文部科学省から11日に発表された“航空機モニタリング結果”ですが、その日のうちにpdf閲覧した際所々“虫食い状態”＝「測定結果が得られていない」地域がある点、並びに天然核種の存在により元々放射線量値が高い地域ではその分を校正(差し引き)された図表しか公表していない事に、不審な感覚を覚えたので何か別の尺度・測定値等比較検討出来うるものはないだろうか…と思っていました。

個人的に「元々自然放射線量高い地域は、実測値(天然核種＋Cs134&137合わせたlowdata)と校正値(Cs134&137のみのdata)の両方を提示すべきなのではないだろうか？」と、沸々と思い巡っていたのです。

文部科学省
文部科学省による、岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県の航空機モニタリングの測定結果、並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について(平成23年11月11日)

今回公表されたモニタリング結果で、何故か静岡県・長野県・山梨県の“虫食い”＝観測結果が得られていないという場所が多いのですよね。

腑に落ちない。
観測結果を発表出来ないとか？

丁度良い比較検討資料が世界発信されていて、論文原著のmemberの方がTwitterで拡散中ｗ

Teppei J. Yasunari
本日、我々の研究チームの「全国のセシウム137の汚染見積もり分布」の論文PNASに発表しました。ノルウェーの拡散モデルの相対沈着量に文科省の定時降下物のデータを合わせました。解析期間は3月20日から4月19日まで。 http://t.co/OtZIsirN
6:31 AM,11月15日

PNAS
Cesium-137 deposition and contamination of Japanese soils due to the Fukushima nuclear accident
Teppei J. Yasunaria,1, Andreas Stohlb, Ryugo S. Hayanoc, John F. Burkhartb,d, Sabine Eckhardtb, and Tetsuzo Yasunarie
Edited by James E. Hansen, Goddard Institute for Space Studies, New York, NY, and approved October 5, 2011 (received for review July 25, 2011)

Abstract
The largest concern on the cesium-137 (137Cs) deposition and its soil contamination due to the emission from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (NPP) showed up after a massive quake on March 11, 2011.
Cesium-137 (137Cs) with a half-life of 30.1 y causes the largest concerns because of its deleterious effect on agriculture and stock farming, and, thus, human life for decades. Removal of 137Cs contaminated soils or land use limitations in areas where removal is not possible is, therefore, an urgent issue. A challenge lies in the fact that estimates of 137Cs emissions from the Fukushima NPP are extremely uncertain, therefore, the distribution of 137Cs in the environment is poorly constrained. Here, we estimate total 137Cs deposition by integrating daily observations of 137Cs deposition in each prefecture in Japan with relative deposition distribution patterns from a Lagrangian particle dispersion model, FLEXPART.
We show that 137Cs strongly contaminated the soils in large areas of eastern and northeastern Japan, whereas western Japan was sheltered by mountain ranges. The soils around Fukushima NPP and neighboring prefectures have been extensively contaminated with depositions of more than 100,000 and 10,000 MBq km-2, respectively. Total 137Cs depositions over two domains: (i) the Japan Islands and the surrounding ocean (130–150 °E and 30–46 °N) and, (ii) the Japan Islands, were estimated to be more than 5.6 and 1.0 PBq, respectively.
We hope our 137Cs deposition maps will help to coordinate decontamination efforts and plan regulatory measures in Japan.

http://www.pnas.org/content/suppl/2011/11/14/1112058108.DCSupplemental

Supporting Information via

上記kwoutから飛んで“Supporting Information”以下の５linkに詳細なdataが紹介され説明されています。

マスゴミも配信し始めたようで。

asahi.com
西日本山岳、北海道も＝低濃度で沈着可能性―福島原発のセシウム・国際チーム
2011年11月15日6時6分
　東京電力福島第１原発事故で放出された放射性物質のうち、半減期が約３０年と長いセシウム１３７が、３月２０日からの１カ月間に中部や中国、四国地方の山岳地帯や北海道の土壌に沈着した可能性があることが分かった。米大学宇宙研究協会（ＵＳＲＡ）や名古屋大、東京大などの国際チームが１４日までに行ったシミュレーションの結果で、米科学アカデミー紀要電子版に発表される。

　これらの地域の大半は人体に影響を及ぼしたり、除染が必要だったりする汚染濃度ではないと推定される。ただ、局所的に濃度が高いホットスポットが存在する可能性があり、詳細な調査が必要という。

　ＵＳＲＡの安成哲平客員研究員や名大の安成哲三教授、東大の早野龍五教授らは、ノルウェーで開発された地球全体の大気輸送モデル（２０キロ四方単位）とヨーロッパ中期予報センターの気象データ、文部科学省の降下物観測データを組み合わせシミュレーションした。

　その結果、日本列島へのセシウム１３７沈着量は１カ月間で１０００ペタ（ペタは１兆）ベクレル以上と推定された。福島県を中心に東北、関東の太平洋側の沈着量が多いのは文科省の航空機モニタリング結果などと一致したが、中部、中国、四国の山岳地帯や北海道でも、低気圧が通過した際に同原発からセシウム１３７の微粒子を含む風が流入し、雨で沈着した可能性が示された。

http://www.asahi.com/national/update/1114/TKY201111140338.html

asahi.com（朝日新聞社）：「福島原発の放射性物質、西日本にも」研究チーム解析 - 社会 via

ryugo hayano
定時降下物データが存在しない3/19以前は見積に含まれないことに注意！ですね． @TJ_Yasbee: 「全国のセシウム137の汚染見積分布」論文PNASに発表。ノルウェーの拡散モデル+定時降下物。解析期間は3月20日～4月19日。 http://t.co/uy2JMMH0
6:56 AM,11月15日

それでも腑に落ちない事が…北海道は想定内でしたが、“山脈が丁度鉄壁で西日本は～”という見解は私も考えましたが、拡散・沈着モデル図を閲覧していると何故か各地の原発を連想してしまうのですけどね。

単独犯か、複数犯か…。

農作物についてついでに言及すると、3.11以前から産地偽装とは言えないながら結果的に産地偽称は基本ですので。
産地偽装なんて既に素地が出来上がっているという事で、御注意下さい。

3.11以降通販モノもかなりresearchしましたが、農家産直通販で包装が巷で流通しているモノと同じモノばかりだったり、出荷元が一元化され汚染地域だった場合、私は捨ててました。
今や食品購入は博打打ちですよ。

文部科学省には、冒頭の点を考慮した図表の公表を御願いしたいですね。

“Fukushima”由来沈着か各地の原発からのleak蓄積か～PNAS発表論文～