ぼくらの銀行

その1 利権の質を変えるべし


10年前、遠洋マグロ延縄調査船に2年間乗船し、
産業が崩壊するってこういうことかと思いました。

その経験に対する自分なりの解答として
JAK会員銀行のドキュメンタリーフィルムに
日本語の字幕をつけてyoutubeにアップしました。

JAK Bank Report 日本語字幕付き

そして、その後、原発事故が起こった

原発事故が問いかける問題に対して
JAK会員銀行は解答となりうるのかどうか
ささやかながら、あのフィルムを世に問うた者としては
ずっと気にしてきたのですが

最近ふと気付いたこと
質の違う利権を僕らは僕択できるって
事を伝えたいんだな と 

時間と供に価値が減って行く貨幣(自由貨幣)の話
世界恐慌真っ只中の1932年7月31日
オーストリアの地方都市ヴェルグルで
自由貨幣が導入され
失業者が減り、雇用が生まれ、
恐慌の最中にヴェルグルだけが栄える
という事態が起こりました。

エンデの遺言 根源からお金を問う
13:55より

そんなお金を持っていても損をするので
皆がなるべく早く手放そうとして、
その結果、貨幣がものすごい勢いで流通し
多くの人に仕事をもたらし、町が活性化した
つまり、お金の仕組みが景気を回復させたと

貨幣制度として自由貨幣を受け入れるとは
皆が自分のお金が時間と供に減って行くことを受け入れた
つまりは自分の利権の一部を手放す事を了解した
ということです

その結果、収入を得るための手段である仕事を
多くの人が見つけることが出来た

皆が自分の利権の一部を放棄することが
皆のため、公のためになり
翻って個人の利権となる
そんな出来事を僕らは引き起こしうるのだ
これはヴェルグルの事例によって
すでに証明されていると言えます。

そして、ヴェルグルにおいては
木を植えたり家を修理するなど
より長期的に見て価値があるものに
自分の富を注ぐようになったという話を聞きました。

別の事例で言えば
古代エジプトでは減価する貨幣制度の下で
人々はナイル川の灌漑施設など
より長期的に見て価値があるものに自分の富を注ぎ込んだ

ローマ帝国に征服され、
現代と同じプラスの利子を前提とした貨幣制度が
強要された結果、
エジプトの繁栄は終わりを告げ、砂漠が広がっていった。

中世ヨーロッパにおいても
減価する貨幣制度の下で
大聖堂建築職人組合に人々は寄付を行い
その結果、今でも残る立派な建築物が建てられた。

あまりにも資料が少ないので
ウワサ話程度の情報しかないのですが
減価する貨幣制度の世界とは
より長期的に見て価値があるものに
自分の富を注ぐことが
自分の利権となるような世界であったのでは
と推測してみる

もしこのような世界を僕らが生み出せれば
廃棄物の問題を抱える原子力発電は
個人の利権を追及すればするほど
よりいっそう不利な立場に追い詰められて行くでしょう。

原発が必要と言う人、原発は即刻やめるべきと言う人
意見の対立はあってしかるべし
ただ、対立の連鎖を増幅させられるよりかは
意見の違いを乗り越えて協力し合える事は何か
これも模索された方が良いと僕は思う

この対立の連鎖を断ち切る手段の一つとして
質の違う利権を僕らは選択できるって話が
有効ではあるまいかと思っているわけなのです

手元にヴェルグルのドキュメンタリー小説
があるのですが
この歴史的事実が伝わることは
多くの人に対して未来の可能性を広げることに
つながるのではないか
それは正直思います

ただ実践するとなると
ちょいとハードルが高いかなぁとも

色々あるけれども現実としては
現在の法定通貨である「円貨」に
多くの人は付き合わざるを得ないわけで

では円貨を使って
僕らが出来うることは何なのか
そこでJAK会員銀行に注目してみました。