昨日の打ち合わせの通り、僕はミノの店のテーブル席にいた。
そのテーブルはいつもの半個室の向かい側にあって、入り口のパテーションで半個室の中は見えない。
すでにヒチョルさんたちも待機している。
なんか、騙すみたいで微妙な気分だ。
店のドアが開く音がして、ミノが誰かをアテンドする声が聞こえた。
僕はドアに背を向けて座っていたから、誰が来たか分からなかったけど、ミノが僕の横で停まったから副社長が来たんだと分かった。
「チャンミン、お待たせ。俺が誘ったのに遅れてごめんな。」
座りながら言う副社長は、今日はカジュアルで髪もおろしている。
「いえ、僕が早く来すぎたんです。」
「何かお飲み物をお持ちしましょうか?」
ミノが声をかけてくれる。
「少し話したいから、それからでもいいかな?」
副社長の言葉に、ミノはニッコリと頷いて下がっていった。