といってもここは奈良の法隆寺ではなく東京の国立博物館です。
多数の来場者を誇る東京の国立博物館ですが、この法隆寺宝物館は目立たない場所にあるためか、来場者は少なく、ゆっくりと拝観することが出来ます。
なぜ東京に法隆寺の宝物があるかというと明治期の廃仏毀釈が原因です。
法隆寺は寺を維持することが難しくなり、夥しい数の宝物を流出させました。
宝物は皇室にも献納され、その一部が一般公開されております。
展示物のほとんどが重要文化財です。
実際はもっと暗く、仏教の神秘的な宇宙観を作り出しています。
6~7世紀頃に作られた30センチくらいの小さな仏像群が一同に展示されております。
ちなみにここは撮影はOKです。
暗い部屋なので中々撮影出来ませんが。。。
フラッシュ不可!!!
数年前、TV東京の『なんでも鑑定団』において個人で所有している方が鑑定してもらいましたが、確か600万くらいだったと思います。
海外にも多数出回っているようです。
悲しくなってしまいます。
明治期の廃仏毀釈によって日本人は自分で自分の歴史観や文化を否定し、破壊してしまいました。
これは中国の文化大革命やバーミヤンの大仏破壊に匹敵するものです。
中国はこの革命によって自分達が持っていた儒教の精神をほとんど失ってしまいました。
日本人は岡倉天心という偉人が出なければ長年築き上げてきたアイデンティティを完全に失うところでした。
建国してわずか230年足らずのアメリカの文化に憧れて真似ばかりする風潮はバブルの頃まで続いていますよね。
一方、ヨーロッパでは自分達の文化を非常に大切にし、中世や近世の街そのものを保存しています。
戦争で破壊された歴史的建築もしっかりと再現していますよね!
現在の東京はコンクリートジャングルで見渡す限り高層ビルやマンションばかり。
首都高は日本橋、皇居の石垣やお堀の上をも通って最悪な景観を醸し出しています。
歩いていて本当に疲れてしまいます。
こんなところにも日本人が自分達のアイデンティティを壊そうとした負の遺産が生きているような気がします。
僅かに残っている遺構は大切にしなければなりません。