いくら特定支出控除の利用を見越しているといっても、航空券代はなるべく抑えたいものです。ただ、実際には週末に往復するので使える便の選択肢は限られます。私の場合、金曜の最終便か土曜の朝イチ便で東京に飛び、日曜の最終便か月曜の朝イチ便で福岡に戻る便しか、現実的に選択肢にはなりません。そういうすごくニッチな話なので、特定支出控除を考える人全般にどの程度参考になる話なのかはよく分かりませんが、なるべくリーズナブルに帰宅するために自分がどうしているのかをまとめてみます。

前提として、私は福岡羽田便を使っています。理由は簡単で、自宅の所在地です。自宅は羽田空港に近く、羽田空港を6時台に出る便や、羽田空港に23時頃に到着する便に乗っても、問題なく空港と自宅との間を行き来できます。反面、成田空港は遠いので、成田発着のLCCは検討対象から外れます。費用節約の面からはこれは地味に痛くて、千葉県に住んでいたら成田のLCCを活用してもっとお得に帰宅できるのに、と何度も思っていますが、仕方ありません。

羽田福岡便を運行しているのは、ANA、JAL、スカイマーク、スターフライヤーの4社(アルファベット順)です。この4社のうち、ANAとJALは伝統的なフルサービスキャリアで、スカイマークとスターフライヤーはLCCではないものの独自路線の新興キャリアになります。機内サービスの違いなどはあまり気にしないのですが、前二社と後二社は予約という観点から大きな違いがあります。それは、予約の開始時期です。

ANAとJALは、約1年前から予約が可能なので、非常に先の方の日付のチケットの値段が分かります。ただし、1年前にヨーイドンで出る運賃が結果的に一番安いとは限らず、その後に運賃が改定されたりセールがあったりするので、1年後の最安運賃はあくまで目安程度に考えておくとよいと思います。

そして、この両社はキャンセル料も傾向が似ています。55日前までのキャンセルであれば、ANAは片道当たり440円、JALは購入金額の5%の取消料でキャンセルが可能です。このキャンセル料を55日前までの手付金だと考えれば、キャンセル覚悟でかなり先の予約をその時点の最安値で押さえておけるわけです。

一方で、スターフライヤーやスカイマークは、年に3回くらい、数ヶ月分の航空券を一斉発売します。発売開始日にヨーイドンで予約すれば、そこで設定された最安運賃で予約を入れることが可能な場合が多いです。ただ、この最安運賃の予約はキャンセル料が非常に高額だったり、キャンセル時の返金がなかったりするものなので、それで予約するということは、その便に乗るという前提でなければいけません。

さらに状況を面倒にするのがセールの存在です。特に2023年は、ANAが創業70年記念ということで全国片道7000円セールを展開し、JALも対抗して6600円セールを展開しました。この種のセールは拾えれば安いのですが、2つ問題があります。1つは、セールの対象期間が限られる上にセールの対象期間が事前には分からないということ。もう1つは、実際にセールチケットが買えるとは限らない(売り切れがある)ということです。

単身赴任者は、これらの3つの変数を前提にして、最適解を見つけなければいけません。

そんな中で私がどうしているかというと、ANAやJALで片道当たり1万4000円を切る運賃が出ている週末については、それ以上悩まず1年近く先だろうが何だろうが、予約を入れて購入してしまいます。1万4000円という金額の根拠ですが、これまでのセールの最安値の2倍目安で、後出しで発売になるスカイマークやスターフライヤーの最安運賃もこれより少し安いくらいに落ち着くことが多いという経験によります。

これでとりあえず席を押さえておいて、後でもっと安い運賃が出てきたら、それが搭乗55日以上前ならキャンセルして別の会社の運賃で買い直します。一方、もっと安い運賃が出てきても、55日を切っていたらキャンセル料が購入額の半額に跳ね上がるので、実際上買い直しは損であることがほとんどです。だから、そのまま予約を維持します。あるかどうか分からないセールに期待しすぎても振り回されるだけなので、ここは割り切っています。

ただ、セールでの買いなおしという観点から要注意なのがJALの往復セイバーです。この運賃は、往復でセイバー運賃の航空券を購入する場合に、5%割引になるというものですが、片道区間だけのキャンセルができません。キャンセルしたら割引が解除されて5%割高になるというだけならいいのですが、そうではなく、往復ともキャンセルするしかないのです。

この場合に、片道分(往路)だけ後からセール運賃をとれたとして、その時点で復路の運賃が高かったら、往復セイバーを丸ごとキャンセルすると損になる、ということもあり得ます。

セールが絡まなくても、予定が不確定で片道分だけ取り直しが発生する可能性がある場合も、往復セイバーは向きません。その場合、5%の割引はなくても、片道の割引運賃を検討することになります。

この点、ANAの往復ディスカウントは、今のところ往路か復路の片道だけをキャンセルでき、そのかわりにキャンセル時にディスカウントが解除されるという運用のようなので、使い勝手の点で勝ります。

そんなこんなで、セールの活用は色々と制約条件も多く、そもそもその時期にセールがあるのかどうか自体をアテにできないこともあるので、定期的な帰宅に組み込むのは悩ましいところです。ただ、帰宅予定でなかった週末にセールが設定されて、そのセール運賃でチケットが買えた時は、帰宅の回数を増やすことができるので、ありがたい存在ではあります。2023年のANAやJALのセールのときは、諸費用込みで片道7000円前後という破壊的な安値だったので、実際にセールを活用して追加の帰宅が叶ったりもしました。

話を戻します。

1年前の時点で片道あたり運賃が1万4000円を超える時期には、2つのパターンがあります。1つはゴールデンウィークと盆暮れ正月、要するに超ピーク時期です。この時期はどうやっても安いチケットは出ないので、第一選択としては、発売初日にマイレージの特典航空券を狙います。超ピーク期とはいえ、家族旅行をするわけではないので1席あればよく、意外と何とかなったりします。

マイレージで席が取れない場合、株主優待運賃の活用を検討します。ただ、最近はピーク中のピークと思われる日でもなければ、株主優待運賃よりも安い割引運賃があるので、その場合は割引運賃で席を確保することになります。超ピーク時期に関してはあまり選択肢がないので、仕方ありません。

超ピーク時期以外で片道あたり運賃が1万4000円を超えるときは、とりあえず保留です。1年以上にわたって1年後の航空運賃を見てきた感じだと、1月から4月までの時期は、総じて運賃が高いです。春休み時期は長期休暇に転勤に進学と需要が重なるので分かるのですが、2月が高いのは謎です。でも、どういうわけか観光シーズンのはずの10月や11月よりも高い運賃しか出てこない傾向です。どうしてこの時期が高いのかはよく分かりません。大学入試のシーズンだからでしょうか。

ただ、こういう時期については、スカイマークやスターフライヤーの一斉発売時の割引運賃は結構安いことも多いですし、少なくとも高めの1年前運賃よりは、新興2社が通常安価なので、新興2社の一斉発売日まで待つことが多いです。そうこうしているうちにセールが行われることもあるので(2023年2月に関しては、2022年11月29日にANAがセールを実施したので、結果的に格安で帰宅できた週末もありました)、焦らず待つ感じです。

そんなこんなで、条件としては色々複雑ですが、最適なチケットを確実に確保するべく、定期的に航空券を検索しては予約しています。常に1年近く先まで20便とか30便とかの予約を管理しつつ、セールがあれば取り直しとキャンセルといったことをしているので、航空チケットの予約と管理自体が1つの仕事のようになっています。もともとこういうのが好きなので苦にはなりませんが、これが苦手だと、飛行機が第一選択になる距離の単身赴任は地獄だろうなと思います。