読む人によって好き嫌いは分かれそうだけど。
本作は佐々木丸美の孤児四部作のうちの1つ。
舞台は札幌。内容は孤児院の5歳の女の子が遠足できた札幌市内で迷子になり、素敵な青年に助けてもらう。2年後くらいに女の子は、金持ちの家に預けられるが、家の手伝いばかりをやらせられ一家全員からいじめを受ける。そして7歳の頃2度目の家出をして以前迷子に場所でまた青年に再会する。
その後青年は一時だけ女の子の面倒を見るつもりで、里親を探し出すがいいのが見つけられず結局女の子を育てることになる。登場人物は他に青年の友達と青年の家事手伝いのおばさん、成長するにしたがって関わりあう人はさらに何人か増える。
この女の子が青年に引き取られてからは、比較的幸せに時が過ぎていくが、性格はなかなか思い込みが激しく、それでいつも周囲を振り回す。高校生くらいまではそれでもあまり気にせずに読んでいたが、大学生になってもそこに成長が見られないのは読み手としては少し愛想を尽かしたくなる。
本作は一応ミステリーであり、途中殺人事件がおきる。身近にいる人の犯行ではあるが絞り込めないでいる。この事件自体割と単純であるが、心に及ぶ波紋がいつまでも主人公の女の子に消えないでいる。
殺人に関する以外でも主人公の心情ばかり長々と記述されており、ラストにすっと幕が閉まるのは意外であり、また余韻もあってよかった。
濃密な作品であるので個人的には評価高めの73点。



