演奏会を開く、スタッフの立場になったときに、少し意識して気をつけたいことがあります。ついつい、ちょんちょんとお客様の肩を叩いて呼び止めたくなるようなシチュエーションが結構多いのですが、決してお体には触れないようにしましょう
プログラムを受け取らなかった、何か落として気付かなかった、その他何かのコメントが必要な場合など色々あります。呼び止めても気付かないまま雑踏に紛れてしまいそうなときも、まずは少し声を大きくして「お客様!」と、可能であれば自分が視界に入るようにやや回り込むなどしましょうただし、あくまでも大声でなくエレガントに…
お客様のお身体に触れないことは、客席のなかでも、演奏中で声が出せない時でも、原則として同じです演奏中は、お声掛けもジェスチャーが基本で、声は出さないように気をつけます
一番困るパターンは真ん中のお座席の方へのお声掛けが必要なときで、まさか座席の列に入っていくこともできませんし、ただでさえ周囲の注目を集めてしまいます。いびきも眠っているからこそ発生しますので、ご本人は気付きようがないので困ります。他には指揮の振り真似をしたり、ノリノリになって激しく体を動かされているなどのパターンが多くみられますこれも、ご自身の世界に入っていらっしゃるため、まず気付いてもらいにくく、難しいところです
ご本人が気がつかない場合は、お連れ様がいらっしゃれば、だいたいはお連れ様が気づいて注意してくださるので助かります。ただ、時々あるのですが、ご夫婦など、2人揃って問題を起こしていて、注意されることに納得がいかないのも困りものです
相当何か周りのお客様にとっても迷惑な問題を起こされている場面になった場合は、とりあえずレセプショニストはその問題にちゃんと気付いていて、対処の途中であるということを周囲の方に察していただくように(これがとても大切なことなのです)、できる限りのゼスチャーで食い止めようとし、後は責任者に次のタイミング(曲が終わるなど)で声をかけてもらうのが一般的な対処となるのではないでしょうか
その為のは、演奏中であっても、音の大きなところなど、それなりのタイミングを見計らいつつ一旦外に出て、外のスタッフに起こっている事態の報告をし、責任者に速やかに連絡を取ってもらいましょう。そのとき、席番を必ず、そして何歳くらいの男性・女性、服装など、わかりやすく特徴を伝えましょう周りのお客様の反応も伝えられるといいですね。(迷惑そうかどうかなど。)
その後、戻れるタイミングがあれば、そっと客席に戻っても差し支えはないでしょう空けていると、次に何かが起こっていてもわかりませんそういう意味で、客席に誰もいない状態を作ることは避け、配置の人数と位置は考慮しましょう
レセプショニストが気付かなかったり、あるいは全く気付かない程度で問題がないようでも、気になる方にはたまらなく我慢し難く、殴り合いの喧嘩に発展・または口論になることもたまに起こることです休憩が終わって後半が始まりそうな時に始まることが多いです。演奏者自身と、その演奏・コンサートの進行を守る、という観点から、場内係になった人は、気を引き締め、冷静にあらゆることに対処できるようにアンテナをピンと張っていましょう
責任ある立場に立たれる方も、そのようなことが起こった場合に備えて一度は対処の心づもりをし、また、毅然とした態度も必要な場合があることも念頭に置いていただきたいと思います
ピンチを切り抜けながら、何事もなかったかのように、お帰りの際には皆さまに満足して帰っていただけるようにしたいですね