子どもを育てるとは、どういうことか。

子どもの成績がトップクラスだろうが、いわゆる名門校で学ぼうが、それだけならば大した価値はない。

子どもがもの考え行動する大人になるよう、成熟へと導くのが親の仕事なのだから。
中卒でも高卒でも成熟した大人もいる。
いわゆる高学歴でもいわゆるエリートサラリーマンでも本当には自分で考えていない大人もいる。

鷲田清一・内田樹『大人のいない国』(文藝春秋・文春文庫2013)に収められた鷲田清一の文の中に

「子どもをどのように育てるかではなく、子どもが勝手に育つ環境をどのように作ったらいいかと腐心することのほうが大事」

とあるが、全くその通りだと思う。

どんぐり方式で学んでいる子どもたちの保護者は、この環境作りに大いに悩み試行錯誤を重ねていらっしゃる。ときに苛立つことや不安になることもある。涙こぼれる日もある。そのようなときに支えるべく、私も試行錯誤している。

どんぐり方式の指導者の仕事の大半、心砕く核心部はそこだろうと考えている。