社交ダンスで、決められた一定の踊りの形を足型(フィガー)と呼ぶことがあります。初心者は、この基本的な足型を一つ一つ覚えていくわけですが、その言葉だけから想像すると、入門本に「これで踊ってください」とばかりに、ペタペタと足跡で足型が示してあるのは正しいようにも感じます、

 

 確かに、一歩一歩足跡をたどっていけば、その場所には行けますが、足を置く位置以外の情報は足跡からはわかりません。足跡は、複雑なダンスの動作のほんの一面を示しているに過ぎません。

 

 そもそも、社交ダンスの動きはどうやって覚えたらよいのでしょうか?まずは、先生の動きを真似するところからスタートすることが普通だと思います。すなわち、少なくとも動きのコピーは3Dでやらなければ意味がないわけです。ちなみに、この3Dの動きのコピーの速さ、精度、再現能力は、音感とともにダンスをやってみて最も個人差を感じるところの一つではないでしょうか?これがいわゆるセンスってやつですよね。

 

 昨今は動画サイトなどで3Dの教材はいくらでも見つかりますが、社交ダンス特有の相手に合わせて動く(または相手を上手く動かす)コツは実際に組んで踊ってみなければわかりません。通常は、まずは先生に自分の足型を踊ってもらってそれを真似し、そのあとで組んで踊ってもらい、細かい微調整を繰り返す、という地味?な作業の繰り返しになるのではないでしょうか?そうじゃない天才肌の方もいらっしゃるでしょうけど!

 

 まぁ、いくらデートの前にマニュアル本読んでもデートが上手くいくわけでなし、いくら「ゼクシィ」を穴が空くほど読んだところで結婚生活が上手くいくとは限らないってところでしょうか?

 

 結局、社交ダンスは(特に初心者のうちは)、経験者に習わないとできない、ダンスの中でも特に独学が難しいダンス!ということが、少しずつ、少しずーつ分かってきました。アマゾンで買った本は早々にブックオフで売ることになりました。

 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

 

 これは、かの連合艦隊司令長官・山本五十六氏の言葉ですが、これを、社交ダンスを習う立場から書き換えてみるとこうなるでしょうか…。

 

「やってもらって、言って聞かせてもらい、させてもらって、ほめてもらわねば、初心者は動けず。」