好きって、言った。

僕のことが好きだって。

や、待て待て、好きにもいろいろあるじゃんか。

友達の好きとか、先輩後輩の好きとか、ヒョンとして好きとか。

僕みたいに、こ、恋人になりたい好きとは限らない。




「限るよ。」

へ?

「チャンミン、俺の好きは恋人になりたい好きだよ。」

へ?

「全部聞こえてるけど、もしかして無意識?」

あんなに必死感満載だった副社長は、ニコニコしながら頬杖をついていた。


その姿があまりにかっこよくて、心臓が大きく跳ねた。

すると、副社長の手がスッと伸びてきて、僕の耳を触った。

「なななななな何をっ」

「チャンミン、耳が真っ赤だよ。」

うわーっ!

こんな触られ方初めてだし!

身体中の熱が全て顔に集まっているみたいだ。

「ありゃりゃ、顔も真っ赤。」

僕の耳を触っていた手は、頬に触れてから離れていった。

「で、チャンミン、俺たち同じ気持ちだってことでいいのかな?」

きっと、ゆでダコみたいになっている顔で、僕は何も言えないまま頷いた。