俳優・山本太郎は、“脱原発ツイート騒動”後、「俳優仲間に迷惑をかける」と所属事務所を退社。フリーの身となった今だから話せるあのときの思いを、120分間語り尽くしてくれた。
このインタビューは、ツイッターでの反原発発言後、初のメディア登場となる。
━━所属事務所を辞めて、現在「フリー」になったわけですが、生活は変わりましたか?
山本 事務所を辞めてしばらくして、ツイッターを通じてナレーションの仕事を一本いただきました。もちろん、俳優は続けていきたい。
今はマネジャーもいないし大変だけど、13年間お世話になった事務所を出て、初めて大人になった気がしてます。
(中略)
━━振り返れば、原発問題について太郎さんが初めて公に声をあげたのは、4月10日、高円寺で1万5000人を動員した反原発デモの前日のツイートでしたね。
山本 その数日前にソフトバンクの孫さんが、ツイッターで原発の賛否を問うアンケートをしてて……正直それを見て、ずっと寝つけずにいました。
声をあげたいけど一歩を踏み出せずにいる……そんな自分に気づいたんです。やっぱり16歳からやってきた俳優という仕事が好きだし、夢もあるしね。
でも、今の状況では、そんなちっぽけな葛藤なんてつまらないことだって思ったんです。
福島の人たちが国に見殺しにされているというのに、間違いに対して間違いと言えないのは人として終わってる。プライベートでは反原発の話をしても、役者としては発言しない……これじゃ僕も原発に賛成しているのと一緒。
あのツイートは、本当に言いたいことを言えない苛立ちが爆発したんです。
つぶやいた後、格好悪いけど大泣きしました……。何かを失う怖さからじゃなく、自分自身が解放された喜びで涙が止まらなかった。やっと人間に戻れた、って。
事務所にいづらくなるのも想像できたけど、人としての優先順位を考えれば、口をつぐんで仕事を続けるという選択肢は僕にはなかった。
(後略)
山本氏はこのほかに、原発のこと、芸能界のタブーのこと、母親のこと、環境問題のことetc. を赤裸々に語っている。
冷ややかな目で馬鹿にされるようなタイプかも知れない。直情的で体が先に動く。が、それは既に自覚しているだろう。僕個人はあくまで原発維持が望ましいと考えているけど、こういう男は嫌いじゃない。ある種のブレイクスルーを果たすような人物が社会を大きく革新していくことも、当然ある。
ただ、記事を読む限りでは、脱原発というより「脱現政府・脱民主党」といったふうに受け取れるのが気になる。仮に別の政党が与党で、迅速で的確でかつ国民の生命と財産を最大限に尊重する対応がなされていたら、今のような行動を取っていただろうか?
仮定の憶測は無益だけれど、現段階において一連の問題をひとつに絞り過ぎているような気がする。仮にいまこの瞬間に原発が全て廃炉にされたとしても、同様の社会病理はまた別のどこかで起こるだろう。過去の例では公害がそうだった。
彼のこれからの行動によって次第に我々にも真意が理解されてくるだろうけど、それはとりもなおさず、蟻地獄に陥るような感覚だろうと思う。
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