あなたが他の全てを差し置いて選ぶのは、恋ですか?友情ですか?
「地獄を見た、と心底感じるのに、戻りたいかと問われたら、私は戻りたいと答えるのだろう。」
恋に無関心だった圧倒的美貌をもつ蘭花は、大学のオーケストラに指揮者として迎えられた星近と出会い、初めて恋に溺れる。最初は容姿端麗で才色兼備な星近との恋愛は順調だったが、恩師との絶縁から星近はどんどん衰弱し、蘭花もまた翻弄されていく。そんな時に、ずっと蘭華を傍で支えていた留利絵。それでも、留利絵よりも先に、親友の美波に相談し、嫉妬心が強くなっていく。誰よりも蘭花を独占したいという思いが強くなってーー
感想
私はこの小説に、どっぷりハマりました。
美貌の蘭華と才色兼備の指揮者・星近。みんなが憧れる存在に選ばれる優越感や、恋にのめり込んで周りが見えなくなる心情ーー「分かる〜!」と共感の嵐でした。
特に前半の恋愛描写はキュンが止まらない!深月先生のリアルな心情表現が、まるで自分の恋愛の記憶を掘り起こすようで、一気読みしました。
一方で、後半の友情パートはイライラする場面も多くて(笑)。留利絵の嫉妬、美波との関係性に(なんでそうなるの!」と感情を揺さぶられっぱなし。
でもその「モヤモヤ」すら、この作品のリアルさの証拠!
登場人物が少なく読みやすいのに、ここまで心を揺さぶられる作品は中々ないはず!
恋に共感したい人、友情が何より1番の人は特に刺さる1冊です。
興味を持った方、ぜひ読んでみて下さい

















