個人的評価★★★★☆

新学期が始まり2年生となった古典部メンバー。新入生の大日向友子が古典部に仮入部することになり、間もなく部員たちとも打ち解け良好な関係を築いているように見えた大日向だったが、ある日入部しない旨を告げて去ってしまう。その原因はどうやら千反田にあるらしくー?
千反田と大日向の間に誤解が生じていると判断した奉太郎はふたりのすれ違いの解決に乗り出す。

感想(若干ネタバレあり)


















入部の締め切り日であるマラソン大会の日がタイムリミットと判断した奉太郎は、走りながら事件の解決に挑みます。「大日向が仮入部してから何が起きたのか」という回想パート、「古典部メンバーたちの証言」パートで構成されており、展開や奉太郎の推理はさすがの面白さです。

新キャラの大日向も、学園物でよくある「新入生の馴染まなさ」を感じない良いキャラクターでした。それ故に結末のやりきれなさ、苦さはシリーズ中随一です。

結局大日向の問題は解決せず幕が下りてしまうので、更にここに切り込んでいくのか続編に注目していきたいです。

好きなシーンは

なぜカボチャを置いたのか
手はどこまでも伸びるはず

何をする部活か未だに定まっていない古典部が新入生勧誘に挑む無謀さも笑えるところですが、勧誘活動中、向かいの製菓研のテーブルに違和感を覚えた千反田と奉太郎のやりとりは前作の「心当たりのあるものは」に近いものがあり楽しめました。私も大日向と同じく、仲良しな感じが好きなのです。

そして今回の奉太郎の推理もクドリャフカの順番同様切れまくりですが、終始心苦しい解決となります。「あんたは人を見ない」という伊原の言葉に心を痛めたり、大日向の心を探り暴くことに葛藤し、解決後も悩む様を見せています。これは大きな成長と言って良いのではないでしょうか?

大日向の問題と同じく、奉太郎の選択や彼自身の変化も今後の展開に注目したいですね。