今日は朝から少し憂鬱な気分だった。このところ、歯の痛みが続いていて、なんだか気分的にも重い。それでも、せっかくの週末なので、気分転換に日光へ観光に出かけることにした。朝、ニュースを見ていたら、山手線が工事で一部止まっているという情報。予定していたルートが使えないので、急遽、浅草経由で日光に向かうことにした。

浅草に着いて、東武特急のチケットを買おうとしたら、なんと満席!次の便まで2時間待ちと言われて、思わず「え、嘘でしょ」と不満が漏れてしまった。待つのは嫌だったので、結局、JRに乗り換えて宇都宮経由で向かうことに。電車の中で「これ、東武の普通列車の方が早かったんじゃない?」とぼやきながら、窓の外を眺めていた。車窓から見える景色は、都会から徐々に緑が増えてきて、少し心が落ち着いた。

日光に着く前、ネットで鬼怒川温泉の廃れた温泉街が特集されている記事を読んでいたから、なんとなく日光もひっそりしているのかなと想像していた。ところが、駅に降り立った瞬間、予想を裏切る大賑わい!インバウンドの観光客でごった返していて、まるでお祭りのような雰囲気。東武日光駅周辺は、外国人観光客のカップルや家族連れで溢れかえっていた。「これは予想外だな」と思いながら、人混みを避けて、まずは腹ごしらえをしようと近くの湯葉カフェに直行した。

カフェはこじんまりとした落ち着いた雰囲気で、湯葉料理のセットを注文。湯葉の優しい味わいと、ほのかな豆の香りが口いっぱいに広がり、歯の痛みも一瞬忘れるくらい美味しかった。温かいお茶をすすりながら、窓の外の賑わいを眺めて、ちょっとほっとした瞬間だった。



お腹が満たされたところで、メインの目的地である東照宮へ向かった。着いたら、案の定、長蛇の列!でも、ここまで来たんだからと気合を入れて並んだ。やっと中に入ると、三猿、眠り猫、鳴き竜という、東照宮の鉄板スポットをしっかり堪能。ただ、実はここでちょっとした驚きがあった。関西出身の自分としては、鳴き竜と言えば嵐山の天龍寺だと思っていたので、「え、日光にも鳴き竜があるんだ!」と少しびっくりした。天龍寺の荘厳な雰囲気とはまた違うけれど、東照宮の鳴き竜の天井に響く音は、不思議なほどクリアで、思わず「へえ、すごい!」と声に出してしまった。三猿の「見ざる、言わざる、聞かざる」のポーズには、改めて人間の生き方について考えさせられるものがあったし、眠り猫の小さな彫刻も、愛らしい表情に心が和んだ。どのスポットも歴史の重みと美しさが感じられて、並んだ甲斐があったと大満足だった。








ただ、4月とは思えないほどの暑さに、さすがに疲れがドッと出てきた。東照宮を後にして、近くのカフェに避難。アイスコーヒーと甘い菓子パンを注文して、冷たい飲み物でクールダウン。菓子パンのふわっとした甘さが、疲れた体に染み渡った。カフェの窓から見える観光客の流れをぼんやり眺めながら、「やっぱり日光、来てよかったな」としみじみ思った。

その後は、タクシーで今夜の宿、フェアフィールド・バイ・マリオットへ向かった。フェアフィールドは前回泊まった時と全く同じ作りで、シンプルだけど清潔感があって快適。チェックインを済ませ、部屋に入ると、なんだかホッと一息つけた。ただ、正直、毎回同じ作りだとちょっと新鮮味が薄れてきたかも…なんて思ったりもした。

ホテルから歩いて数分のところに日帰り温泉があると聞いて、夕方、そちらへ向かった。温泉はこぢんまりとしていて、観光客より地元の人っぽい雰囲気。湯船に浸かると、体の芯からじんわり温まり、歯の痛みも少し和らいだ気がした。温泉から上がった後は、同じ施設内にあるテラス席のフードコートでビールを注文。夕暮れの涼しい風を感じながら、冷えたビールをぐいっと飲むと、「ああ、生き返る!」と心から思った。地元のおつまみをつまみながら、のんびりとした時間を過ごした。

ホテルに戻ってからは、フェアフィールドの落ち着いた雰囲気に包まれながら、早めにベッドに潜り込んだ。いつも思うけど、フェアフィールドは本当にリラックスできる場所だ。歯の痛みはまだ少し気になるけど、今日一日の充実感に満足しながら、ぐっすり眠りについた。

そんな、賑やかでほっこりした一日だった。