創業経営者を見てみると、非常に闘争心が強い人の印象があるのは私だけでしょうか。これは私の完全な持論になりますが、自分一人で仕事を立ち上げ、その仕事を成立させようと必死になっているのだから、基本的には闘争心が強い人が集まっているのではないでしょうか。今回のブログではこの創業経営者の特徴について紹介をしたいと思います。

『ところで、起業と言えば、最先端のIT分野での成功をイメージする人が多いのではないだろうか。私はかつて、日本ベンチャー協議会（現在活動休止中）の会長を務めていたが、そこで見聞きしたり関わったりした起業も、そのほとんどがIT関連だった。』

確かに起業というイメージが強いのはIT企業ではないでしょうか。ITバブルの時に多くの人がその波にのり起業してメディアを賑わせたことも関係しているとは思います。

『一方、われわれが属する流通小売業という、ある意味成熟しきった産業は新たな起業には向かない部門と思われがちである。しかし私から見れば、事実はまったく逆だ。実際、１０年前のITバブル時に華々しく創業し、今も生き残っている企業はごくわずかである。対する流通小売業界では、この２０年くらいで、当社はじめさまざまな新興企業が創業、もしくは急成長し、既存勢力とのダイナミックな新旧交代劇を果たしたではないか。』

安田氏が言っている通り、流通小売業のような成熟した業界での起業は難易度があり、起業に向かないと思われがちなのではないでしょうか。事実私も安田氏の書物を読むまではそう思っていました。

『少なくとも私は、たまたま流通小売業界という、きわめて奥が深くて耕し甲斐のある産業の中で起業できたことを誇りに思うし、心からその僥倖に感謝している。流通小売業は、成熟産業だからこそ革新し甲斐がある。とりわけ私は、前述したようにがんじがらめの既成秩序が大嫌いだ。それこそドン・キホーテではないが、既成秩序には好んで立ち向かい、それを変革することに強いエクスタシーを覚える人間である（笑）。』

※下記著書より一部抜粋

著書：情熱商人—ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論

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安田隆夫｜創業経営者は皆、闘争心の塊？（1）