王子たちが中庭で羽根蹴りをしているのをユノと一緒に眺めている。

「二人とも上手いもんだなあ。」

ユノは胡座で頬杖をついている。

王子たちは時々こちらを振り向いて手を振ったりしつつ、羽根を蹴り上げていた。


ん?


羽根を蹴るのをやめた二人が空を見上げている。

「どうしたんですか?」

声をかけると、ドンジュが空を指してこちらを見た。

「お父様、父上、空から花が降ってくるよ。」


え?

パラソルの下から出てみると、まさに花びらが舞落ちてきていた。

…あぁ。


「久し振りだな!」

空に現れた二つの光は、龍の姿になった。

赤いたてがみで金の龍はヒチョリヒョンだ。

そして、今日は白銀の龍もいた。



「ドフン、龍だ。」

「うん。初めて見たね。」

王子たちは口を開けたまま二頭の龍を見上げている。


「ヒョン!そのままだと皆の首が痛くなっちゃうよー」

ユノが声をかけると、二頭の龍は降りてきて変化(へんげ)した。


「よう。ユノ、チャンミン、元気か?」

仁王立ちでドヤ顔のヒチョリヒョンだ。

「久し振り。ヒチョリヒョン、この子たちが俺たちの子供だよ。」

僕は王子たちの背中を押した。

「ドフン、ドンジュ、ご挨拶を。この方はは東の使い龍ヒチョル様です。」


「初めまして、ドフンです!」

「初めまして、僕はドンジュです。」


誰に教わったのか、二人とも恭しくお辞儀をしたのを見て驚いた。


「使い龍のヒチョルだ。さすがユノとチャンミンの息子たちだな。」

ヒチョリヒョンは王子たちの頭をガシガシと撫でた。


「ヒョン、そちらの方は?」

顔をふせて膝をついている人(ていうか龍だけど)を見る。


「ユン、もういいぞ。」

ユンと呼ばれたその人は、静かに顔をあげた。