どういうことなんだ・・・?」


なんか、いきなり女の子に抱きつかれたんだけど。なんなの?


「覚えてない?私、刹那川雪那」

「刹那川・・・・・・・・あぁあぁああああああ!!幼稚園の頃いじめられてた奴!」


「そういえば遊矢は小学2年生で転校してきたのよね」


そ、俺は7歳まで違う学校にいたんだけど、幼稚園小学校で同じ学校だったのがこいつ、刹那川雪那。確か俺と同じくらいの時に外国行ったんじゃなかったっけ?


「私、このたびハートランドシティに戻ってきたの。よろしくね、遊矢くん」

「あぁ!久しぶりだな!雪那も入れよ、寒いしさ!」


「むむむ・・・」

「まるでおしどり夫婦・・・」

「遊矢があんなに女の子へ優しい態度を取るなんて・・・」


とりあえず雪那との経緯だな・・・。

確か記憶では~・・・。男子にいじめられてた雪那を助けたんだけど、俺も同時にボコボコにされちゃったんだっけ?今となっては良い思い出だなぁ~。だけどそれ以来雪那はいじめられなくなったし、友達も増えたしなっ!

でもあんな弱虫だった雪那がこんな成長するなんてなぁ・・・それでも本質は全然変わってねえか、俺もだけど・・・。


「遊矢くんは、明日のデュエルグランプリに出るのよね?」

「ああ!楽しみにしてろよ!俺の勇姿、しっかり目に焼き付けてくれよな!」

「うん!楽しみにしてるわね!」


「・・・・むむう・・・」

「やっぱりあの2人、恋人同士なんじゃ・・・」

「やかましいわっ!!」

「いってええ!!」


雪那とは確かに仲良いけど最近はアミや慶太たちといるからすっかり忘れてたぜ、まさかこのタイミングで帰ってくるとは・・・。


「やっぱり日本が落ち着くなぁ~外国も良かったけどやっぱり日本だよ」

「そうだろっ!俺とか友達いっぱいいたほうが楽しいし!」

「向こうでも友達作ったんだよ?今度写真見せてあげるよ」

「マジで!?デュエル強いのかなぁ~?!」


「むむむむ・・・ぬわーーーーーーーーー!!!」

「「「「!!?」」」」


アミが大声で雄たけびを・・・。い、一体なにがおきたんだ・・・!?というかどういうことだ!?


「刹那川雪那!!」


「あ、はい」


「今すぐ私とデュエルしなさい!強制よ!」


なんか・・・アミが怖い・・・。


「分かりました、私、正々堂々このデュエル受けさせてもらいます!」

「って受けるのかよ!!!」


「良い度胸ね、そのキレイなお顔を今すぐ叩きのめしてやるんだから!」

「だからアミこええよ!!ちょっと落ち着けぇぇぇ!!」


雪那はともかくアミのテンションがおかしすぎるだろ?!俺、なにかアミに喧嘩売ったのか?雪那もだけど・・・。


とりあえず家の目の前に出る。ここでデュエルだ。


「行くわよ!」

「はいっ!」


「「Dシューター展開!デュエルディスクセット!Dゲイザーセット!」」


《ARヴィジョン、リンク完了》


「「デュエル!!」」


なんか・・・よくわかんねえ展開になってきやがったぜ・・・。


「私の先攻!ドロー!私は《閃光獣 ウィルスピア》を召喚!」

《攻撃力:1600/レベル:3》


「更にウィルスピアの効果発動よ!このモンスターが召喚に成功した時、デッキからウィルスピアを呼び出せるわ!」


「これでアミのフィールドにはレベル3のモンスターが2体だぜ!」


「私はレベル3のウィルスピア2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れよ!《閃光神獣 ミハエラファイム》!」

《攻撃力:2100》


いきなりモンスターエクシーズを呼び出すなんて・・・アミらしい戦術だぜ。


「私はこれでターンエンドよ」


確かにミハエラファイムには1ターンに1度、相手の攻撃を無効にする効果がある。これなら雪那の大概の攻撃は防げると思うけど・・・。


「私のターンドロー!私は《冬の妖精 アイリス》を特殊召喚!このモンスターは相手フィールドにモンスターエクシーズがいる時に特殊召喚できる!」

《攻撃力:0/レベル:9》


「レベル9のモンスターをコストなしで召喚だって!?インチキ効果じゃねえか!」


「更にフィールド魔法《冬の大雪原 スフィールの森》を発動!このカードは1ターンに1度、自分のフィールドの冬の妖精と同じレベルの冬の妖精を呼び出せる!私は《冬の妖精 ミラセ》を特殊召喚する!」

《攻撃力:100/レベル:9》


大雪原の森・・・さみい~~~~!!というかレベル9のモンスターが2体!?はええ!!


「私はレベル9のアイリスとミラセでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れて!《雪の精霊女王 フェイトリース》!」

《攻撃力:3200/ランク:9/ORU:2》


「ランク9のモンスターエクシーズを易々と・・・」


「私はフェイトリースの効果発動よ!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使う事で相手フィールドのモンスター1体を破壊して、相手にそのモンスターの攻撃力分ダメージを与えるわ!」


「うそっ!?」

《アミのライフ:1900》


「いっけえ!フェイトリースでダイレクトアタック!ブリザードファンタジア!」


「きゃああああああ!!」

《アミのライフ:0》


《WIN:刹那川雪那》


・・・って・・・後攻ワンターンキル!!?アイツ、いつそんな戦法身につけたんだ!?つーかなんであれが大会でてねえんだ!!?


「ゆ・・・雪那、それは・・・」

「凄いでしょ?!クリストファー・アークライトって人から教えてもらったの!」


く・・・クリスさーん・・・。俺の幼馴染がとんでもないデュエリストになっちまいましたよ・・・。


「あ、大丈夫かな?」

「・・・アンタ、いいの?私、ただ嫉妬してデュエルしただけなのに」

「そうなの?遊矢君が言ってました、デュエルをすればみんな仲間だって。じゃあ私達、もうお友達だよね!アミちゃん!」

「・・・よ、よろしく・・・雪那・・・」


「アミも素直じゃねえな~!全くー!」

「む・・・あんたのせいでしょうが!!」


「やっべえ雪那!家に逃げるぞー!!」


「まちなさーい!!」



~~~



ついに・・・遂にこの日が・・・・!!


「きっ・・・きたぁああああああああ!!!」


「落ち着け、遊矢」

「そうよ。大会はまだ始まっていないんだから、ちょっとね?」

「カイトさん!ミナトさん!推薦ありがとうございます、絶対優勝ですよ!」

「どうだろうな。カイトが2大会連続優勝、なんてことも十分ありえる」

「凌牙さーん・・・夢壊さないで下さいよー!」


そうだ。今日が遂にやってきた、ワールドデュエルグランプリ!数々の強豪デュエリストと雌雄を決する大会だ!

カイトさんやトーマスさん、ヒカルに托都!みんな強力デュエリストばっかりだけど優勝はもちろんっ俺だけだぜ!!


「遊矢!頑張ってね!」

「おうっ!任せろよ、アミ!絶対に優勝してくるからな!」

「応援してますね!遊矢さん!」

「あぁ、応援席で待ってるぜ!」

「ファイトだよ!遊矢くん!」


「行ってくるぜ!!みんな、応援よろしく~~!!」


始まる前からドキドキするぜ!やるしかない!いいや、やらなきゃいけないんだ!頑張るしかない!!


「行きましょう!カイトさん!」

「あぁ、開会式が始まるからな・・・」



~~~



≪みんなー!!デュエルしてるかー!!≫


――キャーーー!!ワーーー!!


≪ワールドデュエルグランプリ、総合司会者のセロンだ!よろしく頼むぞ!それじゃあ大会のルールを公開するぞ!≫


大会ルールは普通の公式大会と同じ!最後に生き残った2人が決勝戦に進める!これは俺がやるしかないよな!!でも1回戦の相手は一体誰なんだ?


≪それじゃあ1回戦の組み合わせを発表するぞ!1回戦第1試合は風雅遊矢と朽祈ヒカルの一戦だ!≫


「「!!」」


まさか、1回戦でヒカルと当たるなんて・・・。


≪そして第2試合は堰櫂托都とミハエル・アークライト、第3試合は天城カイトとゴーシュ、第4試合はトーマス・アークライトと十六夜カオリだ!≫


托都はミハエルさんと、カイトさんはかつての仲間と・・・トーマスさんは・・・十六夜カオリって・・・誰?

とにかく、今は目の前の敵に一点集中!!ヒカルと全力のデュエルをするしかねえじゃん!これは最初っから面白くなりそう!!


「行ってくるぜ!遊馬さん!」


こっからは遊馬さんたちに追いつくための戦い、まけられねえ!


≪それでは第1試合!風雅遊矢VS朽祈ヒカルのデュエルだーッ!!≫



「よっしゃあ!!ヒカル!お前の本気、見せてもらうぜ!」


「当然だ。この前のようにはいかない、決着をつけさせてもらおう!」


「あぁ!それでこそデュエリストだ!行くぜっ!Dシューター展開!デュエルディスクセット!」


「デュエルディスクセット!」


「Dゲイザー、セット!デュエルターゲットロックオン!」


《ARヴィジョン、リンク完了》


「「デュエル!!」」


「俺の先攻、ドロー!俺は《カオス・パージ ドラゴプス》を召喚!ドラゴプスは召喚に成功した時、手札からカオスパージ1体を特殊召喚できる!現れろ《カオス・パージ アイズトル》!」

《攻撃力:1200/レベル:4》《攻撃力:1800/レベル:4》


いきなりレベル4を揃えてきたってことは・・・!


「俺はレベル4のドラゴプスとアイズトルをオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《カオス・パージブレイン》!」

《攻撃力:2500/ランク:4/ORU:2》


「更に俺はブレインを素材とし、カオス・パージエクシーズチェンジ!現れろ!ジェレスタエクシーズ!逆巻く深遠、光と闇の使者《カオス・パージ-ネオライト・ドラグーン》!!」

《攻撃力:2900/ランク:4/ORU:3》


「ジェレスタエクシーズを、このタイミングで・・・!」


これが本気のヒカル、なら俺もそれを超えていかなきゃ勝つ事なんてできない・・・!やるしかない、やるっきゃないんだ!!


「超えてやる!超えてみせる!その大きな壁を!俺の魂で、超えて見せるぜ!」


「超えられるものなら超えてみろ!俺が立ちはだかって見せよう!」


アイツもやる気十分だ!やるしかないじゃん!



12話へ続く



===================


【あとがき】


雪那ちゃん、衝撃のワンキル要員である。やめたげてよぉ!

第2のヒロインがリア充しすぎてて遊矢に爆ぜろと言いたくなった俺は完全に末期である。遊矢ああ見えて全然リア充じゃないという。


そして遂に大会スタート!遊矢VSヒカル!そして十六夜カオリとは?8人の強豪による究極の大会が今、遂に始まる!

これからの展開にご期待ください!


【予告】

大会がついに始まった!1回戦の相手はヒカル、どちらとも譲らぬ勝負をする。

そしてお互いのライフが1000を切ったその時、ヒカルのDゲイザーに思いも寄らぬ知らせが入り遊矢はヒカルがジェレスタエクシーズを集めている衝撃の真実を知る事になる。

遊矢が集めればその願いは叶わないと知った遊矢。だがある日、アストラルに言われた一言にすべてを賭ける――!

次回!「2つの心を1つに ヒカルと遊矢の賭ける願い」


【おまけ】


遊矢「ついに大会がスタート!そして新しい仲間・雪那が登場だ!」

アミ「いい子すぎて手出しできないんだけど・・・これじゃあ遊矢が取られちゃう・・」

遊矢「なんか言ったか?」

アミ「なんでもないわよ!!バカ!」

遊矢「?」

雪那「遊矢くんは乙女心を察するべきよね・・・」