電気が止まり、真っ暗の部屋の中
点かないこたつの上に卓上コンロを置いて、毛布に包まり炎の灯だけで母の帰りを待つ日もあった。

袋のインスタント麺1つを弟と二人で分けて食べる事も度々。

水道が停められ、夜中に母と二人でバケツを持って
近くの公園に水を汲みに行く事もよくした。

小学校6年生の頃には居留守を使う母の代わりに借金取りに怒鳴られるのも慣れて来てた。

弟は少し身体が弱かったので借金取りに
「息子障害者にして国から金貰えや!」って言われてる事もあった。

母から
離婚する時に父は子供を連れて行くと言ったらしい
でも母は子供を手放したくなく、父の借金を肩代わりする代わりに子供達を引き取らせてくれと頼んだと聞いた。

母は私達の為に父の借金を背負う事になったんだと
子供ながらに嬉しかったし、そんな母の役に立ちたかった。

だから母の言う事はよく聞いた。