最近、尊敬する人のお話を聞くことができた。

御名前をNさんとおっしゃる。

 

そのひとは、見るからに穏やかで

ちょっとお茶目で

お姉さんのようでもあり、子どものような表情をすることもある人だった。

 

 

 

子どもにお習字を教えたり、

子ども社会にかかわっていたり、

本を子どもに読んでほしくて 頑張って活動されてきたかた。

 

本当は別の用事で伺った集まりだったのだけど、

その方に、子どもと本のかかわりをどうしたらいいか、

話を聞いていただいた。

 

 

 

ウチでは過度の読書は禁止されているし、

字ばっかり並んでいる本が本棚に並ぶことはあまりない。

(だから、長女が大人の本を読みたがる。他にないから)

 

 

いま、本の勉強をさせていただいているところでは

本の紹介(ブックトーク)をするときに、

絵本をメインで紹介することも多い。

子どもの言葉を拾って トークを展開することも多い。

これを「対話型ブックトーク」というのだと教えていただいた。

 

 

これはこれで大事だ。

対話型だと、本の紹介者と聞き手が近く、

聞き手に合わせて 内容を展開できる良さがある。

特に、幼い人たち、小学校低学年の子どもたちにとっては、

本への道しるべとなる機会になるであろう。

 

 

Nさんは、対話型の良さは認めつつも

子どもの内面に切り込む形のブックトークをされているのだという。

 

ちょうど、持っておられた、ブックトーク用のノートを拝見した。

 

 

 

几帳面そうな細かい字がきちんと並んでいる。

最近の本も、古典に属する本も書いてある。

ご自分がそれを読んだ感想、子どもに感じてほしいこと、

話すときの気を付けたいポイントなども並んでいる。

追加のような形で、気がついたことを付箋に貼って

整理しておられた。

「また、その学年にふさわしい本を紹介するだけではなく、

半歩先 一歩先、でも読んでほしい本を紹介しているの。」

と、Nさんはおっしゃった。

 

 

こういうのも、してみたいなあ、と思った。

 

 

自分も、自分の子どもも含めて、

流され要素の強い現代の子育ては

先行きが見えないままに 右往左往しているような気がする。

大事なのは、やった実績だったり、

表に出る結果だったり、

目新しいことだったり。

 

 

そして、道に迷う。

 

 

 

迷っているうちに時はどんどん過ぎていって、

気が付いたら、とんでもないことになってることもある。

そうなっても、自分で何とか出来るように、

道しるべが、できたら、いいなあ、と思って。

 

 

もちろん、本が最上というわけではない。

人と人のつながりは

なににも代えがたい、強いきずなとなる。

 

 

それとは別に、

過去の経験に裏打ちされた、道しるべを使って

自分の軸を長くしたり、増やしたりできたら、いいなあ、と思ったのだ。

だから、紹介する本が 半歩先、一歩先、なんだけど。

 

 

残念ながら、今の小学生は

その本の正解にたどりつくまでに

超えなくてはならない壁が多すぎて、

知的好奇心を正しい形で満足させられない かも、しれないなあ。

 

 

 

 

子どもが伸びるには、どうしたらいいのか。

Nさんの言葉、ノート、やっておられる活動に改めて考えさせられた。

自分の理想と現実を 見直す機会にする。

頭の中で こねくりまわしているうちは

単なる妄想にすぎないから。

 

 

さて、娘たちに、子どもたちに遺してあげられる道しるべは、っと・・・。

 

 

 

(残してあげられるものが全くないかも、という

微かな恐怖も感じつつ、おわります)