「それでは、来週お待ちしてまーす!」

 

あっという間の体験レッスンを終えて次回の個人レッスンの予約を終えると、例の髪の長い先生に見送られながら、私はビルの階段を下りたのでした。「スロー、スロー、クイック、クイック!」。体験レッスンの「3歩」を頭の中で反芻しながら...。

 

「泣きの3歩」と格闘しながらも、何とか体験レッスンの最後のほうには足元に「ジルバ」らしき気配が漂い始めました。それを見た先生が、「じゃあ、私と踊ってみましょう」って、そんなご無体な、あ~れ~って...。

 

...。アレ?3歩踏んでる私の前で、時々私の手を取って先生がくるくる~って回ってるだけのような気がしましたが...。これがジルバ?これが社交ダンス?なんだか、竜宮城の乙姫様に歓迎されてるみたいだな~などど思っていたら、最後には玉手箱の代わりに、レッスンチケットを握らされて、私は竜宮城の夢から覚めたのでした。

 

緊張感と期待感いっぱいで望んだ体験レッスンでしたが、なんだか踊れたような踊れないような不思議な手ごたえの無さ。ここはひとつ、今日の復習と来週の予習をせねば~と一念発起。しかし何しろ未経験の全く新しい分野なのでアプローチがわからない。

 

「ここはやっぱ「攻略本」でしょ。ドラクエ(ファミコンのロールプレイングゲーム)にも攻略本あるし、受験の時は「赤本」があったし!」

 

初心者でもすぐ踊れる!社交ダンス入門(*タイトルはイメージです)みたいな本をアマゾンで探し、ぽちっとな。

 

「よーし、これで練習するゾ。来週には乙姫様もびっくりだ....。たぶん」