ジェレスタ1「運 命 の 出 会 い」


「じゃあな、小鳥」

「遊馬・・・旅に出るなんて言い始めて驚いたんだから、いい?毎日メールか電話しなさいよ!」

「わかったよ小鳥ィ・・・それじゃあ行って来るぜ、いつか戻ってきたらカイトやシャークたちと・・・」

「ええ、分かってる」


あの別れ。あれから1年後に遊馬からの連絡はぷっつり途絶えてしまった。

みんな大人になり始めていた。私もみんなも。


そして―――・・・。




―――5年後・ハートランドシティ―――




《さぁ本日、デュエルモンスターズ世界大会は決勝戦!予選から勝ち抜いた今回の優勝候補、天城カイト選手は―――・・・》


「あのカイトがこんなに強くなっちゃったんだなぁ・・・」



「うっおわあああああ!!遅刻!遅刻、遅刻する!」


「遊矢くん遅いわよ!」

「小鳥姉さん!仕方ねえじゃん!だって・・・あの九十九遊馬さんと天城カイトさんのデュエルを見る夢を見てたんだぜ!興奮するったらありゃしねえじゃん!」

「はいはい・・・」

「って今日、決勝なの!?対戦相手は?」

「カイトとクリスさんだって。師弟対決、2回目かぁ楽しみだな~」

「って姉さん、支度は?」

「ふえっ!?私もしなきゃ~~~~~!!」



~~~~



「「いってきまーす!!」」

「いってらっしゃい、2人とも」


「じゃあ遊矢くん、私はこっちだから」

「分かった!じゃあな!」


俺は風宮遊矢!九十九遊馬さんみたいなデュエリスト目指してる中学1年生だ!

今は父さんと母さんが海外赴任でいないから親戚の小鳥姉さんの家に住んでんだ!小鳥姉さんもデュエルうまいし、あの遊馬さんと友達なんだって!!いつか会ってみたいなぁ~!!

でももっと凄いのはカイトさんとも!カイトさんは去年の世界大会で1位のデュエリスト!今年も決勝戦までいって、今回は師弟対決なんだってさ!


「燃えてきたぁー!!俺も絶対に世界大会出るぞー!!ッあだっ!!?」

「あっ・・・・」

「・・・いってえ・・・「大丈夫か?」ふえ・・・?」

「怪我・・・してないな、良かったぜ。安心した」

「え・・・あなたは・・・・」


赤い触角っぽい髪、紺色の尖がった感じの髪・・・この人って・・・!!


「ん~~~今はこれしかないかな?」

「カード・・・ってもらって良いんですか!?」

「あぁ、お前からは昔の俺と同じ感じがしたんだ!それに、お前ならこのカードを有意義に使ってくれるとそいつが信じてるんだ」

「カードが信じてる・・・・?」

「そうだ!名前は?」

「・・・風宮遊矢です・・・・」

「そっか、遊矢!」

「はいっ!?」


「かっとビングだぜ!お前ならできるって信じてるから!」


「・・・・・遊馬さん・・・・・・」


「遊矢~~~~~~!!」


「あっ?!」


「おせえぞ!早く来いよ!」

「遅刻しちゃうわよ!」


「分かった!今行くー!!」


朝から九十九遊馬さんと出会えるなんて俺・・・超嬉しいぜ!!

そういえばアイツら。

あのツインテールのほうが弧鈴アミ。俺の幼馴染の1人!もう1人の電波頭が高山慶太、アイツはデュエルも強いし、よくデュエルしてるんだぜ!今のところは五分五分くらいだけど。それでもいつかは俺が勝ってやるぜ!


俺は遊馬さんにあこがれてる!だからチャレンジを続けるんだ!今日貰ったこのカードも使って、絶対にやってやるぜ!!

いや、やるしかないじゃん!


「かっとビング~!」

「ねえ、それって遊馬さんの口癖よね?」

「あぁ!さっき会ったんだぜ!」

「うそっ!?お前がか?」

「うん!やっぱ憧れるぜ、カイトさんたちよりもやっぱ遊馬見たいになりてえって思うんだ!そうだろ!」

「私はカイトさんかなぁ~」

「俺もカイトさんのほうが・・・・・・」

「なんだよ~~~~~~みんなひっでえぜ!!」



~~~




「それじゃあ、これで今日の授業は終了だ。みんな下校か、デュエルスペースにしろよ。それか図書館だな」


「起立、礼!さようならっ!!」


「よぉし!デュエルタイムだぜ、慶太!今日もデュエルしようぜ!」

「良いぜ。今日は俺が勝つ!」

「上等だ!俺が相手になってやるぜ!!」

「全く・・・お前達は元気だな・・・」

「あっ、ドロワ先生!ドロワ先生はだってWDC出場者だし、しかもカイトさんのお嫁さんだろ!?デュエル強いんですよね!」


俺たちのクラスの先生。ドロワさんはWDC出場経験があって、決勝トーナメントまで進出してるベスト8の人!

しかもカイトさんと結婚してるんだぜ!いいないいなぁ~!!


「私はゴーシュより強くない。それにカイトは比べるものではないだろう、デュエルがしたいのならば言えばいい。カイトにもうまく言えばデュエルの時間を作ってもらえるかもしれないな」

「マジで!?うわ~~~カイトさんとデュエルできるなんて・・・うぁ~~~!」


「とにかく教室を出ろ・・・」

「行くわよ!遊矢!」


「あっ・・・あぁ!!待ってくれ~~~!!」


さってと!さっそくデュエルッタイムだぜ!!


でも今日はやけに人が少ないような・・・どして?


「あぁ・・・分かった。遊矢、こっちだ」

「うえ!?ドロワ先生、どうしてそっちっておわぁあああ!?」


人だかり!?まさかあの中に誰か有名人でもいるのか・・・!?

しかも女子ばっかり・・・ということは・・・!!


「カイト様~!!」

「決勝は夜ですよね!頑張ってください!!」

「私、応援しに行きますわ!」

「あっ・・・ありがとう・・・だがその・・・」


「カイト・・・」

「・・・・ドロワ・・・・悪い、みんなまた後でにしてくれ!」

「相変わらず子供人気だな、人の旦那というのにそれもどうかとイライラするんだが・・・」

「すまない・・・・」

「カイトさんってドロワ先生相手だとこんななのね・・・」

「意外だぜ・・・」


カイトさんの意外なところ・・・じゃねえ!デュエルを申し込むんだ!!

やってやるぜ!!


「カイトさん!」

「・・・なんだ?」

「俺と・・・デュエルしてください!お願いします!」

「デュエル・・・・・・・」


頼む~~~~!!デュエルしてくれええ!!


「・・・!・・・・・・(まさかコイツ・・・)分かった、決勝の前だ。勝負を受けよう」

「よっしゃあ!ありがとうございます!!」



~~~



カイトさんとのデュエル。

負けるかもしれないけどそれでもやるしかないじゃん!だから俺も全力を持って戦う。このデュエル、負けたくないから!


「行きますよ!」

「こい!デュエルモード・フォトンチェンジ!」

「デュエルディスク、セット!Dゲイザーセット」


《ARヴィジョン、リンク完了》

「「デュエル!!」」


ついに始まったぜ!俺と、カイトさんのデュエルが!!


「俺の先攻で行くぞ、俺のターン。ドロー!・・・俺はフィールド魔法《光子圧力界(フォトンプレッシャーワールド)》を発動!更に《フォトン・クラッシャー》を通常召喚!」

《攻撃力:2000・レベル4》

「《光子圧力界》の効果で、フォトンモンスターが召喚された時、フォトンモンスターをプレイしていないプレイヤーにレベル×100のダメージだ!」

「なにっ!?」

「400ポイントのダメージを喰らえ!!」

「ぐあっ!」

《遊矢のライフ:3600》


いきなりライフを減らしに来るなんて・・・デュエルは始めのターンに攻撃できないけど、効果ダメージは与えられる。

しかも俺にはフォトンモンスターなんていない、それを逆手に取ってきたんだ。


「だったら俺だって!!」

「威勢がいいな。カードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」


「俺のターン!ドロー!!俺は《Ss(スカイソニッカー)-疾風のカーツ》を召喚!」

《攻撃力:1400・レベル4》

「コイツが召喚された時、デッキから1体、Ssと名のつくモンスターを手札に加える!俺は手札に加えた《Ss-シュートブレイブ》を特殊召喚!コイツはSsの効果で手札に加わった時に、特殊召喚できるんだ!」

《攻撃力:1800・レベル:4》


レベル4が2体揃ったぜ!これで俺の下準備は整ってきたぁ!!


「俺はレベル4の《Ss-疾風のカーツ》と《Ss-シュートブレイブ》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《Ss-エア・ストリームソード》!!」

《攻撃力:2100・ランク:4・ORU:2》


「やったぁ!遊矢がエクシーズ召喚に成功したわ!」


エクシーズ召喚は同じレベルのモンスターで召喚する方法。そしてコイツが俺の切り札の1つ!

これで《フォトン・クラッシャー》を破壊すれば!


「いけっ!《フォトン・クラッシャー》を攻撃!ウィンドストリーム!!」


「甘いな!罠発動!《光子化(フォトナイズ)》!これで《フォトン・クラッシャー》への攻撃を無効にし、エア・ストリームソードの攻撃力を《フォトン・クラッシャー》に加える!」

《攻撃力:4100》


「ぎょえええええええええ!?攻撃力4100って!?」


「本当に遊矢は・・・罠カードを警戒しないから・・・」

「うるっせえええええ!!俺はターンエンドだ!」

「ちょっと!伏せカードは?!」

「え・・・?あぁ!忘れてたぁああああああ!!」


俺はいっつもこうだからぁ・・・・嫌になっちまうぜ・・・・。

プレイングミスさえなくせば良い腺行ってるって言われるんだけどなぁ・・・(小鳥姉さん談)。


「行くぞ!俺のターン!俺は《フォトン・クラッシャー》でエア・ストリームソードを攻撃!」

「俺はエア・ストリームソードの効果を発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使う事で、戦闘の破壊を無効にし、バトルダメージを半分にするッ!うわぁああああ!!」

《遊矢のライフ:2600》


「遊矢ぁ!!」


「いってえ・・・・・」

「ふっ・・・まだだ!俺は装備魔法《フォトン・スピア》を《フォトン・クラッシャー》に装備!これで《フォトン・クラッシャー》は2体分のリリース素材になる!」

「2体分って・・・・まさか!?」

「そのまさかだ、行くぞ!攻撃力2000の《フォトン・クラッシャー》2体分をリリース!闇に輝く銀河よ、希望の光となりて我が僕に宿れ!光の化身、ココに降臨!現れろ《銀河眼の光子竜》!!」

《攻撃力:3000・レベル:8》


「ぎっ・・・ギャラクシーアイズ・・・ッ!?」


あれが・・・カイトさんの切り札・・・・!?


「ギャラクシーアイズのレベルは8!800ポイントのダメージだ!」

「ぐっ!!」

《遊矢のライフ:1800》



「さぁ、勝負はここからだ。遊矢!!」


「ッ・・・・」


これがカイトさんの実力・・・それに、ギャラクシーアイズを倒さないと俺に勝ち目はない・・・だけど諦めたりしねえ!遊馬さんの思い・・・かっとビングで絶対に勝つ!!


「絶対にやってやる!・・・やるしかないじゃん!!」



2話へ続く




とりあえず初試合の相手は攻撃力3000ですよね((ニヤニヤ

そして主人公・遊矢の活躍が色々と・・・。



予告~!

遊矢は諦めない!カイトに勝つために遊馬からもらった新たな切り札!希望の力、疾風迅雷の騎士!!

次回、遊戯王Lightning Sky!「呼び起こせ希望!現れろ、希望騎士ホープ・オブ・ナイト!!」