クラシックのコンサートの途中入場については、2010年8月9日の記事で詳しく書いていますので、そちらも併せてご参照いただきたいと思います。内容が重複してしまいますが、今回は特に室内楽だけで構成される演奏会を念頭におきたいと思います
クラシックのコンサートホールは、音にデリケートですので、遅れてきたお客様が途中で入場されるときは非常に神経をつかいます。曲と曲の間にお入り頂くことが一般的ですが、出演者が一旦舞台袖に下がられたチャンスやMC中、拍手の音に紛れたりしながら入っていただいても、開演から鑑賞されているお客さまの既に入り込んでいらっしゃる世界の邪魔をしてしまいます実際に、途中入場に寄せられるご指摘の声は多いです。
ですので、本来的にはどんな構成でも途中入場は一切ないに越したことはないのですでも、折角いらしたお客様に、聴いていただきたいのも事実です。そこで、なんとか折り合いをつけた結果が上記のタイミングです
そのタイミング(拍手・舞台袖に下がるetc)の条件が整わない演奏会があります。それは、室内楽です。たいてい3~5楽章くらいの楽章を合わせて1曲と数えますし、楽章の間を空けないでほぼ続けて演奏することも多くあります。途中でご入場いただく時間もありませんし、ドアや人の動く音はおろか、ざわつく気配までが1曲の途中で発生してしまうことになりますこの1曲という定義がご理解いただけないお客様が結構多くて、苦情につながってしまうことがあります
前半1曲、後半1曲という室内楽オンリーの演奏会では、どうなるのでしょうか。休憩時間のみがチャンスということになりますアンコールのときもOKかもしれません。
でも、演奏者と主催とコンサートホールで、事前に考え、せめてここだけは…というチャンスを設けることが多いです。それはほとんどが開演後最初の曲の1楽章の後ということが多いパターンですぎりぎり間に合わなかった人が多く発生するのを考慮してのことでしょう。それを過ぎたら、もう入れないという認識を持っていていただけるといいなと思います
もし、運よく途中で中に入れることになっても、ご自分の席までは行けず、扉を入ったところで1曲の最後まで立ち見となることが一般的ですので、残念ですが、せめて生の音を聴くか、あるいはロビーのモニターで座って鑑賞するか、チョイスしていただければと思います
最後に、ちょっと豆知識もしも、遅れていらしたときに立ち見とご案内があっても、遅れて中に入る人が他にいないときは、「もしかしたら」レセプショニスト用のではありますが、本来の立ち見の場所で椅子に座って聴くことができるかもしれませんそれは、ギリギリのタイミングまでは遅れていらっしゃるお客様が何人増えるかわかりませんし、ご案内の時点では申し上げられません
逆に、そういう人数の公平さの問題で、一度座れたことがあったからといって、いつも座れるわけではないのです。よそのホールでは座れた、ということも、同じ事情か、あるいはその公演に関してはOKだったということと理解してください
交通事情やお仕事の都合など、事情はあるかもしれませんが、
「室内楽は基本的には途中で中に入れてもらえない。」という認識でいらしてくださいますように