北の海に春を呼ぶ魚 | Movin' in the Right Direction

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羊ヶ丘展望台より札幌ドームを望む

「群来」と書いて「くき」と読み、鰊(にしん)が産卵のため沿岸に大群で押し寄せることを言う。

春告げ魚というと、西日本では鰆(さわら)、関東などではメバル、また兵庫県の瀬戸内海側ではイカナゴが春の風物詩だ。

江戸末期から明治大正にかけ北海道日本海沿岸に莫大な富をもたらした春告げ魚の代表格ニシンも昭和の時代には姿を消し、「幻の魚」とも言われていた。

21世紀に入ると石狩湾に若干のニシンの回帰がみられ、資源管理と種苗放流などの努力が続けられ、今ではスーパーの店頭で普通に見られるまでになった。



早くもニシン群来 雄の精子で海が乳白色に 北海道・石狩市厚田区沖 (2015/01/27)

石狩市厚田区の古潭(こたん)漁港周辺で1月26日、ニシンが産卵のために大群で押し寄せる「群来(くき)」が見られた。
道立総合研究機構中央水試(後志管内余市町)によると、道内沿岸で群来が確認されたのは今年初めて。
この日、浜は豊漁に沸いた。群来になると、雄が雌の産卵に合わせて精子を出すため海が白く濁る。
地元漁業者は「ここ数年、群来は2月に入ってからで、1月に見たのは初めて。今年の漁は期待できそうだ」と語った。
(北海道新聞)



北海道では昔から子持ちニシンの丸干し(原料はロシア、カナダ産など)がよく食べられている。

冷蔵技術のなかった時代には大量に獲れたニシンの頭と内臓を取りカチカチに干した身欠きにしんが北前船で上方へ運ばれた。

京都名物のにしんそばもそんな時代の名残りなのだろう。

北海道・松前から日本海を南下し、関門海峡から瀬戸内海に入り大阪、さらに淀川を上り伏見から高瀬川に入り京へと運ばれていたのだろうか。