舞台裏からみたクラシック~本 | コンサートホールのお話など

コンサートホールのお話など

レセプショニストとして働いているコンサートホールでのお話や、クラシック音楽やとりとめのないことなどを綴っています。

「舞台裏からみたクラシック

 ~音楽の創造とプロデューサー~ 」




コンサートホールのお話とピアニスト松浦健さん応援ブログ



相澤昭八郎:著

2006年2月15日第一刷発行

朔北社


プロローグから抜粋


プロデューサーとしてレコードの制作やコンサートのプロデュースで音楽創造の現場に深く関わり、他方で評論や研究のために聴衆の側から音楽に接してきた。つまり、音楽に裏と表から職業として接した経験は、音楽を創造する作曲や演奏、それを経済的に成り立たせるプロデュースやマネージメント、更に音楽を享受したり評価する聴き手の三者を包括するもので、いずれかの側に属する分化した、また専門化した立場とは自ずと異なった視野があり、そこから知られざる真実が発見されるのではないか


これまで当たり前と思われていた事柄に多くの誤りや誤解があり、全く知られていない真実も沢山見えてくるような気がしてきた


喝采を浴びるパフォーマンスの誕生には、その裏側に意外なエピソードや実が隠れていることがある。だがそれを知り得るのは、ほんの僅かな人達でしかない。もっと多くの人がそうした事情やプロセスを知ることで、音楽の面白さや奥深さへの理解が深まれば、これまで重ねてきた自分の経験や体験が生かされるわけで、こんなに嬉しいことはない。クラシック音楽の底辺を拡げることに役立つかもしれない


       ♪        ♪        ♪


こんなふうに著者の想いが語られた後、繰り広げられる本書の内容は、クラシック音楽を楽しまれる皆さまに、これまでと少し違った角度から触れていく機会を与えてもらえるかもしれません。



CDの聴き比べを楽しまれている方は多いと思いますが、その編集のプロセスの裏話や、コンサートのプログラムを組むプロセス、それに、ソリストがどんな風に選ばれたりしているのかという現実!!等々、その他 対談形式も含め、著名な方々のエピソードは具体的で解り易く、現実味を帯びて感じることができるお話です。

 

コンサート通い、CDのコレクションにすっかりプロになっていらっしゃる方には一石を投じられ、また新鮮かもしれません。


本来ならばこのブログのテーマとしては「プログラムの外で」に入れたいものですが、敢えてこちらに。よろしかったらご一読ください。