大阪3日目、今日はなんだか勝負の日のような気がしていた。朝、目覚ましより少し早く起きて、コーヒーを淹れながら頭を整理。母親の病院付き添いが今日の最初のミッションだ。彼女の着替えを手伝い、保険証や診察券をバッグに詰め、時間通りに家を出た。病院はいつものように少し混雑していて、待合室のプラスチック椅子に座りながら、母親と近況を話す。彼女の体調のこと、近所のスーパーの特売情報、そんな他愛もない会話が、妙に心地いい。診察が終わり、薬局で処方箋を受け取って帰宅したのは11時頃。予定よりスムーズで、ちょっとホッとした。

家に着くと、父親がソファで待っていた。「買い出し、行くぞ」と、いつものせっかちな口調。少し休みたかったけど、父親のペースに合わせてすぐに出発。向かったのはおなじみの業務スーパー。父親の買い物リストはまるで暗記済みの台本のよう。キャベツの千切り、ベーコン、ポテトサラダ、コーヒーフィルター、胡麻ドレッシング、キムチ。これ以外は一切目もくれず、店内を効率よく回る。カートを押しながら、父親が「これでいいな?」と確認するたびに、ちょっとした連帯感が生まれる。ショッピングを楽しむというより、ミッションを遂行するような雰囲気だから、逆にイライラもなく、予定より早く買い物を終えた。昼前には家に戻り、ついでに買ったパックの寿司を広げて両親と昼食。サーモンやエビが並ぶパックは、普段の食卓よりちょっと華やかで気分が上がる。

ただ、母親の食事はいつも一苦労。箸を手に持つまでがまず時間がかかる。「これでいい?」「何か飲み物いる?」と、テーブルの周りを何往復も。さらに一口食べるごとにじっくり味わうから、ペースがものすごくゆっくり。父親はそれにだんだん我慢できなくなって、「早く食えよ」とか「いつまでかかってんだ」とイライラを爆発させる。母親は「はいはい」とマイペースに返すけど、空気が少し重くなる。こんなやりとりが日常で、なんだか胸が締め付けられるような気持ちになる。両親の間に挟まれながら、自分がここにいる意味を一瞬考えてしまう。でも、そんな感傷に浸る間もなく、時計は容赦なく進む。

午後、東京に戻る準備を始める。スーツケースに荷物を詰め、レンタカーを空港近くの返却場所へ。手続きはスムーズで、ちょっと余裕ができたから空港のラウンジでコーヒーを飲みながら一息。スマホをいじっていたら、なんだか周りがざわついている。嫌な予感がしてフライト情報を確認すると、なんと自分の便が欠航! 天候か何かの影響らしい。急いでカウンターに並び、運良く早めに行動したおかげで、遅れていた一つ前の便に振り替えてもらえた。座席はギリギリ確保。飛行機の窓から夕暮れの空を眺めながら、今日のバタバタを振り返った。病院、買い出し、両親のいつもの衝突、そしてこのトラブル。盛りだくさんすぎる一日だ。

東京に着いたのは夜。家にたどり着いた瞬間、疲れがどっと押し寄せてきたけど、夕飯は簡単に済ませる。最近、野菜が安くて助かる。特に水菜と新玉ねぎが旬で安いから、豚しゃぶサラダを作ることに。シャキシャキの水菜、甘い新玉ねぎ、さっと茹でた豚肉を胡麻ドレッシングで和えたサラダは、疲れた体に染みる美味しさ。キムチも少し添えて、ピリッとしたアクセントに。食卓に並べたサラダを眺めながら、ようやく落ち着いた。

怒涛の月曜日だった。朝から病院、父親の買い出しリスト(キャベツの千切り、ベーコン、ポテトサラダ、コーヒーフィルター、胡麻ドレッシング、キムチ)をこなして、両親のバトルをなだめ、飛行機の欠航を切り抜けて。全部詰め込まれた一日だったけど、なんとか乗り切った。明日からは東京の日常に戻るけど、今日のことはしばらく心に残りそうだ。