僕らのプリズンブレイク~独身寮での奴隷生活~

僕らのプリズンブレイク~独身寮での奴隷生活~

新卒入社後、某地方都市の独身寮にぶち込まれたサラリーマンのブログです。

皆さんの環境はどうですか?


私なんてまだまだ甘い、、、でしょうか?


安心したいです。

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風呂入りにいったらマヨネーズ片手に浴室へ向う寮生発見。


小太りででへでへ笑って愛想はいい。頭はハゲ散らかしているが。


それにしても風呂場へマヨネーズもって行くのは不気味だ・・・


何に使うのか観察してると、


湯船につかりながらちゅーちゅー吸い始めやがった。


ただのマヨネーズ好きかと思ったが、


いきなり頭皮に塗りたくっているではないか!


マヨネーズって頭皮にいいのかな?


油つまってハゲそうだが・・・・


てか、そのおっさんすでに手遅れなくらいハゲてるし・・・・


自分もああならないよう頑張ろう。

屋上でたそがれ、そして一日も早い脱出を誓った後、

まちにまった夕飯を食べに食堂へ向った。


コンクリートの白い壁の部屋にはボロボロのブラウン管TVが1台、

食卓は長いテーブルが3つ横並びに置いてあり10人くらいは一緒に食事をとることができる。

椅子はパイプイスで綿が飛び出ていたり賑やかな感じだ・・・

食堂全体のイメージとしては、ドキュメントに出てくる刑務所といった所であろうか。

まぁ寮の造りからして内装には期待していなかった。



ちなみに食堂のスタイルとしては、各自のネームプレートが置かれた作り置きのおかずを取る。

それからごはんと味噌汁は自分で盛る。

食べ終わったら水道の蛇口をひねって軽く水洗いして食器を戻す、といったところだ。




絶望を味わった後、唯一の楽しみである夕飯を目の前にし、

皆かなりテンションが上がっていたのを覚えている。

キングなんて

「俺めちゃくちゃ腹へってんねん。白飯特盛や~!」

と言いながら山盛りにご飯をよそっていた。

私も味噌汁を並々に注いだり、ご飯を多くよそった。


「いただきます!」


この声を皮切りに楽しい晩餐会が開始された。


だが、

おかずプレートにのっているプラスチックの蓋を皆で一斉に取った瞬間空気が変わった。


「な、なんやこれ・・・」


唖然とするキング。


ボンボン育ちのロレックスなんて


「残飯や。俺ら残飯喰わされるんや。」


と言う有様。

それほど酷い献立かというと、本当に目も当てられないものだった。

メインは得体の知れない魚のフライ。

おそらく100円回転寿司のネタにもならない様な深海魚の切れ端。

干からびたプチトマト×1。

黒ずんだキャベツの千切り。

酸っぱい切干大根。

豆。

並々に注いだ味噌汁もよく見てみると変なカスみなたいなのが浮いているではないか・・・・

米も日にちが経っているのかカチカチになっていたり、黄ばんでいる。

今話題の事故米でもこんな炊きあがりはしないであろう。


皆、「クソだな!」とか、「絶対辞めたんねん!」などなど、

愚痴を言いながら残飯を食い漁った。

当然全て食べる者などおらず、ほとんど残して流しへ捨てた。


だが、ひとつだけ好評なメニューがあった。


煮豆だ。


その名の通りただ豆を煮たものであるが、他が酷過ぎることもありかなりおいしく感じた。

その後寮の先輩に聞いたところ、

この豆は寮生の間で



「センズ」



と呼ばれ唯一の栄養源として重宝がられているようだ・・・




満足に食事も取れず、我々はどうなっていくのであろうか。



またしても私たちは絶望へと追いやられてしまった・・・・・























寮の外観を見ただけで絶望を感じさせられた私たち新入社員。

とりあえず各自部屋にて荷物を整理。

といっても、スーツケースと段ボール1個分くらいの荷物しかないが・・・

夕飯は5時から食べられるようなので、それまでは寮の中や周囲を散策することにした。


まずは水周りのチェックだが、

トイレは各階に和式大便所が2個、小便器が2個。これを10人くらいの住人が使用する。

なぜか天井にデカイ穴があり、蛍光灯もかすれ気味でまるで廃校みたいだ。

大便器には糞がとびちり、木製のドアもカビや経年劣化でくたびれている。

小便器の中はデカい蛾がパタパタしており、異様な雰囲気を醸し出している。

田舎で窓開けっ放しのトイレなので虫は入り放題。

そのアンモニア臭満載のトイレのすぐ横が洗面場兼ランドリーだ。

広さでいえば全部で6畳ほど。

かなり狭い上に驚くほど汚い。

ちなみに洗面場は小学校にある手洗い場に近い作りだ。

なぜか玉ねぎのカスや割りばし、調味料や洗剤が置いてある。

コイン式のコンロもあるが、錆ついていて使用は不可能だろう。


トイレチェックが終わると、浴場へ向う。

大学時代はほぼシャワーのみだったので、大浴場で足を伸ばしながらゆっくりするのがひそかな希望であった。

が、当然のごとく夢は夢で終わった。

まず死体置場のような脱衣所は暗く湿気でジメジメしており、足ふきマットなどボロボロでカビまみれであった。

肝心の浴場にはこれまたカビで真っ黒になった洗面器具やシャワーが5個。

風呂は3人くらいは一緒に入れそうだが、

脂や陰毛が浮遊しており、とても入る気にはなれない。


しずんだ気持ちのまま屋上へ向かう。

今までどんよりした気持ちだったが、目の前には緑が広がりすがすがしい気持ちになれた。

まわりには何もないが、眺めはなかなかのものだ。

最悪の独身寮だと思ったていたけど、この場所だけは気に入ることができた。

ベンチもあり、皆で座って愚痴を言い合った。

皆で屋上で話していると楽しいし、意外とうまくやっていけるかも!と思ってた矢先、

無口なエリートがぽつりと言った・・・


「ここ、タコ部屋と一緒だ。」


やはりここは最低の環境には変わりない。

感覚が麻痺する前に脱出しよう、そう誓った23の春。