ここ数年、私の中の

 

女性性と男性性のバランスが以前と比べて変わっている。

 

オカンが逝ったことがきっかけなのかなあ。

 

それまでの私は、今となって思い出すと

 

猪突猛進型で山っ気満載。

 

『うちの会社に来ない?』と

 

何度かクライアントさんから言われたことがある。

 

『いえ、自分の力で仕事したいんで!』と

 

勇ましく答える私だった。

 

それでも時々、占い系に行くのが好きで

 

ある一人の女性のところへ複数回、かよった。

 

ある時、

 

『あなたの中の女性性が泣いてるね。

私をもっと前に出して、って。

仕事、波に乗っていると思うけれど

男勝りになってるわね』

 

そう言われて戸惑った。

 

同じ頃、別の知人に

 

『勇ましい顔になってるなあ、

まぁ女が一人で食っていくには

そのくらい気丈じゃないとなあ』なんてことを言われた。

 

どこの現場に行っても、

下品な話題を男性スタッフから投げられては

ジョークで返して。

とにかく私は、どの仕事もどの現場もリードしたがった。

笑いをとって何となく自分のペースに持って行くのだ。

 

神様がいつもプレゼントを差し出してくれているかのように

仕事はつねにキラキラと舞い込み、

そんな年月がずいぶんと続いたんだ。

 

会社員よりいいな、

 

いっつも感じていた。

 

それでも

 

時々、思い出していた。

 

『私の中の女性性が泣いてる?????』

 

どういうことだよ、それ。

 

儲けたいし、

 

仕事広めたいし、

 

ハクつけたいし。

 

今は私の中の男性性にしっかり頑張ってもらわないと。

 

そうして何年も過ごした。

 

ある夏の終わり、姉から電話が来て

 

「オカンの検査の結果が嫌な感じだ」と。

 

それからはもう私は

 

仕事よりも生活の主軸がオカンになった。

 

『仕事なら私の代わりは誰でもいるけど、

オカンと娘に代用はいない』

 

なんだよなんだよ、あれだけ仕事に魂を注いでたのに

 

自分でそれ言っちゃった。

 

そうして翌年の夏の真っ盛り、

 

オカンは向こうへ逝ってしまった。

 

あっという間だ。

 

いつも仕事の成果をオカンに話していたのに

 

その相手がいない。

 

まいった。

 

オカンがホスピスに入った晩、

 

私はものすごい馬力で原稿を4本仕上げた。

 

テープ起こしを姪に頼んで。

 

朝方、原稿を送り

 

あとは校正待ちだから

 

とりあえずやることはやった。

 

あとはもう全て100%、オカンに意識を向けられる。

 

あ、話のテーマがずれそうだわ!!

 

とにかく。

 

オカンの病気がわかってから仕事をセーブし、

 

いつもオカンのそばに居られるようにしたいと思ってた。

 

もちろん

 

仕事は生きていく上で必須。

 

でも、でも

 

私はずっと何かをないがしろにしていたんじゃないのかな。

 

いっつも仕事優先。

 

何のため?

 

そんなことを自問自答。

 

いやいや、世の中の皆さんは

 

親がいなくなったって

 

バリバリ仕事をこなす。

 

当たり前。

 

でも、私は

 

調子が狂ってしまった。

 

猪突猛進、山っ気があっさり消えて

 

おいおい、ずいぶんと控えめなフリーの編集ライターに

 

なってしまったよ。。。

 

そんなこんなで数年。

 

おーい、山っ気、戻ってきてくれ。

 

こんな控えめじゃつまらんよ。

 

うーん、、、、、

 

おとなしくも我の強い女の子が

 

私の中のバリバリ仕事をこなす男の前で転んで

 

泣いてる感じ。

 

なんのこっちゃ。

 

朝から独り言でした。