足利事件で17年服役していた菅家和利さんの事について、いろんな人がそれぞれの

視点で語っているので、私は私の気になったことを。


この菅家さん、保釈された現在62歳。すでに年金支払い期間を過ぎている。

年金未納の為に無年金者となったのだ。これはテレビで少しだけ取り上げられたが、

ほとんど触れていない。



ところで年金だけど、受刑者はどうなるのか疑問に思い調べてみた。

すると、免除申請を行うようになっている。だがそれについては刑務所の職員が

受刑者に説明して手続きを行うようになっているのに、この説明を行っていない例がある。

さらにこのような文章を見つけた。

法務省が、全国の刑務所や拘置所などに対し、国民年金制度を収容者に説明するよう異例の指導していたことが18日、分かった。「島田事件」で再審無罪となった元死刑囚の赤堀政夫さん(71)=名古屋市南区=が「獄中に年金制度の説明を受けず年金加入の機会を失った」として、名古屋弁護士会に人権救済を申し立てた動きなどがきっかけになったとみられる。赤堀さんは「自分は悔しい思いをしたが、獄中の人の処遇が一歩前進したのはうれしい」と話している。

 国民年金は20歳から59歳までのすべての国民が対象で、受給資格を得るには、最低25年間、保険料(現在月1万3300円)を納める。給付額は保険料を納めた期間に比例する。所得がない人や、生活保護世帯の人などには、申請すれば保険料が全額免除され、その免除期間が保険への加入期間として算入される。

 しかし、刑務所などの収容者にこうした制度の周知は不十分だった。赤堀さんの場合は、国民年金法が施行された1961年当時、既に死刑が確定しており、獄中では年金制度について知ることができなかった。89年に無罪が確定し釈放された後、「年金加入の機会を失い、生存権を侵害された」として、名古屋弁護士会に人権救済を申し立て。同弁護士会は昨年3月、厚生省に年金支給を勧告したが、実現しなかった。

 また、服役中に保険料の免除申請をせず、納付期間が不足していた男が昨年5月、神奈川県平塚市役所で年金の支払いを巡って、同市の年金担当者を刺殺する事件もあった。

 今回の法務省による刑務所などへの指導は、収容者に保険料の全額免除を含め国民年金制度の説明をするよう求める一方、職員に申し出れば、収容者が申請窓口の各市町村に手紙を出すことも認めるとしている。これを受け、各施設では各房に冊子や壁に張り出す形で、収容者に周知を図っているという。

 同省保安課は「各施設で周知の仕方などにばらつきがあったので、統一的な指導をした」と話している。
 赤堀さんは「私は35年も無実の罪でとらわれていたうえ、年金を受けるという権利の外に置かれたが、今回の指導で、獄中の人の処遇が一歩前進したのはうれしい」と話している。

                      2000年5月19日  毎日新聞より


このように9年前からはこのように指導がなされているようだけど、菅家さんが

収監されたのは17年前。その頃は百歩譲って仕方ないとしよう。でも9年前からは

ちゃんとする事は出来たはずだ。なのに菅家さんは無年金者となった。これは彼が

収監されていた千葉刑務所ではこの説明をしていなかったと言うことだ。

これは大問題だと思うのに、マスコミは取り上げないよね~汗


菅家さんは仕事も今更出来ない。冤罪によっての国からの援助はあるが、とても

17年間強いられた生活への補償にはほど遠い金額だ。なおかつ年金ももらえないと

なると、彼はこれからどうしたらよいのか、その不安も多いだろうね。

マスコミは保釈された時から番組出演を依頼し、菅家さんもあらゆる番組に出ている。

でもこれも時間の問題だろうね。視聴率が取れないと分かったらもう見向きもしなく

なる、それがマスコミだ。



先ほどの毎日新聞で取り上げられていた35年間収監され、再審で無罪となった赤松さんの

ように、冤罪により収監されていた人たちが無年金となり苦しんでいるケースは結構あると言う。

いや、冤罪じゃなくても、刑期を終えた者が年金免除申請をしていなかった為に無年金と

なっている人も多い事だろう。生活する事が出来ない人間が追いつめられて刑務所に

戻りたいがために事件を起こす、このような話も聞くよね。


事件を起こした人間の保護を訴えてるんじゃない。再犯を防ぐ対策の一つとして、

生活がちゃんと出来るように刑務所側はきちんと説明をするべき。

これで一つでも犯罪を減らす事が出来ると私は思うんだけどね。



おまけ

保坂展人のどこどこ日記 と言うブログに、足家さんの年金未納問題 が取り上げられて

いるんだけど、驚いたことに4年前にも同じく冤罪で無罪となった免田栄さん  と言う方の

時にも年金が受け取れない問題を書いているので、参考までに。