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ブログでコラム

サーキットへ行こう MAX VOL47

そろそろ熊が冬眠をはじめ、鮭が川を遡上してくる時期になりました。今年もあと少し、紅葉していた葉っぱが散るようにF1からも1つ減り、2つ減りと日本色が散り、それでもF1は話題豊富、枯れ木も山の賑わいというところでしょうか。この道34年の先生と、第4世代レースファンの生徒の物語です。        

生徒  先生、とうとうF1から日本のメーカーがいなくなりますね。寂しい限りです、しくしく。

先生  何を泣いているんだね、君。男が泣くのは親の死目と野坂昭如の「火垂の墓」を観た時だけと決まっているんだよ、よしなさい。確かにF1ファンには寂しいことだが、ここは前向きに捉えないといかんな。「もうだめだ、思う向こうに道がある」と池校長もおっしゃっているし、「全ての成功は積極的な精神から」という中村天風もしかり。ありがたや、ありがたやのありがたや節で涙、涙で人並みだ。まいったか。

生徒  先生がいわんとしていることはなんとなくわかりました。そこで私も一句。「先生と、呼ばれるほどの、バカでなし」

先生  だれがイワンのバカだね!もっともこのご時世じゃ、イワンのようにバカ通して幸せになりたいくらいだけどな、まあいいか。さて前振りはこれくらいにしておいて、よく聞きたまえ。要するに日本のモータースポーツ業界、特にフォーミュラカーレースにとっては、F1に向いていた日本のファンに、昔のように国内に目を向けてもらうチャンスと言うことだよ、君。

生徒  先生ベスト着ているからといって、春日のように胸を張らなくても、、、。では日本におけるF1の罪と罰はなんですか?

先生  おっ、トルストイを受けて、今度はドストエフスキーできたな。ただのバカではないな、君も。わしが思うに罪は、F1が鈴鹿で毎年開催されるようになって、日本のトップフォーミュラが格下のカテゴリーだという印象が強くなったことだな。それまでは、観ている方は、F1というのはもちろん知っていたけど、オラの国のF3000だって凄いんだという感覚があった。もちろんやっているほうにもタイヤ戦争があり、いろいろなシャーシーがあり、カリカリチューンエンジンがあり、予選専用タイヤがあったり、個性的なドライバーが大勢いたり、ヨーロッパで速いドライバーがやってきたりで、内容じゃ負けないよというプライドがあったな。しかし間近で見ると、とんでもなくF1が凄い。そんなこんなでF1はモータースポーツに市民権をくれたけど、実った米は年貢で持っていかれたというところかな。罰はチケットが高いこと。

生徒  なるほど先生少し偏っているけど、言いたいことはわかりました。では、日本のレース界はこれからどうなるのでしょう? 

先生  こればかりは、日本の年金制度じゃないけど、わしにも行方はわからん。一方で、国内ばかり見ていても1世代前の盛り上がりは期待できないだろうな。鳩山政権の東アジア共同体構想に乗っかりモータースポーツ先進国日本がアシア圏まで活動の場を広げるという手もあるよ、君。お金は水と違って高いところに集まるという法則からも今はアシアかな。

生徒  なるほど、F1を頂点にヨーロッパ、インディー頂点にアメリカ、Fニッポン頂点に東アシアということですね、先生。

先生 なんて君の目は輝いているんだ、やっとわかったかね。10を聞いてやっと1を知る、君のためにあるような言葉だね。いよいよ日本をベースに三つ目の山が出来るということだ。レースは車の開発に貢献するだけではなく、コンペティションはいろんなものを発達させる。落ち葉は腐葉土となり次の世代の肥やしになるものと心得よ。そんな夢を見ました、あしからず。