久しぶりに動いたマーケット。
1998年のLTCM破綻を思い出した。あの時は2日で20円ドル円が落ちる、10秒位で5円もプライスが飛ぶ、とんでも無い相場、そこでまさに為替ディラーとしてマーケットに対峙していた。途中捕まったロングをひっくり返して損を取り返すのが精一杯だったけど。
さて今回。
植田日銀総裁が突然Hawkishになったと市場に受け止められたこと、そんな時合の悪いところで、アメリカの雇用統計が予想より悪くリセッションかと騒ぎ始めたこと、そしてイランとイスラエルの問題がチラチラする状況だったこと、これで突然猛烈なリスクオフが走ったため、為替も株も債券も各マーケットで大きな調整となった、というのが一般的な理解。
その説明に全く異存はないが、絶対仕掛けたやつがいると思う。
実態的には、日銀が、政策金利をマイナス金利解除のために0〜0.1%にして、今回ゼロ金利からサヨナラするために0.25%にしただけ、なかなか減速しなかったアメリカ経済がようやく減速し始めていることが確認されたんだから、そんな突然大きく変わったわけじゃないだろうと思う。
ただマーケット参加者として言いたいのは、植田日銀体制になって、決定会合の直前に新聞使ってリークしたり、今回のように突然方向性が変わったと取られてしまうようなコミュニケーションの取り方には賛成しかねるということだな。不信感しか生まれない。
愚痴っぽくなったけど、この真夏の夜の夢は、あと数日すれば落ち着くのだと思う。ここからさらなる無用な混乱を避けるためにも、日銀がこの先どう考えるかマーケットにきちんと説明して置くべきだと思う。