「これ…なんで?」

 

 社交ダンス初心者の私にとっては、レッスンはやることなすこと全て謎だらけの日々でした。たくさんある謎のうちの一つが、ラテンのウォークで足が着地する時につま先を外側に向ける動作、「ターンアウト」でした。バレエにおいては基本の形らしいのですが、なぜこれをやる必要があるのかがわかりませんでした。

 

 ターンアウトやバレエについていろいろ調べてみたら、やはりダンス理論的(解剖学的?)にはちゃんとした理由がありました。可動域が増える、軸が安定しやすくなるなど様々なメリットがある上に、結果的に筋肉のつき方が変わってダンサー体形になりやすい、という嬉しい副産物もあるようです。バレエをやる場合にはこのターンアウトがハードルになる場合もあるようですが、あまり頑張らなくとも無理なくターンアウトができてしまう人もいるようで、こういう柔軟性は特に個人差が大きいようです。バレエやダンスを始めた年齢の影響も大きいでしょうね。

 

 海外の一流のバレエ学校の話ですが、入学試験で子供の「骨格」をよく見るということを聞いたことがあります。骨格的な特徴からダンスの限界が分かるので、他の能力に長けていても骨格で落とされてしまうこともあるとか。ここまで来ると、もう努力などではどうにもならない世界。才能とは、英語で言えば「ギフト」。まさに、「神様からの贈り物」

 

 閑話休題。まぁ、いずれにしろ、ダンスや特別な運動経験のない中高年は、プロのバレエダンサーのような(180度開くような!)綺麗なターンアウトはまずできないです。ターンアウトは、足首から下は「結果的にその形になっている」だけであって、股関節を開いて脚全体が外旋している状態を作ることが大切なのですが、そんなことは見た目の形だけからはわからないですよね。

 

 股関節が動いていないのに膝や足首でターンアウトする「なんちゃってターンアウト」は非常に危険で、形だけ真似しても意味がないばかりでなく、重大な怪我につながる場合があります。まあ、程度問題ではありますが。

 

 個人的な感覚ではありますが、つま先の角度にこだわるよりも、「動きの中でどれくらい股関節を使えているか」、ということのほうが大切なような気がします。

 

 しかし、そんなことは自分でいろいろやってみたり調べてみたりするうちに後でわかってくるわけで、最初はやってみたい好奇心がリスクに勝ってしまうわけです。人類はそうやって痛い目にあいつつ、そこを乗り越えて生き残った人間が進化してきたんでしょう…。

 

 私も、ルンバウォーク(ターンアウト)を習った当初は、つま先をもっと外に向けよう、着地を少しでも綺麗にしよう、といろいろ試しました。そのために、ストレッチとか筋トレとか、いろいろやりました。そして、身をもって体験することになります。

 

 「生兵法は大怪我のもと!」