誤解をときたくて、つい、好きだと言ってしまった。

こんなはずじゃなかったのに。

本当は誤解を解いてから、シャンパンでも飲みながら口説く予定だったのに。

こんな素敵なお店にいるのに。

目の前にあるのは水のグラスだけなんて、ムードもへったくれもありゃしない。

はあ。




「好きって言った」

へ?

「僕を好きって言った。」

チャンミンが少し俯きがちに空になったグラスを弄びながら、ボソボソ喋っていた。

そのまま聞いていたら、好きにもいろいろあるとか、恋人になりたい好きとは限らないとか言い出した。

ん?僕と違って、って言ったか?

チャンミンて、思ってることが口から出ちゃうのか。

これを逃したら、もう機会はないかもしれない。

このまま捕まえなくちゃ。