ジェレスタ5 「ジ ェ レ ス タ エ ク シ ー ズ の 脅 威
防 げ ! 魂 の 風 戦 士 !」
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――ガサッ・・・ガサッ
「・・・あったあった、あとこれも・・・」
―――ガサッ
「へへっ、どいつもこいつも使いこなせるデッキじゃねえじゃん、勿体ないし、もらっておこうっと・・・」
~~~
――キーンコーンカーンコーン
「ちちちち遅刻するぅぅぅ!!」
今日も遅刻ギリギリ、青い制服が特徴の1年が廊下を駆け抜けた。ギリッギリでアミの隣の椅子に座る、ここが俺の席ってわけ。
「今日も、遅刻ギリギリね~」
「しっかたねえじゃん!今日も良い夢見れたなぁ~あはは!」
「はい、みんな聞いてくれ」
「ん?なんかあったんですか?!ドロワ先生!」
「それがだな・・・この学校は授業の間にデッキやDシューターを保管するというシステムがあるのを知っているだろう?」
「はぁ・・・それがどうしたんですか?」
俺は実際、保管システムなんて使わず肌に放さず持ってるんだけど、やっぱり必要ないときは預ける奴も多いらしい。アミや慶太は保管システムを使ってるらしい。
でもそれがどうしたんだろうか・・・?
「保管システムに誰かが入り込んでいるらしくな。デッキの強盗が相次いでいる」
「なんじゃそりぁあ!!そんな、デュエリストの魂を奪うような卑怯なマネ!誰がしてんだ!?」
「それを今、捜索している所だ。委員長、なにか分かったのか?」
「はい!ちょっとした報告ですが・・・」
オレンジ色のショートヘアを小さく結んでる奴が茉紀敏也委員長。みんなからは敏也って呼ばれてる。頭は良いんだけど口が悪いし皮肉屋だから、あんまり関わらない人も少なからずいる。
「昨日も3つほどデッキが盗まれていたらしく、防犯カメラの映像によると犯人は1年生クラスの誰かということが分かったんです!」
「おいおい!それってマジかよ敏也!」
「そうだよ、1年クラスにいそうじゃん。そうじゃなくてもお前みたいな奴がウヨウヨいるのによ・・・」
ほれ見ろ・・・こんな奴なんだぜ・・・。
「とにかく、みんなも気をつけるように!それじゃあHL始めるぞ!」
~~~
「どう思う?アミは・・・」
「分からないわ、デッキ強盗が1年生だなんて・・・」
「でもそれくらいの技術があるってことだろ?まず遊矢はありえないな!」
「なに言ってんだ!当たり前だろ!」
俺がデッキ強盗なんて、絶対にするもんか!ましてや人の魂のカードを奪うなんて・・・できるわけないじゃんか。
でもそんなことしてる奴が本当にいるなら許すわけいかないよな。
「全く、てめえはバカだな」
「なっ!またかよ敏也!」
「あんな管理システム、簡単に抜けられるんじゃないのか?」
「お前はそういうのが得意だからだろ。お前と俺の価値観が違うってこと、今証明しても良いんだぜ?」
「ちょっと遊矢!やめなさい!」
「だけどよぉ!」
「ふん・・・お前なんかに構ってる時間もないしな」
なんかやっぱりアイツとは気が合わないぜ・・・ムカついちゃうというか・・・なんつーか。怪しい・・・。アイツ、絶対に怪しい・・・。
「・・・・チッ」
~~~
「デッキ強盗事件かぁ・・・」
敏也の反応。なんだか怪しかったな。まるで俺を警戒するような、しかも管理システムの解除が簡単だって言ってた。あれは確か超難しい詰めデュエル3つをクリアしなくちゃいけないはずだよな・・・。
でも奴のデュエルってあんまり強くなかったはずだし・・・どういうことなんだ?
もしかして、またジェレスタエクシーズが関係してるのかな・・・?
「遊馬さん・・・教えてくれよ、ジェレスタエクシーズって・・・一体・・・」
そんなことを思いながら寝てしまった・・・。
~~~
ここは・・・夢か・・・・。
『君が、遊馬の意思を継ぐデュエリストなのか・・・?』
「・・・アンタ誰だ?」
『私の名はアストラル。アストラル世界の使いだ・・・』
「アス・・・トラル・・・・」
『君に願いを託す。どうか、15枚のジェレスタエクシーズを集めてほしいのだ』
「どうしてだよ!俺がジェレスタエクシーズを集めるって・・・」
『ジェレスタエクシーズには特殊な力がある。その力を悪に使えば良からぬ事が起こるだろう、頼む、君こそ遊馬の意思を継ぐ者・・・私が再び人間界にくる・・・その時まで・・・』
「おい!待てよ!まっtッッ!!」
光でアストラルの姿が見えない・・・ッ!どういうことなんだよ・・・一体・・・。
ジェレスタエクシーズ・・・15枚・・・集めろって・・・・。
~~~
「やっべえ!!また遅刻する!!」
今日も朝8時40分、現在3階到着!あと30m弱で教室に到着できる!間に合ええええええええ!!!
「遊矢!!」
「おわぁああっと・・・!?なんだよ、脅かすなって!」
「てめえ!俺のデッキ返せ!」
「はぁ!?なに言ってんだ、お前のデッキなんて持ってねえ!」
「うそつかないでよ!」
「最低!」
「どーなってんだ???わけわかんねえんだけど・・・」
デッキ返せなんて言われても、持ってないものは持ってないし・・・。どうすりゃいいんだ?
「遊矢!これを見てもそんなことが言えるのか?」
「ん?これって防犯カメラだよな?」
「昨日、保管庫につけておいたものだ!見てみろ、お前の顔がはっきり映ってるじゃないか!それでもそんなこと言えるのか?!」
「やってねえものはやってねえ!つーか保管庫の詰めデュエルなんてやったことねえよ!」
敏也め、まさか俺に全部罪を擦り付けるつもりなのか・・・?!
「とにかく、話は校長室でたっぷりドロワ先生と話すんだな!」
「放せ!俺はやってねえっつの!!」
アミも慶太もいないのかよ・・・くっそ、どうなってんだ~~~~~~!??
~~~
「結局、お前が犯人か・・・」
「だから!俺はやってません!そんな詰めデュエルの内容なんて見たことないし、俺がデッキを奪う理由もありません!」
「だがしっかり証拠の映像も有るからな・・・とにかく確認を取って、もう1度話をつけるぞ」
最悪だ・・・変な疑いかけられた上にこんなことになるなんて・・・。今頃体育の時間か・・・体育やりたかったなぁ・・・。
でもどうして敏也は俺を犯人にしようとしてるんだ?証拠と言ってもカメラ映像なら勝手に編集ができるし・・・俺にそんな技術ないけど、アイツなら確かに・・・!アイツならできる、あのロックを解除してあの保管庫の中に!
「遊矢・・・!」
「アミ・・・慶太・・・!?」
「詳しい話は後よ、ここの抜け道から保管庫に行くわよ・・・!」
「保管庫・・・!?」
とにかくアミと慶太に先導されて抜け道の中に入る。ゆっくり進むと保管庫の前にある廊下へたどり着いた。
「でもどうして俺をここに?」
「私達、調べて分かったの・・・。敏也くんならここのロックを解除して映像を貴方の姿に変えるのもできるって、でも彼はミスをした。あの映像の遊矢の目の色が違ったの、遊矢の目の色はエメラルドグリーン。なのに映像の遊矢は黄色の目をしてたの!」
「それって・・・・・!」
「しかも、敏也は体が弱いって理由で体育はいつも見学してる、それはつまり・・・」
「デッキ強盗のチャンスってわけか・・・」
ということはこの扉の向こうに、アイツがいる・・・くそ・・・今度こそこの怒りをアイツにぶつけてやる!
ロックの解除された扉の先でガサッという音が聞こえた。その方向へ走るとやはりいたんだ。そこに奴の姿があった・・!
「敏也!!」
「ッ!?遊矢、アミ・・・貴様ら!」
「ようやく見つけたぜ。その奪ったデッキ、返してもらうぜ」
「くそっ・・・見つかったからにはただではすまさないぞ!貴様ら!」
「残念だけど、ここで盗みを働いていた事が分かれば、貴方こそただではすまないわよ!」
「諦めろ!逃げ場はない!」
「逃げ場だって?それはどうかなっ!!」
煙球!?くそっ前がみえねえ・・・!
・・・・・・・・・!?今駆け抜けていったような・・・!
「アミ!慶太!こっちだ!!」
とにかく奴を追え!追えば必ずたどり着く、アイツは長時間運動できないはず、だからっ!!
――バンッ!!
「もうにがさねえぞ、敏也!!」
「くぅ・・・!屋上まで着いてくるとは往生際が悪いな!」
「それは俺たちのセリフだ!」
「さぁ、奪ったデッキを返してもらうぞ!」
「それは困る。それじゃあ遊矢、俺と賭けをしよう。俺とお前がデュエルして、お前が勝ったらデッキはすべて返してお前の濡れ衣も晴らしてやる。ただし俺が勝った場合はこのデッキ強盗の犯人はお前ら3人だ!」
「良いぜ!受けて立ってやる!」
「遊矢!Dシューター!」
「ありがとよっ!アミ!」
アイツはデュエリストの魂を奪ってきた、絶対に許さねえ!!希望の力、俺に力を貸してくれ・・・!
「行くぜ!Dシューター、展開っ!デュエルディスクセット!!」
風をイメージした俺の大好きなデュエルディスク、そしてデッキたち。この力でアイツを絶対に倒すんだ!!
「Dゲイザーセット!デュエルターゲット、ロックオン!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「「デュエル!」」
「俺の先攻、ドロー!俺は《闇剣士 フラグラー》を召喚!」
《攻撃力:1700/レベル:4》
「更に、フラグラーが召喚に成功したため《闇騎士 グレイサー》を特殊召喚!グレイサーはフィールドのモンスターのレベルを5に合わせる!」
《攻撃力:1800/レベル:5》《レベル:5》
「いきなりレベル5のモンスターを2体揃えやがった・・・!」
「俺はレベル5となったフラグラーとグレイサーをオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ!《混沌闇剣士 フラグラッカー》!!」
《攻撃力:2600/ランク:5/ORU:2》
ランク5のモンスターエクシーズ、アイツはこんなモンスターを使うのか・・・。
「俺はこれでターンエンド、さぁかかってこい!」
「俺のターンドロー!俺は《Ss-シュート・ブレイブ》を召喚!更にシュート・ブレイブの召喚に成功した時、速攻魔法《ファイティング・ウィンド》を発動!このターンのエンドフェイズまで、召喚したシュート・ブレイブの攻撃力は2倍になる!」
《攻撃力:3000/レベル:4》
「いけっ!シュート・ブレイブでフラグラッカーを攻撃!!」
「ふんっ・・・」
「!!?」
シュート・ブレイブがフラグラッカーを・・・かわした・・・!?
「どういうことだ!」
「フラグラッカーはオーバーレイユニットがある状態で、攻撃対象に選択される事はない!」
オーバーレイユニットなしじゃないと攻撃されないモンスターかよ・・・どうなってんだ・・・。
「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド!」
《攻撃力:1500》
「このエンドフェイズに俺はフラグラッカーのオーバーレイユニットを1つ取り除く」
《ORU:1》
「だがこんなのいらない、所詮はクズカードだからな」
「カードをクズ呼ばわりするのだけは俺が許さねえ!!」
「ほー、所詮口から出任せじゃないのか?俺は強くなった、こんなクズよりもずっと強くな!」
カードをクズ呼ばわりするなんて・・・人のカードを奪っておいて・・・!!
「お前だけは絶対に許さねえ!!絶対に倒す!!」
「やれるものならやってみるが良いよ、貴様などのような脳味噌が筋肉で出来た脳筋にやられるほどじゃないからな」
「て・・・てめえ・・・!」
「さぁ俺のターンだ、そろそろカードを引かせてもらうぞ。俺のターンドロー!・・・見せてやる、俺の切り札を、お前を倒す強力な力を!」
あ・・・あれは!!
「ジェレスタエクシーズ!?」
「なんで敏也が持ってんだよ!!」
「驚きのようだな、それじゃあ仕留めてやろう、その知ってるカードでな!」
く・・・だけど、ジェレスタエクシーズならホープ・オブ・ソードでなんとか倒せるはず・・・魂の風戦士たちで・・・!
「行くぞ、俺はフラグラッカーを素材とし、フラグラックエクシーズ・チェンジ!現れろ!《深遠の時魔術師 フランディアセレード》!!」
《攻撃力:2600/ランク:5/ORU:2》
「あれが・・・アイツのジェレスタエクシーズ・・・!!」
「俺はフランディアセレードの効果を発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使う事で相手フィールドのカードを、すべて破壊する!」
「なにっ!?」
俺の伏せカードは《風魔の結界》と《聖なるバリア-ミラーフォース》、そしてシュート・ブレイブ!3枚のカードをすべて破壊するのかよ!あのジェレスタエクシーズ、化け物じゃねえか・・・!
「ぐっ!シュート・ブレイブ!!」
「これでお前のフィールドにモンスターは消えた、さぁフランディアセレード!遊矢に、忌まわしき偽善者にダイレクトアタックだ!ジャッジメント・クロス!」
「うわぁああああああああああ!!!」
《遊矢のライフ:1500》
「遊矢!!」
「まさか、カードを全滅させるカードを敏也が持ってるなんて・・・!?」
これがアイツのジェレスタエクシーズの力・・・正直体がビリビリするぜ・・・!
「だけど負けるわけにはいかねえ、みんなの思いを込めたカードたちで絶対に・・・絶対にお前を倒す!」
6話へ続く
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【あとがき】
委員長が皮肉屋でもあんな奴じゃなくて良かった・・・。あんな奴だったら確実に委員長を嫌いになってました。敏也はジェレスタエクシーズ持ってなくても元々あんな性格です。
そしてZEXALと違ってデュエルの制服率が高いという。
新しいジェレスタTUEEEEEEEEEE!!あとは今までデュエルを楽しんでた遊矢が初めてブチギレしたデュエルというわけで・・・。遊矢くん優しいなぁ・・・。寛大だけどデッキ関係になるとついつい熱くなっちゃうのが悪い癖。
あと遊馬よりも口がちょっと悪い辺りは王様や初期遊星を思い出させる。でも本当はアツい心の持ち主。
【予告】
デッキ強盗事件の犯人は遊矢のクラスの委員長・敏也だった。敏也がクズと呼ぶカードたちの思いを受けて必死にデュエルする遊矢だったがホープ・オブ・ソードが使えずピンチを迎える事になってしまう。
そんな時、父・雪矢から教えてもらった大切な言葉が遊矢の背中を強く押し、ホープ・オブ・ソードに新たな希望を繋げるのだった・・・!果たして遊矢は敏也に勝てるのか・・・!?
次回!「希望を照らせ!!『No.39 希望皇ホープ』降臨」
【おまけコーナー】
遊矢「今回紹介するのは新たな種族【風士族】!風の力を持つ戦士や魔法使い達の多く存在する種族だ!」
慶太「遊矢のデッキ以外にもこの世界では風士族を使うデュエリストも多く存在するぞ!」
遊矢「次回はこの風士族の魔法使い少女が登場!お楽しみにっ!」