※このお話は実在の人物、団体、曲等とは一切関係ありません。
モ「ごめん、あたし帰らなくちゃいけなくなっちゃった。」
4「おつかれ~」
モ「じゃなくて、ちょっと聞いてくれる?もうみんなと一緒に続けられなくなったの。」
4「は?!?!?!?!?...」
モ「今まで黙っててごめんなさい。ちゃんと説明するね。実はあたし、この世界の人間じゃないの。あたしが生まれた世界は、この世界とは別の可能性のタイムラインの世界なの。別の世界なんだけど、割と近い可能性の世界みたいで、人間はほぼ同じ姿で、こっちの人間よりちょっと小さいくらい、あっ、あたしこれでも向こうでは大きい方なんだ。生き物も同じようにいるんだけど、人間以外はあまり似てなくて、向こうの生き物の方が断然かわいくて、だからこっちの生き物は苦手なの、鳩とか特に。あと、言葉はやっぱり違うんで苦労してる。特にさしすせその音が向こうには無くてなかなか慣れないのよ。でも、向こうのコミュニケーション手段はこっちでいう歌とダンスなんで、その辺は得意で・・・」
ア「で、なんで帰らなくちゃいけないの?(このまま聞いてたら時間だけ過ぎちゃうじゃん)」
モ「ごめんごめん、本題に戻すね。ちょっと長くなるけど、あたしがこっちに来たところから話すね。まず、あたしがこっちに来た理由は、あっちの地球が壊れてしまったから、正確にはあっちの地球上の生命が絶滅しかけているからなの。」
シ「それでこっちに逃げてきたってこと?」
モ「ううん、そうじゃないの。宇宙には5つの力、弱い力、強い力、電磁気力、重力そして想力があって、これらの力で、物質ができ、光ができ、星ができ、生命ができているの。」
レ「あー、なんとなくわかる。想力って、『好き』とか『愛』とかそういうので、生命エネルギーを引きつける力ね。」
モ「そうそう、そんな感じ。んで、生命エネルギーの濃いところに物質が結びついて生物になると、想力がどんどん強くなるの。中でも人間は想力がとても強くて、どんどん生命エネルギーを引きつけて増大していくの。」
ア「世界中どんな環境にもいるもんね、人間て。」
モ「でもね、想力って不安定で、何かの拍子に性質が反転してしまうのよ。反想力ってやつ。」
レ「『嫌い』とか『憎悪』みたいな感じ?」
モ「そんな感じなんだけど、とにかく斥力がすごく強いの。人間どうしも近づけなくなっちゃって人数どんどん減っちゃうし、生命エネルギーはどんどん拡散していっちゃうし...」
シ「ヤバいね。そんな世界嫌だなあ。」
モ「でね、あたしこう見えても科学者だから、いろいろ研究して打開策を見つけたの。別のタイムラインの世界の想力の強いところから生命エネルギーを分けてもらって送り込むってやつ。とびっきり濃ければ、想力が生まれて、反想力を打ち消して、更には想力が打ち勝って元の状態に戻せると。」
レ「なんか全然ちょっぴりおバカじゃなくてビビるわ。」
つづく
