気をとりなおして元気に行こう、私
先日、書店でデザイン関係のコーナーを眺め、
刺激を受けてきました
かっこいいデザインや
心にグッとくるコピーや
あぁそうくるかというデザインなど、
見ているとあっという間に時間が過ぎてしまう。
時には、これどうやって制作したんだろうと
見入ってしまうものもある。
私がデザインの世界に入った頃は
アナログの手法が一般的でした。
今、デザインをするといえば
Macで制作するのが当たり前だけれど
20年くらい前までは
まだまだアナログが主流だったと思います。
私は30歳の頃まで
ずっとアナログでした。
じわじわとMacの波が押し寄せ、
いろいろな制作会社が
アナログとデジタルの両方で仕事を始めたのが
ほんの20年くらい前だったと記憶しています。
(すごい早いところはもっと昔からなのでしょうね)
そして今とはケタ違いの値段だった
その頃は正社員で働いていたので
会社がMacを買ってくれたのですが、
自宅でも練習をしたいと思い、
清水の舞台から飛び降りる気分で
自腹で購入しました。
もちろんローンです
ソフトも目の玉が飛び出るくらい高かったし、
フォントも高かったし、
プリンターも高かったし、
インクも笑っちゃうくらい高かった、
フラットタイプのスキャナー、
ポジフィルムも透過する機械など
デザインをする環境を整えるため、
いい感じの日本車1台分くらいかかったんじゃなかったかしら
今じゃ考えられませんね
あぁ、
いろいろ懐かしい風景が浮かんできます
溝引き定規、ガラス棒、烏口、細筆。。。。
なんのこっちゃですよね。
これらは、線を引くための道具なのです。
綺麗な線を引くために
1センチ幅の中に0,1ミリの線を100本引くなんていう
練習もありましたが、私は50本を超える頃には
ただの真っ黒な物になってしまっていました。
ああ懐かしい
Macが登場した時、それまでの努力の積み重ねが
一気に崩れ去ったような気がしたものです。
でも、アナログ時代を経験しておいて
よかった、そう思うことは多々ありました
アナログだったからこそ、
たくさんサムネイル(頭に浮かんだデザインをメモする感じ)を
描いたことは、その後おおいに役に立ちました。
Macがあると、チョチョイノチョイで
なんとなくかっこいいデザインができちゃうんですよね。
私はいつも制作する時、
「なぜ、この色を使う?」
「なぜ、この文字?」
「なぜ、このデザイン?」
自問自答しながら作っていました。
それはコンセプトにもつながっていたと思います。
ある時、新入社員さんが「できました〜」と
言って見せてくれたものに対し、
「こういうふうなデザインにした理由を教えてくれる?」と問うと
「え???」と押し黙ってしまったのです。
オォ、
なんとなく作ったのかぁ
私の方がびっくりしてしまいました。
私がクライアントだったら、
デザインの意図を知りたいと思うのです。
なーんて、大昔の記憶がよみがえってきた春の夜