何歳の頃だったか、
まだまだ低学年くらいのころだと思うのですが、

母親に思いきり張り倒されて、
前歯をこたつの角にぶつけたことがありました。



その理由が、
母の留守中にきた祖母からの電話を取らなかったから。



基本的には家の電話には出てはいけないことになっていて、

祖母からの電話のみ出てもいいことになっていました。



電話番号では誰だか判断ができない年齢だったか、
そのころまだ番号が出るような固定電話ではなかったか、

詳細は覚えていませんが、


私が1人で留守番していた時に家の電話が鳴ったけど、
誰だかわからなかったので、留守電になるまで待っていました。



留守電になり、祖母が話し始めたのがわかったので、私は電話に出ました。


少し話して電話を切り、母の帰りを待ちました。






しばらくして母が帰ってきました。

家の留守電のランプが光っているのに気がつき、
母は留守電を再生しました。


そして祖母の声が流れ始めた途端、
私の方を向き、思い切り叩いてきました。


「なんでおばあちゃんからの電話に出なかったの!!!」



私はまさか殴られると思っていなくて何も構えていない状態だったので、
そのまま吹っ飛ばされ、こたつに顔をぶつけました。




留守電になる前に電話に出なきゃいけなかったんだ、ごめんなさい、ごめんなさい。


痛いのを堪えて、自分が悪いんだと反省していた私の横で、母は祖母に折り返し電話をかけました。




「○○(私のこと)が電話でなかったみたいで、ごめんね」と祖母に謝る母。


すると祖母は「○○ちゃんさっき電話出てくれたよ」と答えました。




一通り電話し終わって切ったあと、
母は私の方を向き、


「なんで電話出たって言わなかったの」と聞きました。

「留守電になる前に出なきゃいけなかったんだって思って」と答える私。



涙が堪えきれなくなって、
大声で泣きながらぶつけた場所を母に伝えました。


母は頭を撫でてくれました。



急に理不尽に怒られたから覚えているのではなく、

そのあと撫でてもらってフォローされたのはおそらくこれが人生で一度きりなので、深く記憶に残っています。