ドン・キホーテは非常に優秀な企業であり、かなり急成長してきた企業の一つであると思います。事実としてドン・キホーテは毎年右肩上がりに業績を伸ばし、驚異的な成長を実現してきました。では、なぜこれほどまでの成長を実現させることができたのでしょうか。今回のブログではドン・キホーテの急成長を支えた原動力について紹介をしたいと思います。

『今は統合されているが、かつてのドン・キホーテは、第一営業本部（一営）と第二営業本部（二営）の２つに分かれていた。これらは、それぞれが間接部門まで抱える完全独立型の営業組織体である。』

安田氏はこのように社内においても徹底した競争意識を根付かせてきた経営者だと思います。それをし続けてきたからこそ、今のドン・キホーテがあるのではないでしょうか。

『実は初期のドン・キホーテを急成長させた最大の原動力が、この一営、二営による、互いの闘争心を剥き出しにした張り合いと切磋琢磨にあった。もっとも、それによるあまりにも急速な規模拡大が逆に“スケールデメリット”となり、両部を統合したという経緯がある。』

ドン・キホーテの優れているところはこの安田氏が社内に根付かせた新しいシステムが多くあったことではないでしょうか。さらにその競争という環境下において自由に仕事をできる権限委譲があったことも大きな要因になっていると思います。

『それはともかく、現在、ドン・キホーテの代表取締役社長兼COO』（最高執行責任者）を務めるのは成沢潤治だ。彼は元一営本部長である。一方、元二営本部長の大原孝治は、同社取締役兼CIO（情報統括責任者）を務めるほか、２つの関連会社の代表取締役社長を兼任している。』

たたき上げの社員がこれほどまでの重要な職についていることはそれだけドン・キホーテが現場主義であることを表しているのではないでしょうか。

『何を言いたいのかと言えば、かつて営業現場を束ねていた二人のトップが、今でも当社グループの中で、創業経営者の私に次ぐ枢要なポストに就き重責を果たしているという事実である。しかも彼らは、いずれもドン・キホーテ１号店（府中店）から身を起こした、バリバリの現場叩き上げなのである。』

※下記著書より一部抜粋

著書：情熱商人—ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論

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安田隆夫｜初期のドン・キホーテを急成長させた原動力（1）