ヤクザと愛とイレズミと・・・★  より



愛執の赤い月 (キャラ文庫 た 3-4)/高岡 ミズミ
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【 愛執の赤い月 】 ( キャラ文庫 著:高岡 ミズミ ill:有馬かつみ )

■□■ あらすじ ■□■隣で子供が寝ているのに、夜ごと組み敷かれ貫かれる―。姉の葬式で実徳(みのり)が再会したのは、十年前に別れたきりの幼なじみ・正周(まさちか)。密かに好きだった男は、なんと姉との子を連れていた!!一ヶ月だけと乞われるまま、正周と一緒に暮らすことにした実徳。けれど二人きりになった途端、正周は父親の顔から雄の色香を纏う男に変貌を遂げ…!?危うい同居生活が、暴かれた欲望に破綻する―。《裏表紙より》


妻を亡くした男・正周と、姉を亡くした男・美徳。普通ならしんみりとお酒を酌み交わし、故人を偲び、慰め合うんでしょうけど・・・いきなりゴーカンです!!強引ではなくゴーカン。それも、忘れ形見の子のそばでっ!!慰められたいのか、積年の思いを伝えたいのか・・・正周の大胆さにビツクリです。でね、危険な香りの男って魅力的ですけど、正周はそう思えませんでした。なんかはっきりしなくてずるいんだもん。(汗)ですが、その後も拒みながらも、抱かれるのがわかっていて、離れていかない美徳。まあね、小さい頃から好きだったんだから・・・仕方ないかもしれません。そこが一応の「救い」でしょうか??

そういう正周の弱さとズルさを利用し、結婚した妻・美鈴。彼女の方が美徳の代わりだったんですね。遅かれ早かれ「姉弟どんぶり」になったと・・・。そう思うと可哀想な人でした!まぁ、亡くなった後でよかったんでしょう。


正周はゲンミツにはヤクザではありません。唯一、刺青もないオトコです。でも、ダフ屋行為等、クリーンな道は歩んでなくて、「ヤクザ」と一纏めにしてしまうようなオトコ。恩義ある男の為に組事務所に押し入り、報復という行動も取りましたし・・・。そうだ!スーツを着たチンピラって感じかなっ☆


最後、上の事件で記憶をなくした正周に、嘘をつきとおした美徳。それは、やり直して生活を始めるための甘く優しい嘘。愛する人を手に入れるためのキタナイ嘘。

正周も思い出してない振りですよね。

やっぱりちょっとズルくて、都合良すぎる気もしないではないですが、最後はハッピーエンド。でも、全編通してダークなお話しです。続編はいらないかな・・・ふふふっドキドキ

ウソ・・・敵の事務所を襲撃した正周と片山。火の手が上がる屋敷の中にいた片山を見捨て、美徳は大けがを負った正周を助け逃げました。でも、2人は元々恋人同士で、一緒に交通事故に遭った片山は助からなかったと・・・何回も何年も言い続けた美徳でした。


ゆたか