「この日記帳全部埋まったら、あの子に告白するんだ・・・」
それはもうじき冬にさしかかるであろうおととしの11月。僕はおじいちゃんから分厚い日記帳を貰った。その厚さは少年漫画の単行本2冊分、漫画家からしてみれば執筆に4ヶ月から半年くらいかかるほどの厚さ。ページ数で言うとちょうど500ページある日記帳を。
毎日1ページ書いていても、一年半以上ほどかかるほどの量なので途中でネタ切れにならないために、日記帳にある掟を作った。それは僕がその頃好きだった子の事をなにかしら日記の中に入れなければならないという、デスノートの死神の掟くらい厳しいものだったが、それを守らなければ僕とあの子は結ばれない・・・と念じ、僕は日記をつけ始めた。
日記をつけ始めた年が、ちょうど高校受験とかぶっていたがそんなことかまわなかった。あの子と結ばれるためだ、仕方ない。と思いながら毎日毎日、寒い日も暑い日も心地よくて眠ってしまいそうな日もデザートに母親自家製の粉っぽいプリンが出た日も書き続けていった。
僕はもともと三日坊主だった。進研ゼミをはじめても最初の月にちょっとだけかじって、その後は付録にしか興味がなくなるような典型的なものであった。それなので毎日書くのはなかなか精神的にもネタ的にも続けるのが困難になり、日記をつけはじめてちょうど一年たった頃、一ヶ月ほど休んでいた時期があった。
その時期は呪縛から解き放たれたような感覚に陥り、日記なんか書いてられないよ、というか今まで毎日まじめにやってきた自分に乾杯をしていた。しかし、日記から離れていく時間が多くなっていくほどなんだか切なくなっていく・・・本当にコレでいいのか。途中であきらめていいのか。あの子のことを思う時間がなくなっていいのか。と。そう思っていくうちに僕は再び日記を前にペンを走らせていた。第二部発進である。
第二部でも何度か心が折れそうになった。それでも、休んでいた時期のダメな自分を思い出してなんとか毎日書き続けていた・・・誰かにその日記を見られてるでも、誰かに強制されているわけでもない、ただなんとなくではじめた日記をここまで続けてきた自分というシャンパンに酔っていたのかもしれない・・・
そして今日。とうとうこの日記帳は満腹を僕に告げた。そしてそれは日記帳が僕に告白を急かしているのと同じことであった。僕は近くの公園の時計台の下に、と彼女にメールを打ってよそ行きの洋服と日記帳を手にそこへ向かった。
僕は待ち合わせ時間の5分前についたが、その前に彼女は来ていた。呼び出しといて先に彼女に来られていたからなんだか罪悪感にかられながらも、心の準備を整え、彼女に話しかけた。
「ごめんごめん、待った?」
僕はよそ行きの声で聞いた。別に待ち合わせ時間に間に合っているのにこのセリフを言うのは好印象だろうと、ちょっとパニくっている僕の頭の中でも思ったので口に出してみた。
「んーん、全然。」
「ならよかった。」
「で、話って何?」
突然こんな時期に呼び出しておいて世間話をするわけがない、と思っているのに女の子はこのセリフを言う。まぁ男にとってはそういう会話の展開の方がベストだし、「私のことが好きなんでしょ、ウフフ」なんていうのは野暮だ。ここからどう話をしていくか困るし。とかこんなところに来てワケのわからないことを考えている僕に一人ツッコミしたいという衝動を抑えて、よそ行きの手提げ袋の中から端っこが日焼けで茶色に焼けた分厚い日記帳を出した。
「コレが僕の気持ち。受け取って。」
彼女は最初のページを口に出して読んだ。
「『この日記帳すべてを埋めたとき、僕は愛しの○○ちゃんに告白します。』どういうこと?」
「そういうこと。」
彼女はパラパラとページをめくっていって、そして最初から最後まで日記で埋まっていることを確認して、パタリと日記帳を閉じた。
「うぇーきもちわりぃ、カンベンカンベン。」
「!!!」
そういうと彼女は日記帳を僕につき返して足早に帰っていった。僕からある一定の距離を置いたところで携帯電話を開いて、そのまま歩いていった。
僕は公園で泣きそうになったけど、小さい子供にその現場を見られていたので涙腺をキュっと絞めてそのまま我慢して家に帰った。今日のことを誤ろうと思って携帯を開き、彼女にメールを送ろうとしてももう送れなかった。
----------------------------------------------
と、いうことで今日がドメテクの日記、投稿数ぴったり500ゥゥゥ!めでてー!
※このお話はフィクションであり、実在の人物・事件なとには、いっさい関係ありません。
それはもうじき冬にさしかかるであろうおととしの11月。僕はおじいちゃんから分厚い日記帳を貰った。その厚さは少年漫画の単行本2冊分、漫画家からしてみれば執筆に4ヶ月から半年くらいかかるほどの厚さ。ページ数で言うとちょうど500ページある日記帳を。
毎日1ページ書いていても、一年半以上ほどかかるほどの量なので途中でネタ切れにならないために、日記帳にある掟を作った。それは僕がその頃好きだった子の事をなにかしら日記の中に入れなければならないという、デスノートの死神の掟くらい厳しいものだったが、それを守らなければ僕とあの子は結ばれない・・・と念じ、僕は日記をつけ始めた。
日記をつけ始めた年が、ちょうど高校受験とかぶっていたがそんなことかまわなかった。あの子と結ばれるためだ、仕方ない。と思いながら毎日毎日、寒い日も暑い日も心地よくて眠ってしまいそうな日もデザートに母親自家製の粉っぽいプリンが出た日も書き続けていった。
僕はもともと三日坊主だった。進研ゼミをはじめても最初の月にちょっとだけかじって、その後は付録にしか興味がなくなるような典型的なものであった。それなので毎日書くのはなかなか精神的にもネタ的にも続けるのが困難になり、日記をつけはじめてちょうど一年たった頃、一ヶ月ほど休んでいた時期があった。
その時期は呪縛から解き放たれたような感覚に陥り、日記なんか書いてられないよ、というか今まで毎日まじめにやってきた自分に乾杯をしていた。しかし、日記から離れていく時間が多くなっていくほどなんだか切なくなっていく・・・本当にコレでいいのか。途中であきらめていいのか。あの子のことを思う時間がなくなっていいのか。と。そう思っていくうちに僕は再び日記を前にペンを走らせていた。第二部発進である。
第二部でも何度か心が折れそうになった。それでも、休んでいた時期のダメな自分を思い出してなんとか毎日書き続けていた・・・誰かにその日記を見られてるでも、誰かに強制されているわけでもない、ただなんとなくではじめた日記をここまで続けてきた自分というシャンパンに酔っていたのかもしれない・・・
そして今日。とうとうこの日記帳は満腹を僕に告げた。そしてそれは日記帳が僕に告白を急かしているのと同じことであった。僕は近くの公園の時計台の下に、と彼女にメールを打ってよそ行きの洋服と日記帳を手にそこへ向かった。
僕は待ち合わせ時間の5分前についたが、その前に彼女は来ていた。呼び出しといて先に彼女に来られていたからなんだか罪悪感にかられながらも、心の準備を整え、彼女に話しかけた。
「ごめんごめん、待った?」
僕はよそ行きの声で聞いた。別に待ち合わせ時間に間に合っているのにこのセリフを言うのは好印象だろうと、ちょっとパニくっている僕の頭の中でも思ったので口に出してみた。
「んーん、全然。」
「ならよかった。」
「で、話って何?」
突然こんな時期に呼び出しておいて世間話をするわけがない、と思っているのに女の子はこのセリフを言う。まぁ男にとってはそういう会話の展開の方がベストだし、「私のことが好きなんでしょ、ウフフ」なんていうのは野暮だ。ここからどう話をしていくか困るし。とかこんなところに来てワケのわからないことを考えている僕に一人ツッコミしたいという衝動を抑えて、よそ行きの手提げ袋の中から端っこが日焼けで茶色に焼けた分厚い日記帳を出した。
「コレが僕の気持ち。受け取って。」
彼女は最初のページを口に出して読んだ。
「『この日記帳すべてを埋めたとき、僕は愛しの○○ちゃんに告白します。』どういうこと?」
「そういうこと。」
彼女はパラパラとページをめくっていって、そして最初から最後まで日記で埋まっていることを確認して、パタリと日記帳を閉じた。
「うぇーきもちわりぃ、カンベンカンベン。」
「!!!」
そういうと彼女は日記帳を僕につき返して足早に帰っていった。僕からある一定の距離を置いたところで携帯電話を開いて、そのまま歩いていった。
僕は公園で泣きそうになったけど、小さい子供にその現場を見られていたので涙腺をキュっと絞めてそのまま我慢して家に帰った。今日のことを誤ろうと思って携帯を開き、彼女にメールを送ろうとしてももう送れなかった。
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と、いうことで今日がドメテクの日記、投稿数ぴったり500ゥゥゥ!めでてー!
※このお話はフィクションであり、実在の人物・事件なとには、いっさい関係ありません。




